今回のテーマは「ささみと胸肉の違い」です。そもそも「胸肉はなんとなくわかるけど、ささみってどこの部位?」や「味は違うのかな?」といった疑問はないでしょうか。
更にはダイエット中の食品としてメジャーな「ささみと胸肉」。どういう理由でダイエットに良いのか、オススメな調理法やダイエット成功の秘訣も含めて、1年以上毎日ささみを食べ続けている「けい」と一緒に解説していく。

ライター/けい

健康を意識して毎日過ごしているタンパク質オタク。1年以上ささみを摂取し続けており、バランスの取れた食事を常に意識している。

ささみと胸肉の違いはあるのか?4つのポイントで比較!

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まず初めに確認しておきたいことですが、ささみも胸肉もどちらも鶏肉の部位のことです。では具体的にどのような点が違うのでしょうか?今回は4つに分けて解説していきますのでそれぞれ確認していきましょう。

1.部位→どちらも部位は胸

実はどちらも鳥の胸の筋肉です。ただし「胸の筋肉」とひとくくりにするとわかりにくいので掘り下げてみていきましょう。ささみと胸肉を正しくは「深胸筋」と「大胸筋」といいます。深胸筋は翼を上げる筋肉であり、大胸筋は翼を打ち下ろす筋肉です。この大胸筋(胸肉)が深胸筋を包むように位置づいています。

2.栄養素→どちらも低カロリー

今回は栄養の代表格である糖質、たんぱく質、脂質の3つの項目を中心に紹介します。

それぞれ100g当たりの数値です。

<ささみ>

・105kcal

・糖質:0g

・たんぱく質:23g

・脂質:0g

<胸肉>
【皮付き】

・191kcal            

・糖質:0g                     

・たんぱく質:19.1g                 

・脂質:11.6g                                                                       

【皮なし】

・108kcal

・糖質:0g

・たんぱく質:22.3g

・脂質:1.5g

胸肉について「皮付き」と「皮なし」で分類しました。皮には脂肪分が多く含まれており、皮を取り除くと実はささみとほとんど変わりありません。

3.味・食感→胸肉の方が肉感あり

調理法や味付けによって変わってきますが、基本的にささみも胸肉どちらも火を通すと「パサパサ」してしまいます。これはどちらのお肉も脂分が少なく、火を通すことで含まれている水分が飛んでしまうためです。しかし、「皮付き」の鶏肉であれば、お肉特有のいわゆる「ジューシー感」を楽しむことができるでしょう。

4.値段→どちらも安価だけど…

鶏肉自体が牛肉や豚肉と比べて安いので、ささみと胸肉どちらも安いです。しかし、ささみの方が一羽からとれる量が少ないため、胸肉と比べると十数円高い値段となっています。全体的に見れば重さにもよりますが、200~300円ほどで購入できますので、お財布に優しい食品です。

\次のページで「どうしてささみと胸肉はダイエットに良いとされているの?」を解説!/

細かくみていくとそれぞれの特徴があるのでキリがありませんが、普段から食べている私からすると一番の違いは「食感」です。加熱することで水分が逃げてしまい「パサパサ」感が生まれますが、より身がしまっているのは「ささみ」で、歯ごたえが胸肉よりもささみの方があります。

「おいしさ」については好みによるので、気になる方は実際に食べ比べてみるとよいかもしれません。

どうしてささみと胸肉はダイエットに良いとされているの?

ささみと胸肉はダイエット時によく食べるものとして有名な食品です。なぜ、ダイエットにささみや胸肉を使うのでしょうか。「カロリーが低い」以外にも様々なメリットがありますので、紹介していきます。

理由その1→低糖質だからお腹が空きにくい

食事をとると血糖値はある程度上昇するのですが、「お腹が空く」状態とは血糖値が下がっている状態であり、脳から「糖分を補給するよう」指令が出ます。このときに糖質を多く摂ってしまうと、血糖値の変動が激しく間食や食事量の増加に繋がり体重増加や糖尿病に繋がるのです。

一方、ささみと胸肉は糖質がほとんど含まれていないため、食べても血糖値の変動が少なくお腹が空きにくい状態となり、ダイエットに繋がりやすい食品とされています。

理由その2→高たんぱく質だから燃焼しやすい

食事をとると食べ物は消化され、必要な栄養素は分解&吸収されます。この分解されるときに使うエネルギーのことを「食事誘発性熱産生」といい、たんぱく質を分解するときには特に多く消費されるのです。この働きは代謝の底上げにもつながっています。

理由その3→とにかく安い

ささみや胸肉はスーパーやコンビニで200円程度と安く買うことができるため、ジム通いの手間や費用と比べると圧倒的に安く、かつ簡単に始めることができます。今ではサラダチキンとして売っているところも多く、料理をしなくともそのまま食べられる点も魅力の一つです。

よりダイエットに向いているのはささみ!

栄養価としてはどちらもほぼ同じですが、ダイエットを行う場合は「より効果的に体重を落とす」にかかっていますので、ささみをオススメします。また、満腹感も得られますので「3食のうちの1食をささみを主体とした食事にする」ことも可能です。また、ダイエット序盤は糖質を控えることに体が慣れず小腹が空くときもあるかと思います。

最近ではスーパーに「ささみチキン」という商品もありますので、ささみチキンを間食として食べる方法も一つですね。

\次のページで「【注意点】だからと言って食べ過ぎはNG」を解説!/

【注意点】だからと言って食べ過ぎはNG

実はささみと胸肉には「プリン体」が多く含まれています。ささみは100gあたり153.75mg、胸肉は100gあたり141.25mg。プリン体の1日の摂取量は400mg以下が推奨されており、プリン体の取り過ぎは痛風につながる可能性があります。多くのプリン体を体内に貯蓄しないよう、水分を多めに摂ることも忘れないようにしましょう。

向いている料理や調理法で気を付けるポイントはある?

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続いて料理・調理法についてです。ささみと胸肉でそれぞれの性質が違いますし、食べる目的によっては料理の方向性も変わりますので、その点を踏まえながら紹介していきます。

ささみに向いている料理は?

ささみは胸肉と比べて、水分や油分を吸収しにくく煮込んで味付けをするような味付けを行っても、内部まで浸透しないことが特徴です。そのため、あっさりと仕上がるサラダがオススメ。好みに応じてドレッシングを使うなどで味付けをするのが良いでしょう。

ちなみに私は毎日ささみとブロッコリー、枝豆、玉ねぎを入れたサラダを食べています。

胸肉に向いている料理は?

胸肉は皮付きであれば脂分を含みやすい性質となりよりジューシーな食感が楽しめます。この場合は、照り焼きや揚げ物がオススメです。反対にダイエット目的で食べるのであればヘルシーさが求められるので、油分を含まない蒸し鶏やサラダにするのが良いでしょう。

ささみの調理では加熱前にすじを取ろう!

ささみはお肉の性質上、熱を通すことで固く仕上がりやすい食品です。少しでもおいしく食べるには調理前に「すじ」をとることをオススメします。また熱を均一に通すためにも、一口大にカットすることも固くなりにくくする方法です。

胸肉の調理では水分を飛ばすな!

ダイエット目的であればおすすめできませんが、おいしく食べることを目的とするならば「加熱前に水分を飛ばさないよう下ごしらえをする」とよいでしょう。方法は「砂糖と酒に浸けること」。これを行うだけで仕上がりが大きく変わります。更に、浸ける際に片栗粉を少し加えることで、より水分が逃げにくくなるでしょう。

ダイエットを成功させるためのアドバイス

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ここではダイエットについても少し触れていきます。痩せるために必要なことは1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回らないことです。そのためには、自分は「1日にどれくらいのカロリーが必要なのか」「1日にどれくらいのカロリーを摂取しているのか」を知らなければなりません

また、ダイエットに立ちはだかる「リバウンド」。ここではリバウンドのリスクを抑え、ダイエットを成功させるための秘訣を解説していきます。

\次のページで「その1.必要な栄養量と普段の運動量を知ろう」を解説!/

その1.必要な栄養量と普段の運動量を知ろう

やみくもに「食事制限するぞ!」や「運動するぞ!」といったことはオススメしません。「痩せることは数値でみていくもの」であり、数値がわからないままの食事制限や運動は過度なダイエットになってしまい、体調を崩すことに繋がってしまいます。まずは、自分自身に必要なカロリーを算出しましょう。

以下が1日の必要エネルギー量の算出方法です。

1日の必要エネルギー量の算出方法=基礎エネルギー量×活動係数

【基礎エネルギー量の求め方】

男性→14.1×体重kg+620   女性→10.8×体重kg+620

【活動係数の求め方】

1日の中でほとんど座っており、仕事もデスクワークが中心な場合:1.5

座っていることは多いが、家事や買い物、軽いスポーツなどで立つこともそれなりにある場合:1.75

仕事中も立ったり移動することが多く、スポーツや活発な活動を行う習慣がある場合:2.0

その2.食事だけでは痩せにくいことを心得えよ

食事制限だけを行っても体重は落とせますが効果は一時的です。体重を減らすためにはきちんと脂肪を燃焼しなければなりません。また、食事制限により糖質が体内に不足すると糖新生が生じます。

糖新生とはエネルギーを体内で生成するために筋肉を分解し、エネルギーを生成する働きです。糖新生が生じると筋肉の分解により基礎代謝の低下が生じ、結果的にさらに痩せにくくなってしまいます。ダイエットを成功させるためには、摂取カロリーを抑えつつもバランスのとれた食事を摂り、筋肉を作るための適度な運動が必要です。

その3.焦らない!停滞期の可能性を考えよう

食事制限や運動を行っても体重が減らない時期を停滞期といい、減量に備えて体内を整えている時期です。痩せにくくなったからと言って、運動量を増やしたり食事量を減らすことは逆効果。筋肉量が減ることで、結果的に停滞期の延長につながる可能性があります。停滞期は2週間~1か月程度続くと言われているので、体重が減りにくくなったなと感じたら「順調に進んでいる」とポジティブに捉えましょう。

どちらもおいしいお肉です!

この記事では「ささみ 胸肉の違いについて」まとめてみました。どちらも同じ胸肉の一部ですが、食べてみると「食感」が違います。また、ダイエットとして食べていく時にはどちらも優秀な食べ物というこも解説しました。

どちらのお肉もあっさりしていておいしいです。ご自身の目的や好みに応じて、調理や味付けを行って楽しい食事をとりましょう。

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雑学食べ物・飲み物

よりヘルシーなのは?ささみと胸肉の違いを栄養素や味・調理法などからタンパク質オタクがわかりやすく解説


今回のテーマは「ささみと胸肉の違い」です。そもそも「胸肉はなんとなくわかるけど、ささみってどこの部位?」や「味は違うのかな?」といった疑問はないでしょうか。
更にはダイエット中の食品としてメジャーな「ささみと胸肉」。どういう理由でダイエットに良いのか、オススメな調理法やダイエット成功の秘訣も含めて、1年以上毎日ささみを食べ続けている「けい」と一緒に解説していく。

ライター/けい

健康を意識して毎日過ごしているタンパク質オタク。1年以上ささみを摂取し続けており、バランスの取れた食事を常に意識している。

ささみと胸肉の違いはあるのか?4つのポイントで比較!

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まず初めに確認しておきたいことですが、ささみも胸肉もどちらも鶏肉の部位のことです。では具体的にどのような点が違うのでしょうか?今回は4つに分けて解説していきますのでそれぞれ確認していきましょう。

1.部位→どちらも部位は胸

実はどちらも鳥の胸の筋肉です。ただし「胸の筋肉」とひとくくりにするとわかりにくいので掘り下げてみていきましょう。ささみと胸肉を正しくは「深胸筋」と「大胸筋」といいます。深胸筋は翼を上げる筋肉であり、大胸筋は翼を打ち下ろす筋肉です。この大胸筋(胸肉)が深胸筋を包むように位置づいています。

2.栄養素→どちらも低カロリー

今回は栄養の代表格である糖質、たんぱく質、脂質の3つの項目を中心に紹介します。

それぞれ100g当たりの数値です。

<ささみ>

・105kcal

・糖質:0g

・たんぱく質:23g

・脂質:0g

<胸肉>
【皮付き】

・191kcal            

・糖質:0g                     

・たんぱく質:19.1g                 

・脂質:11.6g                                                                       

【皮なし】

・108kcal

・糖質:0g

・たんぱく質:22.3g

・脂質:1.5g

胸肉について「皮付き」と「皮なし」で分類しました。皮には脂肪分が多く含まれており、皮を取り除くと実はささみとほとんど変わりありません。

3.味・食感→胸肉の方が肉感あり

調理法や味付けによって変わってきますが、基本的にささみも胸肉どちらも火を通すと「パサパサ」してしまいます。これはどちらのお肉も脂分が少なく、火を通すことで含まれている水分が飛んでしまうためです。しかし、「皮付き」の鶏肉であれば、お肉特有のいわゆる「ジューシー感」を楽しむことができるでしょう。

4.値段→どちらも安価だけど…

鶏肉自体が牛肉や豚肉と比べて安いので、ささみと胸肉どちらも安いです。しかし、ささみの方が一羽からとれる量が少ないため、胸肉と比べると十数円高い値段となっています。全体的に見れば重さにもよりますが、200~300円ほどで購入できますので、お財布に優しい食品です。

\次のページで「どうしてささみと胸肉はダイエットに良いとされているの?」を解説!/

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