写真から見る牡丹の特徴
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こちらが牡丹。茶色の茎、ツヤがなくギザギザの切り込みの入った葉です。園芸品種の高さは1~1.5mで、花の色はピンクの他、赤、赤紫、紫、薄紅、白、黄色などがあります。品種にもよりますが、一般に芍薬に比べて香りは弱いです。
2-1.開花時期と散り方で見分けよう
芍薬の開花時期は5月~6月で、牡丹の開花時期は4月~5月です。まず晩春に牡丹の花期がきて、少し遅れて初夏に芍薬が見頃を迎えることになります。
ちなみに、牡丹には上で説明した春咲き品種の春牡丹のほかに、4月上旬と10月~1月に花を咲かせる二季咲き品種の寒牡丹や、春牡丹を1~2月に咲くように温室などで調整した、冬牡丹と呼ばれるものもあるのです。芍薬は初夏の時期にしか見られませんので、晩秋や冬に咲いているものは牡丹とわかります。
そして、芍薬と牡丹は花の散り方で見分けることも可能。芍薬は、開花した状態のまま花の頭ごとぼとっと落ちます。椿の花の落ち方を想像するとわかりやすいでしょうか。牡丹の花びらは1枚ずつ散っていくのですが、散り始めると日をまたぐことなく一気に散ってしまいます。芍薬も牡丹も、散る様子を「崩れる」と言い表すことがありますが、あっという間に花の形を失ってしまう様子をよく捉えた表現と言えるでしょう。
2-2.葉やつぼみの形で見分けよう
芍薬と牡丹の葉とつぼみには、以下のような特徴があります。これらの点を踏まえて、試しに上の写真を見返してみてください。どちらがどちらか、見分けがつくようになってきたのではないでしょうか?
芍薬:葉に厚みとツヤがあり、丸みを帯びて細長い。切れ込みはなし。つぼみは球形で、つぼみからは蜜が出てべたつく。
牡丹:葉は大きくてツヤがなく、先が3つに分かれてフチに切れ込みあり。つぼみの先端はとがっていて、べたつくことはなし。
2-3.冬の越し方で見分けよう
草である芍薬は、根だけを残して枯れてしまい、翌春に土から新芽を出します。牡丹の場合は葉を落として枝だけで冬を越し、春に枝から新芽を出すのです。冬の姿を見れば、芍薬と牡丹の違いは一目でわかります。
3.芍薬と牡丹、育て方の違い
多年草の芍薬と、落葉低木の牡丹は、育て方にも大きな違いがあります。双方の特徴的な点について、要点を押さえて解説していきましょう。
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