冷蔵庫でうっかり食べ忘れたものを見つけた時、「消費期限と賞味期限、過ぎていたら食べられないのはどっちだ?」と迷うことはないでしょうか。
ですが、この二つの言葉の違いは意外とシンプルです。よって、理解さえすれば今後は迷いも焦りも必要なくなるでしょう。
今回は、世界各国から様々な食品の輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。
- 「消費期限・賞味期限」の定義と違い
- 消費期限は「口にしていい最終期限」のこと
- 賞味期限は「おいしさを保証する期限」のこと
- 「消費期限・賞味期限」どちらも表示がない商品もある
- 「消費期限・賞味期限」どちらを表示するか決め方と設定方法
- 「消費期限」は5日以内に食べるべきものに
- 「賞味期限」は劣化が遅めの商品につくがその長さはピンキリ
- 設定方法は製造業者の検査による
- 「消費期限・賞味期限」からどれくらいまで食べていいものか?
- 消費期限が切れたら「もう食べない!」と決める
- 賞味期限切れ:卵の場合
- 賞味期限切れ:牛乳の場合
- 正しい知識は食品ロス対策につながる
- 「消費期限・賞味期限」の英語表記は?
- 消費期限は「expiration date」や「use by date」など
- 賞味期限は主に「best before date」など
- 期限表示に慣れれば怖くない!
この記事の目次
ライター/MIYABI
某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わる。パスタからオリーブオイル、デザートからワインまで、毎日山のような食品に囲まれて仕事をしている。
「消費期限・賞味期限」の定義と違い
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消費期限と賞味期限の違い、それは端的に言えば「劣化の早さ」です。ほぼすべての加工食品には、「消費期限」「賞味期限」のいずれかを表示するよう法で定められています。しかし、この似通った二つの言葉に戸惑うことはありませんか?ここではまず、二語の定義を抑えながらその違いを理解していきましょう。
消費期限は「口にしていい最終期限」のこと
消費期限とは、一言で言うと「その食品を口にしていい最終期限」のことです。記載の年月日までは安全に食べられますが、それを過ぎたら食べない方がいいという表示になります。主に、弁当や惣菜、サンドイッチやパン、肉類、ケーキといった、劣化が早く速やかに消費すべき食品が対象です。
ただし、この期限表示は、未開封かつ記載の保存方法を守って保存している場合に有効となります。よって、一度開封したものや、冷蔵保存のところを常温で放置した商品などは「表示されている消費期限内であっても安全とは言えない」となるのです。
賞味期限は「おいしさを保証する期限」のこと
賞味期限とは、期限内は品質が変わらずおいしく食べられるという意味、つまり「おいしさを保証する期限」です。よって、過ぎた途端に口にできなくなるほど激しく劣化をするわけではないため、即座に捨てなくてもいいという意味になります。ここが消費期限との違いですね。賞味期限は主に、スナック菓子、レトルト食品、カップめん、缶詰などに表示されます。ただし、こちらも消費期限と同様に、未開封かつ記載の保存方法を守っていることが前提です。
「消費期限・賞味期限」どちらも表示がない商品もある
実は、一部には、消費期限と賞味期限どちらの表示もない商品が存在します。例えば塩、砂糖、アイスクリーム、チューインガムなどです。なぜならば、長期間保存しても品質が変化しないものは期限記載の義務はないと法律で定められているからなのですね。是非おうちにある塩や砂糖の表示を確認してみてください。
「消費期限・賞味期限」どちらを表示するか決め方と設定方法
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では、なぜ期限表示は「消費と賞味」二つに分かれているのでしょうか。ここでは、どちらの期限をどう区分して付けるのかその条件と、その日数はいかにして定められるのかをご紹介します。
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