

単純に「養護学校は聞いたことあるけど、特別支援学校って何?」や「どういう学校なのかな」という素朴な疑問があるだろう。
今回、言語聴覚士としての勤務経験がある「けい」が不安を解消するべく制度の違いや種類について、更には「教員になるための方法」について紹介しているので、一緒に見ていこう。
- 養護学校と特別支援学校の違いって?
- 養護学校とは→視覚・聴覚障害以外の障害を持つ子どもが通う学校
- 特別支援学校とは→法改正後の呼び名
- 指している学校はほぼ同じ!
- 特別支援学校と一般的な学校は何が違うの?
- 一般的な学校と教育内容の違いは?
- 特別支援学校はどういう子どもが対象なの?
- 特別支援学校の生活ってどんなもの?
- 入学までの流れ
- 学費はどれくらい?
- どういう人が教えているの?
- 特別支援学校と特別支援学級の違いは?
- 特別支援学校の教員になるには?
- 教員免許と特別支援学校教諭免許の2種類の免許が必要
- 教員採用試験に合格しなければ教員として働くことができない
- 現在では「養護学校」という考えは存在しない
この記事の目次

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/けい
8年間、言語聴覚士として勤務。またプライベートでも育児に日々奮闘中。これらの経験で培われた情報をわかりやすいく発信していく。
養護学校と特別支援学校の違いって?

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それでは、「養護学校」と「特別支援学校」の違いについてみていきましょう。違いについて理解するためには、「学校教育法」について整理しなければなりません。
学校教育法は1947年(S22)に公布されています。それまでも学校教育法の一部改正は行われてきていましたが、2007年(H19)に行われた一部改正において、それまでの学校教育法とは異なる考え方で体制を作り始めました。
養護学校とは→視覚・聴覚障害以外の障害を持つ子どもが通う学校
養護学校とは、知的障害や肢体不自由、病弱の子どもが通う学校として位置づけられていたものです。そのため、学校教育法の改正以前では障害を持つ子どもが通う学校は、「盲学校、聾学校、養護学校の3種類があった」とイメージするとよいでしょう。
どの学校でも幼稚園や小学校、中学校、高校に準ずる教育が行われていました。
特別支援学校とは→法改正後の呼び名
2007年の学校教育法の改正後からは、盲学校、聾学校、養護学校の3種類が「特別支援学校」という名称で一本化されています。これは、障害の重症化や重複化するケースが増えてきており、より柔軟な対応が求められるようになったためです。
指している学校はほぼ同じ!
学校名として「養護学校」が使われているところはありますが、現在では障害を持つ子どもが通う専門的な学校を総じて「特別支援学校」と名称が固定されています。そのため、「視覚・聴覚障害を持つ子どもも特別支援学校に通う」と考えてよいでしょう。

盲学校と聾学校、養護学校がそれぞれ別々にされていた理由は歴史的背景に関係する。盲学校と聾学校は第2次世界大戦以前から設置されているが、養護学校の配置義務は第二次世界大戦以降からだ。元々は「障害」というと「目」「耳」に対して指していたようだ。
特別支援学校と一般的な学校は何が違うの?

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次に、特別支援学校と一般的な学校の違いについてみてきましょう。ここでは、「普通の学校と比べて特別支援学校の教育内容はどのように違うのかな?」「特別支援学校に通う子どもはどんな子供なのかな?」等の疑問を解消できるよう紹介していきます。
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