この記事では「面目丸潰れ」について解説する。

端的に言えば面目丸潰れの意味は「世間からの評価が傷つけられる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「面目丸潰れ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「面目丸潰れ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「面目丸潰れ」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「面目丸潰れ」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「面目丸潰れ」の意味は?

「面目丸潰れ」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.体面・名誉がひどく傷ついて、他人に顔向けできなくなること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「面目丸潰れ」

「面目丸潰れ」は体面・名誉を傷つけられ、他人に顔向けができないような状況に陥ったことを表現する慣用句です。それまであった、世間からの評判を失うような出来ごとが起こる、または起こってしまいそうだという場面で使われています。「面目」の読み方は「めんぼく」となっている為注意しましょう。

古い慣用表現となっていますが、現在でも文章中・口語においても時折使われることがあります。自分・もしくは他人の社会的立場が危機に陥るような状況。「面目丸潰れ」はこうした状況において、使われている慣用表現です。

「面目丸潰れ」の語源は?

次に「面目丸潰れ」の語源を確認しておきましょう。面目丸潰れは、「面目」、「丸潰れ」という二つの単語を組み合わせて生まれました。「面目」は世間の人にあわせる顔・世間からの評価という意味を表しています。「丸潰れ」は、すっかり潰れてしまうことを意味する表現です。

「面目丸潰れ」はこれら二つの単語を組み合わせて、世間の人にあわせる顔・世間からの評価が、すっかり潰れてしまうことを意味する言葉となりました。社会的な立場を失い、世間からの風当たりが強くなるような、そんな出来ごとが起こったことを意味しています。

\次のページで「「面目丸潰れ」の使い方・例文」を解説!/

「面目丸潰れ」の使い方・例文

「面目丸潰れ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.信頼し重要な仕事を任せていた部下が、突然会社に来なくなってしまい、面目丸潰れだ。
2.重要な会議の中、部下が焦ってとんでもないミスをしてしまい、会社の面目は丸潰れだ。
3.もしこの次また同じ失敗をしてしまったら、私の面目は丸潰れだ。

「面目丸潰れ」は例文のように、社会的立場を失うようなひどいミスが起きる、または起きそうだという場合に使われています。基本的には他人との信頼関係が重要なビジネスシーンでよく使われている表現ですね。現在でも小説・新聞等の文章中、ドラマ・映画などの会話中にも登場しています。

実際に使う際は、もともとあった他人・世間との信頼関係をその一件ですべて失ってしまう、といったニュアンスに注意して使用していくことが大切です。例文から「面目丸潰れ」の具体的な意味をしっかり把握し、面目丸潰れの意味を印象づけていきましょう。

「面目丸潰れ」の類義語は?違いは?

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続いて「面目丸潰れ」の類義語・違いについて確認していきましょう。「面目丸潰れ」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「面目丸潰れ」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「面目を潰す」

「面目を潰す」は世間的な評価・評判を落とす、傷つけられるという意味をもった慣用表現です。こちらも社会的な立場が危うくなるという意味を表しており、「面目丸潰れ」とよく似た意味をもった類義語となっています。

こちらは単に面目が傷つけられるという意味を表しており、「面目丸潰れ」とは度合いが少し軽くなっていますね。よく似た表現となっていますが、細かいニュアンスに注意して使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「面目を失う」」を解説!/

その2「面目を失う」

「面目を失う」は自分自身の面目・名誉を傷つける、という意味をもった慣用句です。こちらも面目を傷つけてしまうような状況を表す類義語となっていますが、基本的に自分自身の行動によって面目を傷つけた、という時に使われています。細かいニュアンスに注意して覚えておきましょう。

その3「失墜(しっつい)」

「失墜」は信用・権威・名誉などを失ってしまうことを表す言葉です。こちらもそれまで持っていた世間・他人との信頼関係を失ってしまうことを意味しており、「面目丸潰れ」とよく似た意味をもった類義語となっています。「失墜」は個人の信用よりも、企業・政府等が信用・権威を失った際に使う言葉です。

その4「沽券に関わる(こけんにかかわる)」

「沽券に関わる」は人の品位・体面に差し支えるという意味をもった慣用句です。品位・体面を傷つける恐れのある問題である、といったことを伝える際に使われています。かなり古くから使われている表現ですが、現在でも新聞等の文章中に使われている表現です。

「面目丸潰れ」の対義語は?

つづいて「面目丸潰れ」の対義語についても確認していきましょう。「面目丸潰れ」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「面目躍如(めんもくやくじょ)」

「面目躍如」は世間からの評価どおりの活躍を見せて生き生きとしている様子、また世間からの評判がより良くなる様子を意味する四字熟語です。「面目丸潰れ」は世間の評判をすっかり潰してしまうことを意味していましたが、こちらは逆の世間の評判をより良くする意味をもった言葉となっています。

「面目丸潰れ」の英訳は?

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つづいて「面目丸潰れ」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「a loss of face」」を解説!/

「a loss of face」

「a loss of face」は直訳で「顔の喪失」、そのまま日本語の「面目を失う」と同様の意味をもった英フレーズです。その人の社会的立場が傷つけられる、傷つけられたといった意味を表現することができます。「面目丸潰れ」の英語表現として、こちらのフレーズもしっかり覚えておきましょう。

「面目丸潰れ」を使いこなそう

この記事では「面目丸潰れ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「面目丸潰れ」は世間からの評判・名誉が傷つけられ、他人に顔向けができないという意味をもった慣用句でした。非常によく似た表現に「面目を潰す」がありますが、ニュアンスに微妙な違いがあるため注意して使い分けていきましょう。

また類義語には「面目を潰す」、「面目を失う」、「失墜」、「沽券に関わる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「面目丸潰れ」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「面目丸潰れ」について解説する。

端的に言えば面目丸潰れの意味は「世間からの評価が傷つけられる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「面目丸潰れ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「面目丸潰れ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「面目丸潰れ」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「面目丸潰れ」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「面目丸潰れ」の意味は?

「面目丸潰れ」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.体面・名誉がひどく傷ついて、他人に顔向けできなくなること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「面目丸潰れ」

「面目丸潰れ」は体面・名誉を傷つけられ、他人に顔向けができないような状況に陥ったことを表現する慣用句です。それまであった、世間からの評判を失うような出来ごとが起こる、または起こってしまいそうだという場面で使われています。「面目」の読み方は「めんぼく」となっている為注意しましょう。

古い慣用表現となっていますが、現在でも文章中・口語においても時折使われることがあります。自分・もしくは他人の社会的立場が危機に陥るような状況。「面目丸潰れ」はこうした状況において、使われている慣用表現です。

「面目丸潰れ」の語源は?

次に「面目丸潰れ」の語源を確認しておきましょう。面目丸潰れは、「面目」、「丸潰れ」という二つの単語を組み合わせて生まれました。「面目」は世間の人にあわせる顔・世間からの評価という意味を表しています。「丸潰れ」は、すっかり潰れてしまうことを意味する表現です。

「面目丸潰れ」はこれら二つの単語を組み合わせて、世間の人にあわせる顔・世間からの評価が、すっかり潰れてしまうことを意味する言葉となりました。社会的な立場を失い、世間からの風当たりが強くなるような、そんな出来ごとが起こったことを意味しています。

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