
その3「肩肘張る」
力が入って肩や肘を突っ張るように、負けないという態度をとったりいばったりすることを「肩肘張る」と表します。「そんなに肩肘張らずにリラックスしなさい」などと使えますね。弱さを見せないような態度を表し、自信を誇示する「見えを切る」とはニュアンスの違いがありそうです。
その4「見栄を張る」
「見栄を張る」は日常でもよく使う表現ですね。よく見せようとして表面上とりつくろうことを表します。自信を強調する大げさな態度をとることが「見えを切る」なのに対し、「見栄を張る」はうわべを飾ることを表すので、ニュアンスの違いがありますね。どちらも人目を意識しての態度であることは同じだといえるでしょう。
「女性たちの前で見栄を張って、実際の年収より高い額を言ってしまった」などと使えます。
「見えを切る」の対義語は?
「見えを切る」について、特定の対義語は見つかりませんでした。「見えを切る」の「大げさに自信があることを示す態度をとる」という意味を考えると、「自信がなく弱気な様子」などの意味合いを持つ表現が、対義語に当てはまるかもしれません。参考に、3つの用語を紹介します。
その1「悄然」
「見えを切る」の類語として紹介した「昂然」の対義語が「悄然(しょうぜん)」です。「元気がない様子」や「さびしく、静かな様子」といった意味を持ちます。言動に勢いを感じる「見えを切る」とは、まったく違った雰囲気がありますね。「彼は何も言わず、悄然と去っていった」などと使えるでしょう。
その2「気弱」
気弱は字が表す通り、「気が弱い様子」を意味します。自信を強調する「見えを切る」とは、反対の態度であるといえるでしょう。会議で見えを切っている人と、気弱な発言をする人とでは、印象がまったく異なりますね。
その3「腰が弱い」
「腰が弱い」は「弱気な様子、意気地がないさま」を表す慣用句です。「彼は腰が弱い人だから、企業の重役を相手にしたこの仕事は向いていないだろう」などと使えるでしょう。自分の力を誇示する「見えを切る」とは、反対の様子が伝わってきますね。また「腰が弱い」は、「麺類や餅などのねばり気が乏しい」という意味でも使われます。
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