
《「だまり」の撥音添加》
1.だまっていて、ものを言わないこと。また、その人。「何を聞かれてもーをきめこむ」
2.ことわりのないこと。無断。「不実に考えりゃあ、ーで不意と出発 (たっ) て行くかも知れない」〈柳浪・今戸心中〉
3.歌舞伎の演出で、暗やみの中で、登場人物が無言で探り合うようすを様式化したもの。また、その場面。暗闘。暗挑。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「だんまり」
「だんまり」は「黙り(だまり)」の音が変化したもので、複数の意味があります。「だんまりをきめこむ」というときは、辞典の1つ目の「一言も話さないこと」の意味で使っているのですね。「容疑者はだんまりをきめこんでいる」など、ドラマをみていると聞くことがあるでしょう。
「口を結ぶ」の対義語は?
「口を結ぶ」について、特定の対義語は見つかりませんでした。「口をとじて黙る」という意味を考えると、反対の意味合いは「話すこと、しゃべること」になりそうです。理解を深めるヒントになるように、3つの表現を紹介します。
その1「口を切る」
「口を切る」には、「話しはじめる」と「ふたや栓などを初めてあける」という2つの意味があります。黙ってしまう「口を結ぶ」に対して、話を始める「口を切る」は反対の意味合いとなりそうです。「沈黙していた会議の場で、口を切ったのは彼女だった」などと使えるでしょう。
似たような慣用句に「口火を切る」がありますが、こちらは「他が続いていくようなきっかけとなることを、先に行うこと」を表します。
その2「饒舌」
「饒舌(じょうぜつ)」は「おしゃべりである様子」を意味します。「普段無口な父は、お酒をのむと饒舌になる人だ」などと、日常生活においてもよく耳にする表現ですね。
その3「口まめ」
あまり日常では使わないかもしれませんが、「口まめ(くちまめ)」という言葉があります。漢字では「口忠実」と表記し、「よくしゃべる様子」という意味を持つ言葉です。「彼は口まめな人だ」などと使えるでしょう。