この記事では「口を挟む」について解説する。

端的に言えば口を挟むの意味は「割り込んで話すこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「口を挟む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「口を挟む」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「口を挟む」の意味や使い方を見ていきましょう。

「口を挟む」の意味は?

「口を挟む」には、次のような意味があります。

他人の話している途中に割り込んで話す。「横からー・む」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口を挟む」

「口を挟む」とは、「他人が話しているところに割って入りしゃべること」を意味する慣用句です。その話題に関係がない人や話をしている人とは別の人が、割り込んできてしゃべることを表しているのですね。

「口を挟む」の使い方・例文

「口を挟む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「口を挟む」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.小学生だったとき、親族間の大人の会話に口を挟み怒られた記憶がある。

2.新人だけで企画を考えろと言っておきながら、部長はたびたび口を挟んで自分の考えを主張してくる。

1の例文は、子どもが大人どうしの会話に割って入って発言したことで、怒られてしまったという内容です。親族が集まって大人の話し合いをしているところに、ほとんど関係ないであろう子どもが途中で入ってきたのでは怒られてしまいますよね。「大人の会話に口を挟むな!」と叱られるシーンが思い浮かびます。

2つ目の例文は、新人だけで行うはずだったミーティングに、部長がたびたび割り込んで意見を言ってくるという場面です。新人に任せてしまうのが心配な部長の様子と、放っておいてほしいという新人の気持ちがどちらも伝わってきますね。

「口を挟む」の類義語は?違いは?

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次に、「口を挟む」の類義語を確認していきます。

その1「口を出す」

「口を挟む」と似たような慣用句に、「口を出す」があります。「話に割り込んで発言する」、また「余計なことを言う」という意味です。「口出し」も同様の意味になります。「彼女が仕事のことで悩んでいたからアドバイスしたら、私の仕事に口を出さないでと怒られた」、「よその家の夫婦関係に口出しをしないでくれ!」などと使えるでしょう。

その2「話の腰を折る」

「話の腰を折る」とは、「途中で発言して相手の話を中断させること」を意味します。「会話のスピードについていけないのに、無理に発言したら話の腰を折ってしまった」、「話の腰を折るようで申し訳ありませんが、今お話しされていることは今回の件と関係ないと思います」などと使えそうです。

\次のページで「その3「嘴をいれる」」を解説!/

その3「嘴をいれる」

「嘴をいれる」は「くちばしをいれる」と読み、「自分とは関係のない、他人の言動にあれこれ言うこと」を表します。「こちらの事情に嘴をいれたがる叔父がいるから、親族の集まりには参加したくない」などと言えるでしょう。余計な発言をするさまを、鳥の「嘴」を使って表現しているところがおもしろいですね。

その4「横槍をいれる」

「横槍をいれる」とは、「他人の言動に文句を言うなど口出しをすること、妨害すること」を意味します。「彼女はいつも、私がすることに横槍をいれる」などと使えるでしょう。

「口を挟む」の対義語は?

「口を挟む」について特定の対義語は見つかりませんでした。ここでは参考に、「余計な発言をしないで静かに話を聞く」という状態を表す言葉を見ていきましょう。

その1「耳を傾ける」

「耳を傾ける」は、「人の話を熱心に聞こうとする」という意味の慣用句です。発言している人の方に身を乗り出したり、耳を近づけたりして一生懸命話を聞こうとしている姿が想像できる表現ですね。「先生の話に耳を傾ける」などと使います。

その2「聞き入る」

「夢中になってじっと聞く」という意味を表すのが「聞き入る」です。「彼女の情感たっぷりの語り口に、思わず聞き入った」などと使えるでしょう。

その3「静聴」

「静聴」は「せいちょう」と読み、「静かに話を聞くこと」を意味し、講演のアナウンスで「ご静聴願います」などと使われます。よくスピーチの最後に「ご清聴ありがとうございました」と言われますが、この「清聴」は相手が自分の話を聞くことを敬う表現なので、違いに注意しましょう。

\次のページで「「口を挟む」の英訳は?」を解説!/

「口を挟む」の英訳は?

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「口を挟む」を英訳するとどのような表現になるのでしょうか?

その1「interrupt」

「口を挟む」の英訳には「interrupt」が当てはまるでしょう。「interrupt」は「さえぎる、中断させる」という意味を持つ英単語です。「トムはしばしば私が話をしているときに口を挟む」は、「Tom often interrupts me while I'm talking.」と訳せるでしょう。

その2「cut in on」

「cut in on」も「口を挟む」の英訳として使えそうです。「cut」は「切る」という意味で知られる英単語ですが、「cut in on」で「割り込む」などの意味を表します。さきほどの「トムはしばしば私が話をしているときに口を挟む」は、「Tom often cuts in on me while I'm talking.」と言いかえられるでしょう。

その3「get a word in edgewise」

くだけた表現ですが、「get a word in edgewise」で「口を挟む」を表すことができます。「edgewise」は「横に」という意味の副詞で、イギリス英語では「edgeways」となることに注意しましょう。また、「get a word in edgewise」は主に否定文で使います。

「彼女が話している間は口を挟むことができない」は、「I can't get a word in edgewise while she is talking.」と英訳できるでしょう。

「口を挟む」を使いこなそう

この記事では「口を挟む」の意味・使い方・類語などを説明しました。「口を挟む」は、「他人が話しているところに割って入りしゃべること」を表すのでしたね。あなたもうっかりと人の話の途中で割り込んでしまったとき、「口を挟んでしまった」と使ってみましょう。

「口」を使った慣用句やことわざは他にもたくさんあります。さまざまな表現をストックして日本語力をみがきましょう!

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国語言葉の意味

【慣用句】「口を挟む」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師ライターがわかりやすく解説!

この記事では「口を挟む」について解説する。

端的に言えば口を挟むの意味は「割り込んで話すこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「口を挟む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「口を挟む」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「口を挟む」の意味や使い方を見ていきましょう。

「口を挟む」の意味は?

「口を挟む」には、次のような意味があります。

他人の話している途中に割り込んで話す。「横からー・む」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口を挟む」

「口を挟む」とは、「他人が話しているところに割って入りしゃべること」を意味する慣用句です。その話題に関係がない人や話をしている人とは別の人が、割り込んできてしゃべることを表しているのですね。

「口を挟む」の使い方・例文

「口を挟む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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