この記事では「暗がりから牛を引き出す」について解説する。

端的に言えば暗がりから牛を引き出すの意味は「動作が鈍い、判然としない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「暗がりから牛を引き出す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

やりたいことは多数あり、読みたい本は無数にある。その為、物事に対して即座に取り掛かれるよう日常の工夫に頭を悩ませる。

「暗がりから牛を引き出す」の意味や語源・使い方まとめ

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動物が登場することわざは多く、問題を出されてもいくつか応えられる方も多いことでしょう。今回は「牛」が登場することわざの一つ、「暗がりから牛を引き出す」を解説してまいります。

それでは早速「暗がりから牛を引き出す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「暗がりから牛を引き出す」の意味は?

「暗がりから牛を引き出す」には、次のような意味があります。

1.物の区別がつかないたとえ。また、動作が鈍重で、はきはきとしないたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「暗がりから牛を引き出す」

牛に関することわざにはしばしば「遅い」というイメージがつくことがあり、今回の「暗がりから牛を引き出す」という言葉然り、「牛歩」という表現然りです。しかし闘牛などは時には人を殺めるほどびっくり仰天な突進を繰り出すこともありますが、日常生活ではのんびりした様子で馴染みのある動物と言えるでしょう。

しかし人間の世界では腰が重い態度や、判断に時間がかかることは、巡り巡ってより大きな問題に発展することもあります。そのような判断の鈍いときや、中々重い腰を上げてくれない場合にこそ、「暗がりから牛を引き出す」という言葉の出番ですね。

「暗がりから牛を引き出す」の語源は?

次に「暗がりから牛を引き出す」の語源を確認しておきましょう。

暗闇の中の牛は基本的に動きが遅くなります。これは牛が夜行性ではないことから想像がつくことでしょう。また、牛の多くは黒毛であり、その他もほとんどが茶色の毛を持っています。このような特徴から、暗闇の中に牛がいる場合は色が溶けあってしまって中々判別をつけることができません。

尚、暗がりから牛を引き出すという言葉は、他にも「暗闇の牛(くらやみのうし)」や「闇から牛を引き出す」など多少言葉の種類がありますが、どの言葉でも意味は同じです。

\次のページで「「暗がりから牛を引き出す」の使い方・例文」を解説!/

「暗がりから牛を引き出す」の使い方・例文

「暗がりから牛を引き出す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.弟に用事を頼もうとしたが、人気バラエティーに目を向けたまま暗がりから牛そ引き出すようにテレビから離れようとしなかった。
2.英単語を覚えようとしたが、似たような綴りが多く、暗がりから牛を引き出すように中々憶えられなかった。
3.夜道に黒い服はまさに暗がりから牛を引き出すように、闇に溶け込んでいた。

例文1は動作が鈍いという意味で「暗がりから牛を引き出す」という言葉を使用しています。少し動かすにも多大な労力が必要であることが伝わってくるようですね。

例文2では似たようなものが多く見分けがつきにくいと悩む姿が浮かぶ表現です。また、例文3のような経験は運転をしたことがある方を中心に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

中々動かないという意味でも、判別がつき辛いという意味でも日常生活で使う場面は多い言葉ですので、機会を見逃さず言えるように練習をしておくと良いと思います。

「暗がりから牛を引き出す」の類義語は?違いは?

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暗がりから牛を引き出すの意味は「動作が鈍い、判然としない」でした。これらの言葉と同じ意味を持つ言葉はすぐに思い浮かぶでしょうか。

それでは類義語を確認しましょう。

「闇夜に烏雪に鷺」「優柔不断」

暗がりから牛を引き出すの類義語は「闇夜に烏雪に鷺」や「優柔不断」が挙げられます。前者は「物事の区別がはっきりとしない」という意味の類義語として、後者は「動作や判断が鈍い」という意味の類義語として使うことができるでしょう。

夜の闇の烏も、雪の中の鷺もどちらも保護色になるため、肉眼で判別を着けることは相当困難であることが伺えますね。余談になりますが、自然界では保護色となる動物が多く、自然淘汰の妙を実感するような不思議な気持ちになるものです。もしことわざや慣用句を自由に作れるとしたら、青葉の青虫といった具合に無数に言葉を作ることができそうでわくわくしますね。

\次のページで「「暗がりから牛を引き出す」の対義語は?」を解説!/

「暗がりから牛を引き出す」の対義語は?

暗がりから牛を引き出すの意味は「動作が遅い、判然としない」でした。対義語は逆の意味を持ちますが、皆さんの脳内辞書からはどのような言葉が引き出されましたか。

それでは早速対義語を確認しましょう。

「一目瞭然」

暗がりから牛を引き出すの対義語として「一目瞭然」が挙げられます。言葉の意味は「一目で違いが判る様子」です。はっきりと違いが分かるということから「暗がりから牛を引き出す」の対義語と言えますね。

また、動作や判断が鈍いという意味の対義語としては「剛毅果断」という言葉も対義語と言えるでしょう。こちらの意味は「意思がはっきりとして思い切って物事を行うさま。また、決断力に富んでいること」です。それぞれの意味の対義語としてしっくりくる言葉ですね。

「暗がりから牛を引き出す」の英訳は?

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暗がりから牛を引き出すの意味は「動作が鈍い、判然としない」でした。この意味を持つ英語のイディオムはどのようなものでしょうか。

それでは早速英語訳を確認しましょう。

「It is ill to drive black hogs in the dark.」

暗がりから牛を引き出すの英語訳は「It is ill to drive black hogs in the dark.」です。ここでの「ill」は「difficult」と同じ意味として使われており、直訳は「暗がりで黒豚を追うのは難しい」となります。

英語訳でも日本語と同じく、動物の保護色故に判別がつかないという言葉となっているところから、世界で言葉の感覚が似ているという不思議な連帯感がありますね。

「暗がりから牛を引き出す」を使いこなそう

この記事では「暗がりから牛を引き出す」の意味・使い方・類語などを説明しました。

世の中は知らないことの方が多く、何か新たな物事に取り組む際はおぼろげな理解の段階となることも多いことでしょう。そのような時に「最近始めたばかりで、まさに暗がりから牛を引き出すような状態なんですよ」といった具合に自然に言葉が出てくるようになれば、十分にこの言葉に親しんだと言えると思います。

特に動物が登場することわざや慣用句は多く存在するため、自分のお気に入りの言葉で「言葉の動物園」をこっそり作るのも中々楽しいですよ。

それでは、良い言葉の日々を

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【ことわざ】「暗がりから牛を引き出す」の意味や使い方は?例文や類語を超読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「暗がりから牛を引き出す」について解説する。

端的に言えば暗がりから牛を引き出すの意味は「動作が鈍い、判然としない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「暗がりから牛を引き出す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

やりたいことは多数あり、読みたい本は無数にある。その為、物事に対して即座に取り掛かれるよう日常の工夫に頭を悩ませる。

「暗がりから牛を引き出す」の意味や語源・使い方まとめ

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動物が登場することわざは多く、問題を出されてもいくつか応えられる方も多いことでしょう。今回は「牛」が登場することわざの一つ、「暗がりから牛を引き出す」を解説してまいります。

それでは早速「暗がりから牛を引き出す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「暗がりから牛を引き出す」の意味は?

「暗がりから牛を引き出す」には、次のような意味があります。

1.物の区別がつかないたとえ。また、動作が鈍重で、はきはきとしないたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「暗がりから牛を引き出す」

牛に関することわざにはしばしば「遅い」というイメージがつくことがあり、今回の「暗がりから牛を引き出す」という言葉然り、「牛歩」という表現然りです。しかし闘牛などは時には人を殺めるほどびっくり仰天な突進を繰り出すこともありますが、日常生活ではのんびりした様子で馴染みのある動物と言えるでしょう。

しかし人間の世界では腰が重い態度や、判断に時間がかかることは、巡り巡ってより大きな問題に発展することもあります。そのような判断の鈍いときや、中々重い腰を上げてくれない場合にこそ、「暗がりから牛を引き出す」という言葉の出番ですね。

「暗がりから牛を引き出す」の語源は?

次に「暗がりから牛を引き出す」の語源を確認しておきましょう。

暗闇の中の牛は基本的に動きが遅くなります。これは牛が夜行性ではないことから想像がつくことでしょう。また、牛の多くは黒毛であり、その他もほとんどが茶色の毛を持っています。このような特徴から、暗闇の中に牛がいる場合は色が溶けあってしまって中々判別をつけることができません。

尚、暗がりから牛を引き出すという言葉は、他にも「暗闇の牛(くらやみのうし)」や「闇から牛を引き出す」など多少言葉の種類がありますが、どの言葉でも意味は同じです。

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