この記事ではピアノとキーボードの違いについてみていきます。

2つともどちらも曲を演奏するときに必要なものというイメージがあるよな。違いはずばり鍵盤数のようですが、そのほかにもペダルの有無や音の強弱のつけかたなど調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。

今回はそんな演奏に欠かせない楽器の違いを、鍵盤数から確認しつつ、ピアノ歴12年のライター平いずみと一緒に解説していきます。

ライター/平 いずみ

普段は刺しゅう作家兼ライター。実家にグランドピアノがあり、3歳から15歳までピアノを習っていた。今回はその経験をいかして執筆する。

ピアノとキーボードの大まかな違いとは?

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ピアノとキーボード、どちらも鍵盤がついていて指で鍵盤を押すと音がなる楽器ですよね。曲を演奏するのには欠かせない楽器で2つとも構造的には同じであるものの、いくつかはっきりとした違いがあることが調べるとわかりました。

そこで、本記事ではピアノとキーボードの違いについて解説します。

ピアノとは弦をハンマーで叩く打楽器

ピアノは音を鳴らす際に鍵盤を指で押さえると、内部に張られた弦(ピアノ線)をハンマーが叩いて音を出す仕組みになっています。つまり、ピアノとは打楽器であると言えるでしょう。鍵盤が重いため、しっかりとした指のフォームで弾く力が必要となってきます。

また、弾いたときにしっかりとした手ごたえが感じられるのもピアノの特徴です。

キーボードは鍵盤のセンサーを指で押す電子楽器

一方、キーボードは音を鳴らす際に鍵盤を指で押さえると、内部のセンサーが反応して音が出る仕組みになっています。つまり、キーボードは鍵盤を押すと音が鳴る電子楽器と言えるしょう。触ったたけでも音が出るので、指の力を必要としません。したがって、弾くときの指のフォームも自由で良いでしょう。

鍵盤楽器とは鍵盤のついた楽器の総称

細かく分類するとピアノは「打楽器」、キーボードは「電子楽器」となり、構造的にも違います。しかし、鍵盤楽器としてひとくくりにされるのは、両方とも鍵盤がついているという見た目のためです。したがって、鍵盤楽器とは鍵盤のついた楽器の総称であると言えます。

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それぞれの鍵盤の数は?

次に、ピアノとキーボード、それぞれの鍵盤の数について解説しましょう。

ピアノの鍵盤数は88

ピアノの鍵盤数は88鍵盤で、数がとても多いです。音域も幅広くさまざな表現が可能となるため、作曲や教育などにも取り入れられています。

キーボードの鍵盤数は61

一方キーボードの鍵盤数は、主に61鍵盤です。しかしラインナップが幅広く、下は32鍵盤~上はピアノと同じく88鍵盤と選べるようになっています。

また、鍵盤の長さや幅もピアノに比べて短いでしょう。その代わり、音の種類は多くオルガンやシンセサイザー、ストリングス、管楽器、打楽器の音までボタン一つで変えられます。

ペダルはある?ない?

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さらに、2つで異なる点はペダルの有無に関してです。いまから、ペダルの役割やそれぞれの本数について解説します。

ピアノはペダルが3本

ピアノは本体の中央下部に3つのペダルがあり、このペダルには音の伸び具合を微妙に調整する役割があります。それぞれ、右から順に「サスティンペダル」「ソステヌートペダル(マフラーペダル)」「ソフトペダル(ウナコルダ)」と呼ばれているでしょう。

よく使うのは右側の「サスティンペダル」で、このペダルを踏むことで音を長く鳴り響かせられます。また真ん中の「ソステヌートペダル」は踏み続けることで音を弱音にできるでしょう。

キーボードはペダルが0もしくは1本

一方、キーボードにはペダルが無いものが多くなります。もしペダルを付けたい場合は、オプションで1本後付けが可能です。そのため、ピアノ代わりにキーボードで練習する際は、1本だけでも準備しておくと良いでしょう。

しかし、基本的にはオン・オフ機能しかついていないため、ピアノのペダルのような微妙な音の伸びは表現できません。

 

\次のページで「音に強弱はつけられる?つけられない?」を解説!/

音に強弱はつけられる?つけられない?

ピアノとキーボードでは、音に強弱は付けられるのでしょうか。解説しましょう。

ピアノは強弱がつけられる

ピアノは鍵盤を弾くときの指の強さによって強弱(タッチレスポンス)を細かくつけられます。また、楽譜にも音の強弱や表現の仕方について音楽記号などが記されており、その通りに弾くことによってさまざまな表現ができるでしょう。

キーボードは音量が一定

キーボードは音量を音量ボタンで調節するものが多く、常に一定でしょう。上位機種になると、若干の強弱はつけられるようになりますが、あくまでも気持ち程度のものが多くなります。そのため、音の強弱による繊細な表現は難しくなるでしょう。さまざまな楽器の音で鍵盤楽器の演奏を楽しむという目的に適しています。

大きさや値段の違いは?

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ピアノは鍵盤数が多く、さまざまな表現が可能。一方、キーボードの鍵盤数は少ないものの、いろいろな音色を気軽に楽しめるようになっていることがわかりました。後は、それぞれの大きさや値段についての違いを解説していきましょう。

ピアノは場所を取り重く、値段も高め

ピアノは、鍵盤数が88鍵盤と多いこともあり、サイズも大きめです。大きさはヤマハのアップライトのものだと幅147~156cm×奥行き60~68 cmほどになります。これに高さや椅子を置くスペースも含めると、畳1畳~の場所が必要となるでしょう。重さも約200kgと大変重くなります。

また、値段に関してはアップライトピアノで50万円以上が主流とのこと。グランドピアノになると100万以上からが主流です。また、アコースティックピアノは1回につき1万円程度の定期的な調律も必要になるため、維持費もかかるでしょう。

\次のページで「キーボードはコンパクトで値段も手ごろ」を解説!/

キーボードはコンパクトで値段も手ごろ

キーボードは鍵盤数が61鍵盤のものだと、幅が約90㎝~×奥行約26㎝~とかなりコンパクトになります。鍵盤数によってサイズも変わってくるので、置き場所に合わせて選べるでしょう。また重さも簡単に移動したり、持ち運びできるくらいの重さになります。

値段もピンキリで一番安い32鍵盤のものだと5千円~、大体の曲が演奏できる76鍵盤のものでも約3万円弱と手ごろです。また、調律などの維持費もかからないでしょう。

初心者はキーボード→電子ピアノに移行すると失敗がない

「ピアノを習いたいけど、続くか心配」「初期費用にそこまで掛けられない」と悩んでいる方も多いと思います。そういう初心者の方の場合は、とりあえず鍵盤楽器がどのようなものかを知るためにも、キーボードを購入してみてはいかがでしょうか。実際に弾いてみないとわからないこともたくさんあります。

ピアノ教室も、ごく初期の場合ならキーボードの鍵盤数でも練習可能である場合も。一定期間やってみて「続けられそう」と確信が持てたときに、よりピアノのタッチに近い電子ピアノに移行すると、費用面でも失敗を防げるでしょう。

ピアノとキーボードの違いを知って目的別に使い分けよう!

本記事ではピアノとキーボードの違いについて解説しました。主な違いは鍵盤数ですが、他にも音の強弱やペダルの有無、大きさや費用面などでの違いもはっきりしており、別物だということがわかりました。

ピアノの練習をしたいという目的ならば、指のフォームやタッチの面を考慮すると、ピアノやもしくは電子ピアノがおすすめです。しかし、ただ単に鍵盤楽器の演奏を楽しみたいという目的ならばキーボードで十分でしょう。

置き場所や費用面でも異なってくるので、自分の目的が何なのかをはっきりさせることで、どちらが適しているかわかると思いますよ。

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ピアノとキーボードは全然違う!鍵盤数やペダル・音の強弱・値段の違いや初心者へのおすすめなどをピアノ歴12年のライターがわかりやすく解説!

この記事ではピアノとキーボードの違いについてみていきます。

2つともどちらも曲を演奏するときに必要なものというイメージがあるよな。違いはずばり鍵盤数のようですが、そのほかにもペダルの有無や音の強弱のつけかたなど調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。

今回はそんな演奏に欠かせない楽器の違いを、鍵盤数から確認しつつ、ピアノ歴12年のライター平いずみと一緒に解説していきます。

ライター/平 いずみ

普段は刺しゅう作家兼ライター。実家にグランドピアノがあり、3歳から15歳までピアノを習っていた。今回はその経験をいかして執筆する。

ピアノとキーボードの大まかな違いとは?

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ピアノとキーボード、どちらも鍵盤がついていて指で鍵盤を押すと音がなる楽器ですよね。曲を演奏するのには欠かせない楽器で2つとも構造的には同じであるものの、いくつかはっきりとした違いがあることが調べるとわかりました。

そこで、本記事ではピアノとキーボードの違いについて解説します。

ピアノとは弦をハンマーで叩く打楽器

ピアノは音を鳴らす際に鍵盤を指で押さえると、内部に張られた弦(ピアノ線)をハンマーが叩いて音を出す仕組みになっています。つまり、ピアノとは打楽器であると言えるでしょう。鍵盤が重いため、しっかりとした指のフォームで弾く力が必要となってきます。

また、弾いたときにしっかりとした手ごたえが感じられるのもピアノの特徴です。

キーボードは鍵盤のセンサーを指で押す電子楽器

一方、キーボードは音を鳴らす際に鍵盤を指で押さえると、内部のセンサーが反応して音が出る仕組みになっています。つまり、キーボードは鍵盤を押すと音が鳴る電子楽器と言えるしょう。触ったたけでも音が出るので、指の力を必要としません。したがって、弾くときの指のフォームも自由で良いでしょう。

鍵盤楽器とは鍵盤のついた楽器の総称

細かく分類するとピアノは「打楽器」、キーボードは「電子楽器」となり、構造的にも違います。しかし、鍵盤楽器としてひとくくりにされるのは、両方とも鍵盤がついているという見た目のためです。したがって、鍵盤楽器とは鍵盤のついた楽器の総称であると言えます。

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