この記事では「身を以て」について解説する。

端的に言えば身を以ての意味は「体で」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を以て」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を以て」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を以て」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を以て」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を以て」の意味は?

「身を以て」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.自分自身で。みずから。「身を以て範を示す」
2.からだ一つで。やっとのことで。「身を以て難を逃れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を以て」

「身を以て」には自身の体でなにかを行う・体験するという意味と、やっとのことで、という二種類の意味のある慣用句です。「身を持って」と漢字で書くと誤りのため誤字に注意しましょう。一つ目の意味では、自分の体を使ってなにかを行う、または自分の体をもってなにかを体験する場合に使います。

二つ目の意味では、もう少しのところで危険なところ、体一つでなんとかなったといった意味となりますね。二種類の違った意味があるため、文脈からどちらの用法で使われているかを判断していきましょう。どちらにおいても体を使うという意味においては、同じ表現となっています。

「身を以て」の語源は?

次に「身を以て」の語源を確認しておきましょう。身を以ては「身」と「以て」という二種類の言葉を組み合わせて生まれました。「身」はからだ、この場合には自分自身の体を指す言葉です。「以て」は「〜を使って」という意味をもっています。

「身を以て」はこれら二つの言葉を組み合わせて、自分自身の体を使って、という意味を表す慣用句となりました。自身の体を使って、なにか事を行う。自身の体を使って、なにかを経験する。または自身の体を使って難を逃れる。「身を以て」はこうした意味をもった慣用句となっています。

\次のページで「「身を以て」の使い方・例文」を解説!/

「身を以て」の使い方・例文

「身を以て」の使い方・用例を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.人の恨みを買う怖さを、身を以て知ることになった。
2.人生の先輩として弟たちに、身を以て範を示す。
3.あやうく死にかけたが、身を以て難を逃れた。

「身を以て」は例文のように、自身の体でなにかを体験する場合・体を使って事に当たる場合・あと少しで危ないところを逃れる場合に使われています。それぞれは自身の体を使うというニュアンスに共通点がありますね。古い慣用表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中に登場することがあります。

実際に見聞きした際は、どの用法で使われているか、文脈をヒントに判断していきましょう。現在では基本的に「身を以て知る」というフレーズで使われることが多くなっています。こちらはある知識を自身の体験として知る、といった意味です。こちらもあわせて覚えておきましょう。

「身を以て」の類義語は?違いは?

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続いて「身を以て」の類義語・違いについて確認していきましょう。「身を以て」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「身を以て」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「目の当たりにする」

「目の当たりにする」は目の前で直に見るという意味をもった言葉です。自身の目で体験したという意味をもっており、「身を以て」と似た意味をもった類義語となっています。「目の当たり」は「まのあたり」と読み、「めのあたり」とは読まない為、誤読に注意していきましょう。

\次のページで「その2「身を挺して(みをていして)」」を解説!/

その2「身を挺して(みをていして)」

「身を挺して」は身を投げ出して事を行うという意味をもった言葉です。自身の体を賭して事に当たるということで、「身を以て」とすこし似た意味をもった類義語となっています。「身を挺して誰かを助ける」など、自身の危険を省みず、行動する様子を指して使われている言葉です。

その3「体を張る」

「体を張る」は自身の体を投げ打ち、命がけで行動することを表した言葉です。自分の体を使い行動するという意味で、「身を以て」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは自身の体を犠牲にして行動するというニュアンスが強く、使用する場面に違いがあるため注意していきましょう。

その4「やっとの思い」

「やっとの思い」はさんざん苦労した上で、ようやく行為を果たすという意味をもった言葉です。こちらは「身を以て」の、あと少しで危ないところを逃れるという意味と同様の意味をもっています。「やっとのことで」と書かれることもあるため、こちらもあわせて覚えておきましょう。

その5「辛うじて」

「辛うじて」は容易ではなかったものの、どうにか行為を果たすという意味をもった言葉です。こちらも「身を以て」の、あと少しで危ないところ逃れるという意味と、同様の意味をもっています。送り仮名は「辛うじて」が正しく、「辛じて」と書くと誤りとなってしまうため注意しましょう。

「身を以て」の対義語は?

つづいて「身を以て」の対義語についても確認していきましょう。「身を以て」には明確に対義語とされている語はありません。「身を以て」は、自身の体でなにかを行う・体験するという意味であり、反対の意味を定義することはとても難しくなっています。「身を以て」の対義語はないと覚えておきましょう。

「身を以て」の英訳は?

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つづいて「身を以て」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「with one's body」」を解説!/

「with one's body」

「with one's body」は自分の体で、という意味をもった英フレーズです。「身を以て」の自分の体を使って、なにか行動する・体験するといった意味をしっかり表現することができます。危ないところなんとか逃れるという意味はないため、細かいニュアンスの違いに注意していきましょう。

「身を以て」を使いこなそう

この記事では「身を以て」の意味・使い方・類語などを説明しました。「身を以て」は自分自身の体でなにか行動する・体験する、危ないところをなんとか逃れるという意味をもった慣用句でした。二種類の用法があるため、文脈からどの意味で使われているか都度判断していきましょう。

また類義語には「目の当たりにする」、「身を挺して」、「体を張る」、「やっとの思いで」、「辛うじて」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「身を以て」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「身を以て」について解説する。

端的に言えば身を以ての意味は「体で」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を以て」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を以て」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を以て」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を以て」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を以て」の意味は?

「身を以て」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.自分自身で。みずから。「身を以て範を示す」
2.からだ一つで。やっとのことで。「身を以て難を逃れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を以て」

「身を以て」には自身の体でなにかを行う・体験するという意味と、やっとのことで、という二種類の意味のある慣用句です。「身を持って」と漢字で書くと誤りのため誤字に注意しましょう。一つ目の意味では、自分の体を使ってなにかを行う、または自分の体をもってなにかを体験する場合に使います。

二つ目の意味では、もう少しのところで危険なところ、体一つでなんとかなったといった意味となりますね。二種類の違った意味があるため、文脈からどちらの用法で使われているかを判断していきましょう。どちらにおいても体を使うという意味においては、同じ表現となっています。

「身を以て」の語源は?

次に「身を以て」の語源を確認しておきましょう。身を以ては「身」と「以て」という二種類の言葉を組み合わせて生まれました。「身」はからだ、この場合には自分自身の体を指す言葉です。「以て」は「〜を使って」という意味をもっています。

「身を以て」はこれら二つの言葉を組み合わせて、自分自身の体を使って、という意味を表す慣用句となりました。自身の体を使って、なにか事を行う。自身の体を使って、なにかを経験する。または自身の体を使って難を逃れる。「身を以て」はこうした意味をもった慣用句となっています。

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