この記事では「親の臑を噛る」について解説する。

端的に言えば親の臑を噛るの意味は「子が自立できず親に養われている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

漢検準一級を保有しており言葉に詳しいたきじを呼んです。一緒に「親の臑を噛る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/たきじ

国立大学卒、漢検準一級保有のライター。高校時代の得意科目は国語と英語。漢字の意味やことわざ、熟語が好きで新しい言葉を覚えるのが得意。

「親の臑を噛る」の意味や語源・使い方まとめ

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日常生活でもよく見聞きする「親の臑を噛る」ということわざ。漢字にすると難しいですが広く使われていることわざですよね。なんとなく意味をご存知の方も多いと思いますが、より詳しく解説していきます。それでは早速「親の臑を噛る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「親の臑を噛る」の意味は?

「親の臑を噛る」には、次のような意味があります。

1.子が自立できないで、親に養われている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「親の脛を齧る」

「親の臑を噛る」の読み方は「おやのすねをかじる」です。「臑」(すね)、「噛る」(かじる)ともに難しい漢字で、「臑」は「脛」、「噛る」は「齧る」とも表現されることがあるのでできればどちらも覚えておきましょう。自立できずに親に養われている子を表すことわざですが、特に経済的に親の財産をあてにして独立できずにいることを表現するときに用いられます。

「ニート」や「パラサイトシングル」などという言葉も有名ですが基本的な意味は同じです。「親の臑を噛る」は経済的に親に依存しているという意味合いがあるので覚えておきましょう。

「親の臑を噛る」の語源は?

次に「親の臑を噛る」の語源を確認しておきましょう。

「臑」とは古くから労働によって金を生み出す元という象徴的な意味を持つ言葉とされており、その「臑」を子どもが「噛る」ことで親に支えられていることを表現しています。古い言い方で「すね一本、腕一本」という言葉がありますが、「すね」は歩き回る足、「腕」は仕事をする腕をそれぞれ表しており、どちらもお金を稼ぐ道具として使われていたのです。

\次のページで「「親の臑を噛る」の使い方・例文」を解説!/

「親の臑を噛る」の使い方・例文

「親の臑を噛る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.兄は30歳を越えて実家暮らし。まさに親の臑を噛っている状況なので早く一人で自立して欲しい。
2.僕は大学生になってからアルバイトを始めなんとか親の臑を噛らなくて済みそうだ。
3.弟は高校生で受験勉強が忙しいので親の臑を噛るのも仕方がない。

例文のように「親の臑を噛る」子が自立できないで親に養われていることを意味することわざです。例文1のように侮辱を込めて使うのが一般的ですが、例文2、3のように前向きな文脈で用いることもできます。前向きな文脈で使う場合は良いのですが、侮辱を込めて使う場合は聞き手に不快感を与えないよう注意しましょう。

「親の臑を噛る」の類義語は?違いは?

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次に「親の臑を噛る」の類義語について見ていきましょう。

その1「親掛り」

「親掛り」(おやがかり)子が自立できないで親に養われていることを表す言葉です。「親の臑を噛る」と同様の意味なので覚えやすいですね。世話が焼けることを「手が掛かる」と表現しますが、同じ意味の「掛かる」なので合わせて覚えておきましょう。

\次のページで「その2「穀潰し」」を解説!/

その2「穀潰し」

「穀潰し」(ごくつぶし)食べるだけは一人前で役に立たない人を罵って言う言葉です。「穀」は食べ物のことですが、それを「潰す」ということで食べるだけで何もしない人のことを侮辱する場合に使います。「親の臑を噛る」とニュアンスは似ていますが、「穀潰し」の方が否定的な意味が強いので気を付けましょう。

その3「無為徒食」

「無為徒食」(むいとしょく)何もしないでただ毎日を過ごすことを表す四字熟語です。字面からもなんとなく意味をイメージしやすいですよね。「無為徒食」は親なしで生活できないというような意味はないのですが、親に頼りきりで自分では何もしない場合には「親の臑を噛る」と同じ意味で用いることができます。

「親の臑を噛る」の対義語は?

次に「親の臑を噛る」の対義語を見ていきましょう。

その1「自主独往」

「自主独往」(じしゅどくおう)他人に動かされないで自分の主義・主張通りに行動することを意味する四字熟語です。「親の臑を噛る」は経済的に親に依存することを表すので、自分の主義に従って行動する「自主独往」は対義語としてふさわしいと言えます。「自主独往」は経済的事情だけでなく自分で行動すること全体を表すので使い勝手が良い言葉と言えるでしょう。

その2「独立独歩」

「独立独歩」(どくりつどっぽ)他に頼らず自分の信じる通りに行動することを意味する四字熟語です。「自主独往」と同様自分で行動すること全般を表現することができるのでどちらも使っても間違いではありません。文脈に応じて使い分けていきましょう。

その3「一本立ち」

「一本立ち」(いっぽんだち)は独力のみで行動することを意味する言葉です。「独立」「自立」といったニュアンスを含むので「親の臑を噛る」の対義語としてふさわしいでしょう。

\次のページで「「親の臑を噛る」の英訳は?」を解説!/

「親の臑を噛る」の英訳は?

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最後に「親の臑を噛る」の英語表現について見ていきましょう。

「sponge off one's parents」

sponge off「人にたかる」という意味のイディオムで、one's parentsと続けることによって「親にたかる」という意味になります。sponge offは「スポンジできれいにする」という意味も持ち少しイメージしにくいため、イディオムとして覚えておきましょう。

「親の臑を噛る」を使いこなそう

この記事では「親の臑を噛る」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。「親の臑を噛る」は子が自立できないで親に養われていることを表すことわざです。類義語では「親掛り」「穀潰し」「無為徒食」を紹介しました。

成人してから親の臑を噛るのは世間的に見てあまりイメージが良くないですよね。私自身大学時代から親に頼ってはいけないと思い家賃や生活費などをアルバイトで必死に稼いでいました。今思えばよく頑張ってこれたなと思いますね。

しかし私個人の考えとして、親は子が成人していようが最後まで面倒を見る役目があると思っているので、どうしても大変な時は頼ってみるのも大事だと思っています。頑張りすぎて身体を壊してしまっては元も子もないですからね。

親に依存し過ぎない程度に頼りながら自分の人生をより良いものにしていく努力をしていきましょう。この記事がみなさんの参考になれば幸いです。

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【ことわざ】「親の臑を噛る」の意味や使い方は?例文や類語を漢検準一級ライターがわかりやすく解説!

この記事では「親の臑を噛る」について解説する。

端的に言えば親の臑を噛るの意味は「子が自立できず親に養われている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

漢検準一級を保有しており言葉に詳しいたきじを呼んです。一緒に「親の臑を噛る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/たきじ

国立大学卒、漢検準一級保有のライター。高校時代の得意科目は国語と英語。漢字の意味やことわざ、熟語が好きで新しい言葉を覚えるのが得意。

「親の臑を噛る」の意味や語源・使い方まとめ

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日常生活でもよく見聞きする「親の臑を噛る」ということわざ。漢字にすると難しいですが広く使われていることわざですよね。なんとなく意味をご存知の方も多いと思いますが、より詳しく解説していきます。それでは早速「親の臑を噛る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「親の臑を噛る」の意味は?

「親の臑を噛る」には、次のような意味があります。

1.子が自立できないで、親に養われている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「親の脛を齧る」

「親の臑を噛る」の読み方は「おやのすねをかじる」です。「臑」(すね)、「噛る」(かじる)ともに難しい漢字で、「臑」は「脛」、「噛る」は「齧る」とも表現されることがあるのでできればどちらも覚えておきましょう。自立できずに親に養われている子を表すことわざですが、特に経済的に親の財産をあてにして独立できずにいることを表現するときに用いられます。

「ニート」や「パラサイトシングル」などという言葉も有名ですが基本的な意味は同じです。「親の臑を噛る」は経済的に親に依存しているという意味合いがあるので覚えておきましょう。

「親の臑を噛る」の語源は?

次に「親の臑を噛る」の語源を確認しておきましょう。

「臑」とは古くから労働によって金を生み出す元という象徴的な意味を持つ言葉とされており、その「臑」を子どもが「噛る」ことで親に支えられていることを表現しています。古い言い方で「すね一本、腕一本」という言葉がありますが、「すね」は歩き回る足、「腕」は仕事をする腕をそれぞれ表しており、どちらもお金を稼ぐ道具として使われていたのです。

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