
端的に言えば虱の皮を千枚に剥ぐの意味は「きわめてけちなこと、貪欲なこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
早稲田大学文学部で日本文学・日本語学を学んだぽん太を呼んです。一緒に「虱の皮を千枚に剥ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ぽん太
早稲田大学文学部で日本語学と日本文学を学び、中高国語科の教員免許も取得している。これまで学んだ知識を生かして、難解な言葉をわかりやすく解説していく。
「虱の皮を千枚に剥ぐ」の意味は?
「虱の皮を千枚に剥ぐ」を国語辞典や漢字辞書で検索すると、次のような意味がありました。
きわめてけちなこと。非常に貪欲であることのたとえ。
出典:コトバンク ー デジタル大辞泉(小学館)「虱の皮を千枚に剝ぐ」
「しらみのかわをせんまいにはぐ」と読みます。
ご存知の通り、虱は体長1ミリほどの人や動物に寄生する昆虫です。米粒ほどの小さな虫をさらに千枚に剝ぐ様子が「きわめてけちなこと」「非常に貪欲なこと」のたとえになりました。
1mmの虱の皮を千枚に剝ぐと、一枚の皮はなんと1マイクロメートル。紙の厚さが100マイクロメートルなので、1マイクロメートルに皮を剝ぐのがどれだけ不可能なことか想像できますね。あくまで「虱の皮を千枚に剝ぐ」はたとえとして使われているのがわかります。
「虱の皮を千枚に剥ぐ」の語源は?
次に「虱の皮を千枚に剥ぐ」の語源を確認しておきましょう。
今回、語源やいつごろできた言葉なのかはわかりませんでした。
小さな体の虱の皮をさらにうすく剝ぐという行為は、到底人間にはできません。ケチであることや貪欲であることを大げさな言い方でたとえていると考えられます。
\次のページで「「虱の皮を千枚に剥ぐ」の使い方・例文」を解説!/