この記事ではクレヨンとクレパスの違いについてみていきます。

2つともどちらも子供が絵を描くときに使う画材というイメージがあるよな。違いはずばり材料のようですが、発祥や硬さなんかも違っていて適した選び方もあるみたいです。

今回はそんな子供のお絵描きに欠かせないアイテムの違いを、材料から確認しつつ、お絵描き好きライター平いずみと一緒に解説していきます。

ライター/平 いずみ

普段は刺しゅう作家兼Webライター。絵を描くことも好きで、水彩画教室にも通っていた。今回はその経験を生かして解説する。

クレヨンとクレパスの大まかな違いは?

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誰しも子供の頃に画用紙にクレヨンやクレパスを使って絵を描いた経験はあることでしょう。ところで、どちらも絵を描くための画材ですが、違うのは名称だけで同じものと思っていませんか。実は、二つは使用する材料が違っているのです。

そこでいまから、クレヨンとクレパスの材料の違いについて解説します。

クレヨンとは顔料と固形ワックスを練り合わせた画材

クレヨンは、基本的には顔料と呼ばれる色のついた粉に固形のパラフィンワックスを練り合わせて作った画材のことです。日本ではさらに、体質顔料と液体油を混ぜてより柔らかい描き味にしています。海外のクレヨンは、基本の材料なので日本製のものより硬めです。

クレパスとはクレヨンの材料に液体油が入った画材

クレパスとは、クレヨンの材料の他に体質顔料と液体油を混ざ合わせた画材です。日本で作られるクレヨンとクレパスは材料だけ見るとほぼ同じなのですが、それぞれの割合を変えることで、違った描き味になるようにしています。

クレヨンとクレパスの発祥は?

それでは、クレヨンとクレパスはそれぞれどこで発祥したのでしょうか。いまからみていきましょう。

クレヨンは海外発祥

クレヨンの歴史は古く、起源は古代エジプトやギリシャであったと言われています。当時のものは蜜蝋と顔料を溶かして焼き付けたものだったようです。現在のようなクレヨンが生み出されたのは、19世紀にフランスのクレヨンコンテ社によるもので、クレヨンと名付けて販売したのが始まりとされています。

日本にはアメリカ製のクレヨンが大正時代に日本に持ち込まれ、そこから広まったのだそう。

\次のページで「クレパスは日本発祥」を解説!/

クレパスは日本発祥

一方クレパスはと言うと、1925年に世界初の画材としてサクラクレパスが開発しました。開発のきっかけは、クレヨンをもっと使いやすい画材として改良しようとしたためです。その結果、クレヨンとパステルの長所をあわせ持ったクレパスは、線画も描けて重ね塗りも可能になっています。

クレパスの正式名称はオイルパステル

日本ではクレパスで通っていますが、実はクレパスは「サクラクレパス」の登録商標です。そのため、海外では”オイルパステル”と言うのが正式名称となっています。海外では、クレパスと言っても通じないため注意しましょう。

質感は硬い?柔らかい?

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クレヨンとクレパスの材料や発祥の違いについては理解できたでしょうか。では、それぞれの質感についてこれから解説します。

クレヨンは硬め

クレヨンはクレパスに比べて硬めに作られています。そのため、線画に適しているでしょう。また、描いた後にベタベタせず、扱いやすいのが特徴です。しかし、色を混ぜたり、重ね塗りをしたりするのには向いていません。

クレパスは柔らかめ

一方クレパスはクレヨンに比べて柔らかめに作られています。線画だけでなく、色を混ぜたり重ね塗りもできるのが特徴です。重ね塗りすることで、油絵具のように厚塗りも可能。しかし、オイルの量が多いため、クレヨンに比べてベタつき感があるでしょう。

\次のページで「年齢別おすすめの選び方は?」を解説!/

年齢別おすすめの選び方は?

クレヨンとクレパスはそれぞれ、質感に特徴があることがわかりました。クレパスのほうが幅広い表現ができますが、子供の年齢によっては扱いにくいことも。そこで、年齢別におすすめの選び方を紹介します。

赤ちゃん~幼稚園児にはクレヨン

クレヨンは硬めで折れにくく、ベタつかないのが特徴です。また、画用紙からはみ出してテーブルを汚しても、落としやすくなっています。そのため、まだ手が未発達で力の加減がしにくい赤ちゃん~幼稚園児には、お絵描きの際はクレヨンが適しているでしょう。

小学生からはクレパス

小学生以降は、線画だけなく色を混ぜたり重ね塗りできるクレパスがおすすめです。広い面を塗ったり、工夫することでさまざまな表現ができるので、より深みのある絵が描けるでしょう。

クレヨン・クレパスの関連アイテム、パステルって?

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最後に、いままでに何回か登場したパステルについて解説します。パステルを知ることで、よりクレヨンやクレパスへの理解も深まるでしょう。

パステルは顔料を棒状に固めた画材

パステルは固形ワックスやオイルを入れずに、顔料を粘着剤で棒状に固めた画材になります。パステルは顔料に最小限の粘着剤を入れて作っていますが、粘着剤の量によって「ハードパステル」、「ソフトパステル」、「オイルパステル」、「パンパステル」の4種類に分けられるでしょう。

一般的にパステルと言うときは、比較的硬めの「ハードパステル」を使ったパステルアートのことを指します。重ね塗りはできますが、色を混ぜることはできないので500色ほどの色数があるそうです。

パステルは削って使う

パステルは他の画材と違って、筆やパレットを使いません。使うときは削って粉状にし、直接手やティッシュでぼかして使います。粉末にすることで、混色が可能になるでしょう。また、広い範囲を塗るときはそのまま寝かしたり、線を描くときは角を使うことも。

パステルにはオイルやワックスが入っていないためテカリがなく、ふんわりとした顔料そのものの美しい発色が可能になります。しかし、粉落ちしやすいので、フィキサチーフという定着剤で処理をして固める必要があるでしょう。

\次のページで「クレヨン・クレパスの違いを知って楽しく絵を描こう!」を解説!/

クレヨン・クレパスの違いを知って楽しく絵を描こう!

本記事では、クレヨン・クレパスの違いについて解説してきました。再度まとめると、クレヨン・クレパスの違いとは使われている材料の違いになります。また、クレパスとは日本の「サクラクレパス」が開発した商品名であり、一般的にはオイルパステルと言うので覚えておきましょう。

クレヨン・クレパスにはそれぞれ持ち味があるので、年齢や描きたいものによって使い分けると、より楽しく絵が描けるのではないでしょうか。みなさんも童心に返って、たまにはお絵描きしてみてくださいね。

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クレヨンとクレパスの違いって?パステルとの関連は?2つの発祥や硬さ、選び方についてお絵かき好きライターがわかりやすく解説!

この記事ではクレヨンとクレパスの違いについてみていきます。

2つともどちらも子供が絵を描くときに使う画材というイメージがあるよな。違いはずばり材料のようですが、発祥や硬さなんかも違っていて適した選び方もあるみたいです。

今回はそんな子供のお絵描きに欠かせないアイテムの違いを、材料から確認しつつ、お絵描き好きライター平いずみと一緒に解説していきます。

ライター/平 いずみ

普段は刺しゅう作家兼Webライター。絵を描くことも好きで、水彩画教室にも通っていた。今回はその経験を生かして解説する。

クレヨンとクレパスの大まかな違いは?

image by iStockphoto

誰しも子供の頃に画用紙にクレヨンやクレパスを使って絵を描いた経験はあることでしょう。ところで、どちらも絵を描くための画材ですが、違うのは名称だけで同じものと思っていませんか。実は、二つは使用する材料が違っているのです。

そこでいまから、クレヨンとクレパスの材料の違いについて解説します。

クレヨンとは顔料と固形ワックスを練り合わせた画材

クレヨンは、基本的には顔料と呼ばれる色のついた粉に固形のパラフィンワックスを練り合わせて作った画材のことです。日本ではさらに、体質顔料と液体油を混ぜてより柔らかい描き味にしています。海外のクレヨンは、基本の材料なので日本製のものより硬めです。

クレパスとはクレヨンの材料に液体油が入った画材

クレパスとは、クレヨンの材料の他に体質顔料と液体油を混ざ合わせた画材です。日本で作られるクレヨンとクレパスは材料だけ見るとほぼ同じなのですが、それぞれの割合を変えることで、違った描き味になるようにしています。

クレヨンとクレパスの発祥は?

それでは、クレヨンとクレパスはそれぞれどこで発祥したのでしょうか。いまからみていきましょう。

クレヨンは海外発祥

クレヨンの歴史は古く、起源は古代エジプトやギリシャであったと言われています。当時のものは蜜蝋と顔料を溶かして焼き付けたものだったようです。現在のようなクレヨンが生み出されたのは、19世紀にフランスのクレヨンコンテ社によるもので、クレヨンと名付けて販売したのが始まりとされています。

日本にはアメリカ製のクレヨンが大正時代に日本に持ち込まれ、そこから広まったのだそう。

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