この記事では右翼と左翼の違いについてみていきます。

どちらもニュースで聞いたりネットで見かけたり、政治に関するイメージがあるよな。違いはずばり国に対する考え方のようですが、場面や時代によって思想が違うなど、調べてみるといろいろあるみたいです。

今回は、そんな政治に欠かせない思想の違いを定義から確認しつつ、雑学好きのライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざま分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識をわかりやすく解説していく。

ざっくり右翼と左翼の違いって何?

image by iStockphoto

右翼と左翼という言葉ですが、「聞いたことはあるけれど、きちんと理解していない」という方は多いのではないでしょうか。右翼・左翼はどういった場面で使うのか、日本特有の言葉なのかなどをご紹介していきます。

右翼:保守・復古主義勢力

伝統や人間の感情・情緒を重視することが「右翼」です。このような伝統的な仕組みには、近代以前の王政・天皇制・身分制などが関係しています。右翼という言葉は、1815年のフランス王政復古のあとからよく使われるようになりました。

左翼:伝統的な意味では進歩派勢力

人間は本来、自由・平等・人権があるという、知性で考えついた理念を世に広め実現させようと志すのが「左翼」です。その実現が人類の進歩という考え。万が一、支配・抑圧・差別があった場合、批判し改革をします。

違いその1:思想

大まかな右翼と左翼の違いがわかったところで、元となる思想についてご紹介していきます。具体的な思想は時代や立場、視点によって変化する右翼と左翼。時代の流れと共に知っていきましょう。

\次のページで「右翼:長い間定着してきた世の中の仕組みは簡単に変えるべきでない」を解説!/

右翼:長い間定着してきた世の中の仕組みは簡単に変えるべきでない

右翼は、保守・愛国心・核粋主義的な思想です。政治思想では、伝統・風習・思想などを重視しています。日本の右翼思想の源流としてあげられるのは、江戸時代後期の国学者が主張した国粋主義や皇国史観、水戸学や平野国臣らなどです。

左翼:政治や経済の仕組みは人間の手で作りかえることができる

左翼は自由より平等を優先し、急進主義的な思考をもつ思想となります。現実変革の可能性に対して、楽観主義的な立場です。また、フランス革命時期は進歩に逆らう行動を、反動と呼び批判をしていました。

【政治的立場の違い】
・右翼
⇒ナショナリズム
⇒与党
⇒体制的
⇒改憲

・左翼
⇒インターナショナル
⇒野党
⇒反体制
⇒護憲

違いその2:歴史

右翼と左翼はいつから始まったのでしょうか。この章では、双方の歴史について紹介します。背景はフランスの絶対王政の時代です。反発が集まり国民議会が開かれたことがきっかけとなります。詳しく見ていきましょう。

右翼:王の拒否権を認める

国民議会では、王権を制限するために国民が集まりました。そこで後に右翼となる方は、国民議会で右側の席に座ります。右翼側の申し出は国王の権力を部分的に認め、貴族や聖職者の特権を存続させるというものでした。

左翼:王の拒否権を認めない

後に左翼となる方は、国民議会で左側の席に座ります。左翼側の申し出は王の拒否権を認めず、貴族や聖職者の特権を存続させないというものです。平民たちは国王が最大の権力を握っていたことに反発していました。

\次のページで「右翼と左翼の別名」を解説!/

右翼と左翼の別名

余談になりますが、右翼・左翼は別名で呼ばれることがあります。政治内で飛び交うことが多々あり、知っていると政治情勢や投票に役立つかもしれません。違う角度から、右翼・左翼について知っていきましょう。

右翼の別名は「保守」:伝統を重んじて保存

右翼の別名は「保守」で、政治的な場面でよく使われます。意味は「人間の理性の完全性を疑う」。理性を超えた慣習や良識にこそ、歴史のふるいにかけられた重要な英知があると考えたことがはじまりです。

左翼の別名は「リベラル」:自由主義的

左翼の別名は「リベラル」といいます。人の権利や多様な価値観を尊重し、共助・共存などの助け合いを大事にするという傾向です。英語の「liberal」をカタカナで表したもので、語源は制限や制約のないことを指すラテン語の「liber」となります。

右翼・左翼の覚え方

image by iStockphoto

ここまで、右翼・左翼のさまざまな違いをご紹介してきました。ここからは今まで出てきたキーワードを含めて、右翼・左翼の覚え方をご紹介いたします。復習も兼ねて見ていきましょう。

\次のページで「保守なら右翼」を解説!/

保守なら右翼

右翼で今まで出てきたキーワードは、「保守」「伝統」「国家主義」などです。変革を拒否する団体となります。また、あくまで個人的な覚え方ですが「右手が利き手の人は、変わらず右利きでいることを守る」という覚え方もよいかもしれません。

革新なら左翼

左翼で今まで出てきたキーワードは、「革新」「人権」「共産主義」などです。変革を求める団体となります。また、あくまで個人的な覚え方ですが「左手が利き手の人は左利きだと扱いにくい場面があり、周辺の物事について変革を希望する」という覚え方もよいかもしれません。

【右翼】
・「保守」「伝統」「国家主義」
⇒国柄や伝統、慣習を重視

【左翼】
・「革新」「人権」「共産主義」
⇒既成の体制や文化を否定

右翼は「伝統を守り現実的」・左翼は「革新を望み理想的」

右翼は威厳に満ちた歴史あるものを貫く「伝統的感情」を重んじ、左翼は「政治や経済の仕組みは人間の手で作り変えられる」という考えがあります。どちらも国をより良くしたいという気持ちは同じはずなので、それぞれの考え方や背景にある歴史を知り、両者の意見を聞くことが大切です。

" /> 右翼と左翼の違いが3分でわかる!保守とリベラル・覚え方も雑学好きライターがわかりやすく解説 – Study-Z
言葉雑学

右翼と左翼の違いが3分でわかる!保守とリベラル・覚え方も雑学好きライターがわかりやすく解説

この記事では右翼と左翼の違いについてみていきます。

どちらもニュースで聞いたりネットで見かけたり、政治に関するイメージがあるよな。違いはずばり国に対する考え方のようですが、場面や時代によって思想が違うなど、調べてみるといろいろあるみたいです。

今回は、そんな政治に欠かせない思想の違いを定義から確認しつつ、雑学好きのライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざま分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識をわかりやすく解説していく。

ざっくり右翼と左翼の違いって何?

image by iStockphoto

右翼と左翼という言葉ですが、「聞いたことはあるけれど、きちんと理解していない」という方は多いのではないでしょうか。右翼・左翼はどういった場面で使うのか、日本特有の言葉なのかなどをご紹介していきます。

右翼:保守・復古主義勢力

伝統や人間の感情・情緒を重視することが「右翼」です。このような伝統的な仕組みには、近代以前の王政・天皇制・身分制などが関係しています。右翼という言葉は、1815年のフランス王政復古のあとからよく使われるようになりました。

左翼:伝統的な意味では進歩派勢力

人間は本来、自由・平等・人権があるという、知性で考えついた理念を世に広め実現させようと志すのが「左翼」です。その実現が人類の進歩という考え。万が一、支配・抑圧・差別があった場合、批判し改革をします。

違いその1:思想

大まかな右翼と左翼の違いがわかったところで、元となる思想についてご紹介していきます。具体的な思想は時代や立場、視点によって変化する右翼と左翼。時代の流れと共に知っていきましょう。

\次のページで「右翼:長い間定着してきた世の中の仕組みは簡単に変えるべきでない」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: