今日はムササビとモモンガの違いについて解説していきます。どちらも「空飛ぶ哺乳類」とよばれ、木から木へ滑空する姿が印象的な生き物です。この2匹を見分けられる人は少ないんじゃないのか?見た目や、滑空する特徴から混同されがちですが、実は全く違う個性があるらしいのです。今回はムササビとモモンガの生態の違いから見分け方まで、動物大好き主婦ライターおかちづと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/おかちづ

美容部員・介護職・飲食店勤務を経てwebライターへ。美容と動物をこよなく愛する。今回は動物好きを生かし、ムササビとモモンガの違いを詳しく解説する。

ムササビとモモンガはなぜ似てる?

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ムササビとモモンガはとてもよく似た姿のため、同じ種類の生き物と勘違いされることが多くあります。皆さんの中でも、見分けのつく方は少ないのでは?種族として近い仲間ではありますが、もちろん違う種類の生き物です。では、なぜムササビとモモンガは似てるのでしょう。ここでは、その秘密について迫ってみます。

ムササビとモモンガは共通点がいっぱい!

ムササビとモモンガは共通点がいっぱいあります!どちらも「げっ歯目リス科リス亜科」に分類されるリスの仲間で、夜行性です。基本的に木の上で生活するスタイルも一緒。また、身体にある「飛膜」を広げて風を受けることにより、木から木へ滑空移動する姿も、ムササビとモモンガ共通の個性的な特徴です。

ムササビとモモンガの生息地域は?

日常、あまり見かけることのないムササビとモモンガですが、いったいどの辺りに生息している生き物なのでしょうか?日本でもムササビとモモンガを見ることができるのかを含め、それぞれの生息地域について掘り下げて見ていきます。

日本だけに生息しているムササビ

ムササビは、北海道を除く日本各地で見かけることができます。また、世界中で見られるモモンガと違い、その多くが中国・朝鮮半島などアジアの地域に生息しているのが特徴です。山地や森林などの平地を好み、木の上で生活します。夜行性ではありますが、平地で暮らしているため、ときおり人の住む周辺にも姿を現すことも。

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世界中でみられるモモンガ

平地で多く見られるムササビに対し、モモンガは標高1000m以上の山地など、高所を好みますユーラシア大陸の北部に多く生息し、ヨーロッパ・アジア・オーストラリアなど世界各地で見ることが可能です。日本では「ニホンモモンガ」「エゾモモンガ」の2種類が生息しています。

ムササビとモモンガの生態と特徴は?

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共通点も多く、よく似ているムササビとモモンガですが、大きく違う点として身体のサイズの違いがあります。ムササビとモモンガを比べると、実は倍以上の大きさの違いが!ここではそれぞれの体の特徴や、生態の違いについて詳しくご紹介します。

単独行動を好む大きなムササビ

ムササビは、モモンガと比べ身体が大きいのが特徴です。体長と同じ長さの尾を持ち、全長は約70~80㎝・体重はなんと800~1200gも!身体にある「飛膜」で風を受け、木から木へ滑空移動します。この皮膜は首から手足・尾っぽの間でつながっていて、広げると5角形です。滑空する距離は、基本は数十mですが、最大で120mほど飛ぶことも。山地や森林に生息し、単独行動を好む傾向にあります。人の生活圏に近い場所にも姿を現し、滑空する姿が見られることも。大きな飛び姿から、空飛ぶ座布団」と呼ばれ愛されています。

集団で暮らす小さなモモンガ

モモンガは、ムササビに比べると身体が小さいのが特徴です。全長は尾を入れても30㎝程度・体重は約180gと、手のひらサイズしかありません。ムササビと同じく、身体にある「飛膜」で風を受け、木から木への滑空移動が得意です。飛膜は首から手足の間でつながていて、広げると4角形になります。広げると5角形になるムササビの飛膜との違いは、尾っぽまでつながっているかどうかです。

滑空する距離は、滑空する距離は、基本は数十mですが、小さな身体ながら120mほど飛んだ記録も。主に山地のような高所で集団で暮らしていますが、場所によっては人の生活圏付近に姿を見ることも可能です。大きな飛び姿のムササビと比較し、「空飛ぶハンカチ」と言われています。

ムササビとモモンガを見分けるポイント3つ

よく似ているムササビとモモンガ。それぞれの違いについて詳しくご紹介しましたが、では実際に姿を見かけたときに、どっちがどっちか見分けることができるでしょうか。簡単に見分けるポイントが3つほどありますので、ご紹介します。

\次のページで「見分け方1・体の大きさ」を解説!/

見分け方1・体の大きさ

まず1つ目の見分け方は、「身体の大きさ」です。ムササビの全長は、尾っぽも入れると約70~80㎝。対してモモンガは、尾っぽを入れても全長30㎝程度です。倍以上の違いがあるので、見分けるときに大きなヒントになります。ムササビは座布団サイズ、モモンガはハンカチサイズと覚えてください。

見分け方2・尾っぽの形

2つ目の見分け方は「尾っぽの形」です。ムササビは丸い「円すい形」の尾っぽを持つのに対し、モモンガは平べったい「扁平形」の尾っぽを持っています。後ろ姿で見分ける場合、身体の大きさに加え、尾っぽの形の違いが大きなヒントです。

見分け方3・目の違い

3つ目の見分け方は「目」です。まず目の大きさ。モモンガの方が、ムササビに比べ大きくつぶらな目をしています。また目の付いている位置にも違いが。モモンガは顔の横についていますが、ムササビは顔の前の方に付いています。ムササビはネコのような顔立ちなので、正面から見分けるときのヒントになるでしょう。

日本にしかいない絶滅危惧種?ニホンモモンガ

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世界各地に生息するモモンガは、多くの種類が存在します。その中で、日本に生息するのは「エゾモモンガ」「ニホンモモンガ」です。この「ニホンモモンガ」、実は今、絶滅のおそれがあると言われています。森林の減少・環境の悪化が原因でニホンモモンガの個体数が著しく減っていて、自治体によって絶滅危惧種に指定されているのが現状です。日本固有種のニホンモモンガ、更なる保護が必要になっています。

ムササビとモモンガの生態を知って 絶滅させない努力を

「空飛ぶ哺乳類」と呼ばれ、滑空する姿が愛らしいムササビとモモンガの違いについて詳しく解説しました。ぜひ、2種類を見分ける際のヒントにしてみてください!

ムササビとモモンガは日本で古くから愛されている生き物ですが、自然の減少で暮らしにくい環境になっているのが現実です。動物たちと人々の生活のバランスを取るのは非常に難しいテーマ。しかし、絶滅の危機にあるニホンモモンガなど、自然の生き物を守れるように暮らしていけるのが理想ですね。

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生き物・植物雑学

あなたは見分けられる?ムササビとモモンガの違い!生態や生息地域の違い・見分け方・絶滅危惧種まで動物大好き主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

今日はムササビとモモンガの違いについて解説していきます。どちらも「空飛ぶ哺乳類」とよばれ、木から木へ滑空する姿が印象的な生き物です。この2匹を見分けられる人は少ないんじゃないのか?見た目や、滑空する特徴から混同されがちですが、実は全く違う個性があるらしいのです。今回はムササビとモモンガの生態の違いから見分け方まで、動物大好き主婦ライターおかちづと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/おかちづ

美容部員・介護職・飲食店勤務を経てwebライターへ。美容と動物をこよなく愛する。今回は動物好きを生かし、ムササビとモモンガの違いを詳しく解説する。

ムササビとモモンガはなぜ似てる?

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ムササビとモモンガはとてもよく似た姿のため、同じ種類の生き物と勘違いされることが多くあります。皆さんの中でも、見分けのつく方は少ないのでは?種族として近い仲間ではありますが、もちろん違う種類の生き物です。では、なぜムササビとモモンガは似てるのでしょう。ここでは、その秘密について迫ってみます。

ムササビとモモンガは共通点がいっぱい!

ムササビとモモンガは共通点がいっぱいあります!どちらも「げっ歯目リス科リス亜科」に分類されるリスの仲間で、夜行性です。基本的に木の上で生活するスタイルも一緒。また、身体にある「飛膜」を広げて風を受けることにより、木から木へ滑空移動する姿も、ムササビとモモンガ共通の個性的な特徴です。

ムササビとモモンガの生息地域は?

日常、あまり見かけることのないムササビとモモンガですが、いったいどの辺りに生息している生き物なのでしょうか?日本でもムササビとモモンガを見ることができるのかを含め、それぞれの生息地域について掘り下げて見ていきます。

日本だけに生息しているムササビ

ムササビは、北海道を除く日本各地で見かけることができます。また、世界中で見られるモモンガと違い、その多くが中国・朝鮮半島などアジアの地域に生息しているのが特徴です。山地や森林などの平地を好み、木の上で生活します。夜行性ではありますが、平地で暮らしているため、ときおり人の住む周辺にも姿を現すことも。

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