2-1.白色ワセリンは低温下では固め、伸びにくいことも
白色ワセリンは、夏には柔らかく冬には固めになります。同じく油脂であるラードなどを考えてもらうとわかりやすいですが、暖かくなり、物質の溶ける温度=融点に近づくほど柔らかくなっていくのです。一般に、純粋な物質に不純物が混ざるほど、融点は上がっていきます。
このため、不純物の除去率が高いプロペトと比較すると、白色ワセリンはやや固め。柔らかさや伸びの良さには劣ります。伸びが悪い分、塗った後のべたつきを感じる方もいるでしょう。
2-2.プロペトは柔らかく、肌に優しい
純度の高いプロぺトは、同じ気温なら白色ワセリンよりも柔らか。塗るときの伸びもよく摩擦が少ないため、肌への負担も少ないです。また、精製により不純物が除去されているため、刺激性の物質も少なくなっています。敏感肌の方や赤ちゃんなどは、プロペトを使うと安心ですね。
ちなみに、ワセリンに微量に含まれる不純物は、紫外線を受けることで過酸化物という化合物を生成します。この過酸化物が、皮膚への刺激や皮膚組織のダメージの原因となるのです。
3.白色ワセリンとプロペトで値段は違うの?
医療用医薬品としての値段は、ほぼ同じです。白色ワセリンとプロペトは、日本薬局方の基準においては同じ成分。なので、薬価差が出ないよう設定されています。
医療用医薬品の白色ワセリンは10社以上から発売されており、わずかにメーカーごとの薬価差がありますが、10gあたり23.8~21.0円です。医療用医薬品としてのプロペトの薬価は10gあたり23.8円で、白色ワセリンを超えない価格になっています。
しかし、市販品では両者に価格差があるのです。理由を説明していきましょう。
3-1.白色ワセリンは安め
市販品の白色ワセリンとプロペトを比べた場合、ほとんどの場合で白色ワセリンの方が安くなります。
通販サイトの白色ワセリンは、大きな容器で売っているものですと10gあたり20~30円程度から購入できますが、プロペトは10gあたり100円以上で売っている店舗が多いです。
3-2.プロペトは高純度な分、製造コストも高い
プロペトは純度が高い分、白色ワセリンよりも製造に手間がかかり、コストが高くなっています。
市販品の白色ワセリンやプロペトは、メーカーの違いや包装の違いで価格が変わってくるほか、小売店や通販サイトごとに値段が違っていることも。よく商品を見比べて、使いやすくてお得なものを選びましょう。
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