今回のテーマは女性に根強い人気のデザート、「アイス」と「ジェラート」の違いです。
最近ではコンビニでも「ジェラート」と書かれたものを見かけるが、そもそもジェラートって一体何だか説明できるか?アイスとの違いを答えられるか?
二つの意味や定義を詳しく知ることで、これまで漠然としていた違いを理解でき、今後は自信をもってアイスについて語ることができるでしょう。
今回は、ヨーロッパ各国から、アイスをはじめ様々なデザートの輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わる。アイスを含めたデザートは、これまで最も担当年月が長い商品。商品選定と品質チェックのため毎日のようにデザートを食べている。

アイスクリームって?

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それではまず初めに、アイスクリームとはどんなものなのかということから見てきましょう。

アイスクリームはデザートの代表選手

アイスクリームとは、牛乳・乳製品や砂糖などを材料とし、冷やしながら空気を含むように混ぜて凍らせたお菓子です。ケーキと並んで人気の高い「デザートの代表格」とも言える存在で、今や私たちの日常とは切り離せないものとなっています。「アイス」とも呼ばれますが、「アイス」は「アイスクリーム」の略称。よってこの記事では以後、「アイスクリーム」と記して説明していきます。

アイスクリームの定義と分類

私たちが普段「アイスクリーム」と呼んでいるものは、実はもっと細かいカテゴリーに分類されているのを知っていますか?アイスクリームは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」「食品、添加物等の規格基準」の定める規格によって種類が分けられています。

その内訳は、乳固形分が3.0%以上のものが「アイスクリーム類」とされ、含まれる乳固形分・乳脂肪分の割合に応じてさらに「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」と細分化されるのです。また、乳固形分が3.0%以下のものは「氷菓」と分類され、シャーベットやかき氷などがこのカテゴリーに該当します。よって、勝手に「アイスクリーム」と謳っていいわけではなく、きちんと法令で定義された基準があるのです。

分類の表示は毎日の生活に役立つ情報

このアイスクリームの分類は、商品裏面の「種類別」の箇所を見れば私たち消費者でもすぐに分かります。どこの国で誰が製造したものであっても、日本で流通する際の基準は一定。そう考えるとなんだか安心ですね。これらの分類と食品表示は、食の安全性をサポートしてくれる「消費者の味方!」とも言える存在なのです。

\次のページで「ジェラートって?」を解説!/

ジェラートって?

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では次に、ジェラートについて見ていくことにしましょう。

ジェラートはイタリア人にとって国民食的存在

ジェラートはイタリアのお菓子。イタリア語で「アイスクリーム」と定義され、広い意味では「凍った菓子」を指すそうです。イタリア人にとってジェラートは国民食のような存在で、一人当たりの年間消費量は10キロ以上とも言われます。ジェラートは季節の果物や果汁などもふんだんに使用して製造されるため、その華やかな見た目にもかかわらずあっさりとしているのが特徴です。

ジェラートという定義は日本にはない

先に説明した通り、アイスクリームは規格値によって定義が決められていました。では「ジェラート」とはどんな定義をされたものなのか、疑問に感じるのではないでしょうか。ですが実は「ジェラート」という言葉が何を指し示しているか、それを明確に定義する法令は日本においては存在しないのです。よって、何をもってジェラートとするかは非常に曖昧となっています。

ジェラートがアイスクリームではないというのは本当か?

イタリアにおいては、ジェラートは「アイスクリーム」を意味するもの。ですが実は、アイスクリームの基準は各国で異なるものであり、日本においてはジェラートを「アイスクリーム」とは定義できません。それは、一般的に乳脂肪分が5%前後と考えられるジェラートは、日本の法令に照らすと「アイスミルク」となるからです。これがジェラートはアイスクリームではないと言われる所以なのですね。ただし、これはあくまで法令上の分類の話。私たち消費者にとっての生活上の観点で言えば、「アイスクリーム」の一種と捉えて差し支えないでしょう。

アイスクリームとジェラートの歴史

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ではここからは、アイスクリームやジェラートが一体いつから食べられているなのかなど、その歴史を探っていきましょう。

\次のページで「アイスクリームの起源は古代」を解説!/

アイスクリームの起源は古代

アイスクリームのルーツは諸説ありますが、なんと古代まで遡るようです。その当時は今でいうシャーベットのようなものが食べられており、当初は疲れた体を癒す健康食品として利用されていました。もちろん昔は冷凍設備などはありませんので、雪に蜜や果汁をかけていたことが始まりです。まるでかき氷にシロップをかけて食べるようなものですよね。よって、アイスクリームもジェラートも、その大元を遡ってたどると、その始まりはシャーベット仕様のものに行きつくようです。

権力者たちに愛されたデザート

この冷たいデザートは、時の権力者たちにも大変好まれました。マケドニア王国のアレキサンダー大王といった時代からルネッサンス期の富豪メディチ家や王侯貴族まで、形の変遷はあれどこの甘美なデザートは富裕層の嗜好品として楽しまれていたようです。アイスクリームは今でこそ誰もが手軽に楽しめるデザートとなっていますが、昔は庶民にはとても手の出せないものだったのでしょうね。

アイスクリームとジェラートの違いは結局何だろう?

ここまでアイスクリームとジェラートについてをそれぞれ詳しく見てきました。ではその違いが一体どこにあるのかを具体的に説明していきましょう。

主な違い:キーワードは「オーバーラン」と「乳脂肪分」

アイスクリームとジェラート、これらは主だった原料も似ていますし、材料を混ぜて撹拌することも同じです。では、結局のところ、アイスクリームとジェラートの大きな違いは何なのでしょうか?それは2点、「オーバーラン」と「乳脂肪分」。以下で詳しく見ていきましょう。

オーバーランの違い

オーバーランとは、全体量に対し空気がどれくらい含まれるかを表す言葉で、空気含有量とも言われます。アイスクリームはオーバーランの比率が高く、ふんわりとした口どけを楽しめ軽やかでさっぱりした味わいに。逆にオーバーランの比率が低いジェラートは、風味がダイレクトに伝わり濃厚さを感じやすい、と言われます。つまり、原料の粒子の密着度によって味の感じ方が変わってくるということなのですね。

乳脂肪分の違い

一般的にコクがあって濃厚でおいしいと言われる商品は、分類上で乳脂肪分8%以上の「アイスクリーム」に該当するものが多い傾向にあります。これに比べジェラートは乳脂肪分が5%前後と低めです。ジェラートにはフルーツの果実だけでなくピューレ、そして野菜などもふんだんに使われます。そのため全体的な乳脂肪分は低く、比較的カロリーが抑えられヘルシーと言われるのです。

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アイスクリームとジェラートの違いはプロでも曖昧

私たちが日常で「ジェラート」と発する時、それはアイスクリーム全般を指すことが多いかと思いますが、実はそれはプロも同じです。私が食のプロと仕事をする中でも、ジェラートを別物として明確に使い分けている人はごくわずか。食の専門家であっても大多数の人々は、一般の人と同じような意味合いで「ジェラート」という言葉を使う傾向にあるのです。だとすれば、私たち一般消費者が「アイスクリーム」と「ジェラート」の境目を認識しづらいのも不思議はないですね。

【番外編】「ソルベ」「シャーベット」も似てるけど何が違う…?

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アイスクリームとジェラート同様、よく挙がる質問が「ソルベとシャーベット」の違いです。ここでは番外編としてその質問にもお答えしていきましょう。

ソルベの表記は「Sorbet」シャーベットは「Sherbet」…ということは!?

ソルベとはアルファベット表記で「Sorbet」、シャーベットは「Sherbet」と記します。さあ、この二語を見たら…お分かりですね!端的に言えば、ソルベとシャーベットはほぼ同じ。ソルベとはフランス語、シャーベットは英語なのです。アメリカのシャーべは、ソルベのベースに卵白や牛乳加えたものが多いようですね。そのため、ソルベとシャーベットは原材料に違いがあると言われることも。ですが、日本においては二つの違いはそもそも曖昧なため、ソルベ」とはフランス語の「シャーベット」と覚えておけば十分ではないでしょうか。

ここまできたら知っておこう!フランス語の「アイスクリーム」の呼び名

ちなみに、フランス語でシャーベットがソルベだとすると、アイスクリームは何と呼ばれるでしょうか?答えは「グラス(Glace)」です。しかしここで要注意。「グラス」はアイスクリーム(=乳脂肪分を含むもの)の意味もありますが、ソルベも含んだアイスクリーム全般の総称の意としても使われます。一つの言葉が二つの意味を持つため、私が仕事でグラスの説明をする際も、取引先の人が混乱する場面も珍しくはありません。

言葉の違いを知って食べれば美味しさは2割増し!

ここまでアイスクリームとジェラートを見てきましたが、若干の違いはあれど、冷たくて甘い魅力的なデザートであることに大差はありません。ですが、こうして理解が深まるとアイスクリームがよりおいしく感じると思いますよ!さらに興味がわいた場合には、ジェラートの専門店巡りでお店ごとの違いを味わってみたり、または百貨店の「イタリアフェア」に足を運んでみるのもおすすめです。

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雑学食べ物・飲み物

3分でよく分かるアイスとジェラートの違い!実は曖昧?意味から定義・歴史までデザートのプロがわかりやすく解説

今回のテーマは女性に根強い人気のデザート、「アイス」と「ジェラート」の違いです。
最近ではコンビニでも「ジェラート」と書かれたものを見かけるが、そもそもジェラートって一体何だか説明できるか?アイスとの違いを答えられるか?
二つの意味や定義を詳しく知ることで、これまで漠然としていた違いを理解でき、今後は自信をもってアイスについて語ることができるでしょう。
今回は、ヨーロッパ各国から、アイスをはじめ様々なデザートの輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わる。アイスを含めたデザートは、これまで最も担当年月が長い商品。商品選定と品質チェックのため毎日のようにデザートを食べている。

アイスクリームって?

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それではまず初めに、アイスクリームとはどんなものなのかということから見てきましょう。

アイスクリームはデザートの代表選手

アイスクリームとは、牛乳・乳製品や砂糖などを材料とし、冷やしながら空気を含むように混ぜて凍らせたお菓子です。ケーキと並んで人気の高い「デザートの代表格」とも言える存在で、今や私たちの日常とは切り離せないものとなっています。「アイス」とも呼ばれますが、「アイス」は「アイスクリーム」の略称。よってこの記事では以後、「アイスクリーム」と記して説明していきます。

アイスクリームの定義と分類

私たちが普段「アイスクリーム」と呼んでいるものは、実はもっと細かいカテゴリーに分類されているのを知っていますか?アイスクリームは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」「食品、添加物等の規格基準」の定める規格によって種類が分けられています。

その内訳は、乳固形分が3.0%以上のものが「アイスクリーム類」とされ、含まれる乳固形分・乳脂肪分の割合に応じてさらに「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」と細分化されるのです。また、乳固形分が3.0%以下のものは「氷菓」と分類され、シャーベットやかき氷などがこのカテゴリーに該当します。よって、勝手に「アイスクリーム」と謳っていいわけではなく、きちんと法令で定義された基準があるのです。

分類の表示は毎日の生活に役立つ情報

このアイスクリームの分類は、商品裏面の「種類別」の箇所を見れば私たち消費者でもすぐに分かります。どこの国で誰が製造したものであっても、日本で流通する際の基準は一定。そう考えるとなんだか安心ですね。これらの分類と食品表示は、食の安全性をサポートしてくれる「消費者の味方!」とも言える存在なのです。

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