吸引反射は生まれたばかりの子どもにとって必要不可欠な運動を引き起こす反射です。その他の乳幼児にみられる反射も合わせて解説していく。生物学を学習する中高生はもちろんですが、子育て世代や乳児に関わるような仕事をしている人にも読んでほしい内容です。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
吸引反射
吸引反射(きゅういんはんしゃ)とは、赤ちゃん(乳児)が舌を動かし、口に入ってきたものを強く吸う反射のことをいいます。
医学の本などであれば、吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)と書いてあることの方が多いかもしれません。少し難しい漢字ですが、”啜”は”啜る(すする)”と読める文字ですね。
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そのとおりです。吸引反射の場合、「口にモノが入ってくる」というのが”刺激”、それに対して”吸う”というのが生じた反応ですね。
「赤ちゃん」と書いた通り、この反射はまだ生まれたばかりの子どもで見られる反応です。生まれつき…誰かから習ったわけでもないのに、「口に入ったものを吸う」という動きができるのには、とても重要な意味があります。
吸引反射で”おっぱいを吸う”
乳児で吸引反射がみられるのは、”おっぱいを吸う”のに必要な反応だからです。口に母親の乳首が入ってきたとき、反射的にそれを吸う動作を行うことで、母乳(乳汁)を得ることができます。