この記事では「下手は上手のもと」について解説する。

端的に言えば下手は上手のもとの意味は「初めから上手な人はいない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「下手は上手のもと」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

知識を仕入れるだけでは意味がなく、使えるように実践して落とし込むまでが重要だと信じている。

「下手は上手のもと」の意味や語源・使い方まとめ

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ことわざの中には一見しただけで意味が伝わるものと、見慣れない漢字などが使用されており調べないと意味が分からない言葉があります。今回解説させていただく言葉は前者になりますが、一歩踏み込んだ知識を合わせてれば周囲との差を作ることができますよ。

それでは早速「下手は上手のもと」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下手は上手のもと」の意味は?

「下手は上手のもと」には、次のような意味があります。

1.どんなに上手な人でも、はじめのうちは下手で、練習を重ねていくうちに上手になるのだということ。はじめから上手な人などいないので、下手を恥じることはないということ。

出典:用例でわかることわざ辞典(学研出版)「下手は上手の基」

自転車の練習が深く思い出に残っている方も多いのではないでしょうか。かく言う筆者も近くの公園で父親を伴い練習をした記憶が残っています。はじめのうちは父親に自転車を支えてもらい、ハンドルを大きく左右に揺らしながら必死にペダルを漕いだものです。しかし、手を離されればたちまちのうちに地面に一直線。何度も何度も傷を作りながら、それでも練習をするうち、すいっと進めるようになった時には得も言われぬ達成感に満たされました。

皆さんにもこのように練習を重ねて何かを身に着けた体験はあることと思います。そんな練習期間に使える言葉がこの「下手は上手のもと」です。「下手」の読みは「へた」、「上手」の読みは「じょうず」ですので間違えないように注意しましょう。ちなみに舞台の立ち位置を示す際には「かみて、しもて」と読みます。

「下手は上手のもと」の使い方・例文

「下手は上手のもと」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「下手は上手のもと」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.編み物の手本を見せてもらったが、同じようにいかない。下手は上手のもとの精神で練習して上達しよう。
2.この頃ネットに作品を投稿し始めた友人だが、少しずつ作品内容が洗練されている。下手は上手のもとを体現しているようだ。
3.新しく部活に入ってきた後輩は自分の才能を信じ、反復練習を馬鹿にして自分のやり方を曲げないでいる。下手は上手のもとという言葉を知らないのだろうか。

新しく物事に挑戦した際には、当たり前のことですが初めからうまくいく人などそうそう存在しません。例文1ではそんな自分を鼓舞するためにことわざが使われています。

対して例文2では、失敗を恐れず継続的に挑戦することで物事が上達していることを称える場面での登板です。

そして例文3では一転して咎めたり諫める為に「下手は上手のもと」という言葉が使用されています。

このように全く違った場面で適切に使用することでシンプルな言葉が光る様子は、まさに使い勝手の良さを象徴していますね。言葉も使ってこそ身につくものですので、下手は上手のもとの精神で恐れず活用してほしいと思います。

「下手は上手のもと」の類義語は?違いは?

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「下手は上手のもと」の意味は「初めから上手な人はいない」でした。

それでは早速類義語を確認しましょう。

「失敗は成功の基」

この言葉もご存じの方は多いと思われます。「失敗は成功の基」という言葉で、意味は下手は上手のもととほぼ同じです。失敗をすることによって改善点が見つかり、その改善点にアプローチをすることで成功に近づいていくという、努力と工夫を象徴する言葉でしょう。

少々意味合いは異なりますが、「好きこそものの上手なれ」という言葉も存在します。これは好きな物事に対しては労力を惜しまなくなるため、いつの間にか努力や工夫を積み重ねており上達してしまうという意味です。実際に心理学の世界でもフロー体験というものがあり、この言葉を科学的に証明したものとなっています。この機会に調べてみてはいかがでしょう。

この他にも「継続は力なり」や「禍を転じて福と為す」なども広義の類義語と言えますよ。

「下手は上手のもと」の対義語は?

下手は上手のもとの意味は「初めから上手な人はいない」でした。対義語は定義によって多少幅がありますが、皆さんの頭の辞書からはどのような言葉が出てきましたか。

それでは対義語を確認しましょう。

\次のページで「「同じ轍を踏む」「馬鹿の一つ覚え」」を解説!/

「同じ轍を踏む」「馬鹿の一つ覚え」

今回対義語として挙げるのは、「同じ轍を踏む」です。「轍」とは\地面などに刻まれた車輪の溝のことで、後続の車はこれに車輪を捉われやすくなります。つまりこの言葉の意味は「同じ失敗を繰り返す」です。

対義語は数学で言うところの逆、裏、対偶のような考え方や、部分否定や全否定といった考え方のどれを適用するかによって広い幅を持ちます。今回は「失敗から学ばない」という視点で「同じ轍を踏む」という言葉を紹介しました。

別の例としては、「同じことを繰り返すばかりでは上手にならない」と言う意味の言葉として、「馬鹿の一つ覚え」という言葉も対義語と見ることができるでしょう。いずれにしてもどのような視点で言葉と向き合うかによって様々な発見がありますよ。

「下手は上手のもと」の英訳は?

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下手は上手のもとの英訳は何でしょうか。実はこの言葉の英語をご存じの方は多いと思われます。と言うのもこの言葉の英訳はとある偉人の言葉と共に目にする機会が多いからです。

それでは早速英訳を確認しましょう。

「Failure teaches success.」

Failure teaches success.」は直訳すると「失敗は成功を教えてくれる」です。とってもシンプルで覚えやすいですね。

失敗と成功という言葉に関連する偉人として有名な方はエジソンでしょう。エジソンは多くの失敗をしましたが、それはすなわち多くの挑戦を実践し、失敗にめげることなく成功まで漕ぎ着けたということを意味しています。その為、エジソンが残したとされる言葉の多くに失敗との向き合い方が登場するのも納得ですね。

一例としては「I have not failed. I've just found 10,000 ways that won't work.」などは耳にしたこともある方も多いのではないでしょうか。エジソンにかかわらず失敗と成功に関する格言には格好良いものや深みがあり思わず唸ってしまうものが多数ありますから、この機会にいくつか憶えてみてください。

「下手は上手のもと」を使いこなそう

この記事では「下手は上手のもと」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ことわざは得てして当たり前のことを表すものです。それをシンプルに表現するか、比喩的に表現するか、はたまた故事や物語から成り立ったかによって全く違った様相を呈します。

また、今回の「下手は上手のもと」は世界的に不変の事実ともいえるので、英語での類義語を調べるのも面白いですよ。更にはドイツ語で「Übung macht den Meister.」という言葉があります。直訳すると「練習が名人を作る」であり、シンプルに下手は上手のもとのドイツ語バージョンですね。英訳も有名な場合にはこのような変化球を使ってみてはいかがでしょうか。

それでは良い言葉の日々を

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国語言葉の意味

【ことわざ】「下手は上手のもと」の意味や使い方は?例文や類語を超読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「下手は上手のもと」について解説する。

端的に言えば下手は上手のもとの意味は「初めから上手な人はいない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「下手は上手のもと」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

知識を仕入れるだけでは意味がなく、使えるように実践して落とし込むまでが重要だと信じている。

「下手は上手のもと」の意味や語源・使い方まとめ

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ことわざの中には一見しただけで意味が伝わるものと、見慣れない漢字などが使用されており調べないと意味が分からない言葉があります。今回解説させていただく言葉は前者になりますが、一歩踏み込んだ知識を合わせてれば周囲との差を作ることができますよ。

それでは早速「下手は上手のもと」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下手は上手のもと」の意味は?

「下手は上手のもと」には、次のような意味があります。

1.どんなに上手な人でも、はじめのうちは下手で、練習を重ねていくうちに上手になるのだということ。はじめから上手な人などいないので、下手を恥じることはないということ。

出典:用例でわかることわざ辞典(学研出版)「下手は上手の基」

自転車の練習が深く思い出に残っている方も多いのではないでしょうか。かく言う筆者も近くの公園で父親を伴い練習をした記憶が残っています。はじめのうちは父親に自転車を支えてもらい、ハンドルを大きく左右に揺らしながら必死にペダルを漕いだものです。しかし、手を離されればたちまちのうちに地面に一直線。何度も何度も傷を作りながら、それでも練習をするうち、すいっと進めるようになった時には得も言われぬ達成感に満たされました。

皆さんにもこのように練習を重ねて何かを身に着けた体験はあることと思います。そんな練習期間に使える言葉がこの「下手は上手のもと」です。「下手」の読みは「へた」、「上手」の読みは「じょうず」ですので間違えないように注意しましょう。ちなみに舞台の立ち位置を示す際には「かみて、しもて」と読みます。

「下手は上手のもと」の使い方・例文

「下手は上手のもと」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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