この記事ではフィナンシェとマドレーヌの違いについてみていきます。どちらも手軽に食べられる、人気の焼き菓子です。見た目で違いを判断されることが多いようですが、味や食感、それぞれに由来があるなど調べてみると形以外の違いもあるみたいなんです。
今回はスイーツ好きなら知っておきたい、そうじゃなくても知っておけばきっと食べたくなる、興味深い内容です。
美味しいものには目がない、スイーツ好きのライター食いしん坊主婦と一緒に紹介していきます。

ライター/食いしん坊主婦

食べることが大好きな主婦。美味しいものには目がなく、食べ物関連のことを調べるのも好き。大食いの人達のように、たくさん食べられてなおかつ太らない体になりたいと思っている。

フィナンシェとマドレーヌ、何が同じで何が違う?

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気軽に食べられる焼き菓子として人気の、フィナンシェとマドレーヌ。違いを意識せず、なんとなく食べていませんか?実は自分も、美味しそう!というだけで食べていました。以前の自分のように、違いと言えば形だけと思われている方も多いのではないでしょうか。

ですがよく調べてみると、違いはあるんです。そしてフィナンシェもマドレーヌも、同じフランス生まれ。故郷は同じですが、由来がそれぞれあるのです。

実は原材料はどちらもほぼ同じ

この雰囲気のよく似ているフィナンシェとマドレーヌ。それもそのはず。メインの材料はどちらも薄力粉・卵・バターとほぼ同じなんです。「なんだ~結局同じお菓子なのか。」と思われるかもしれませんが、少々お待ちください!

同じ卵にしてもフィナンシェは卵白だけの使用に対し、マドレーヌは全卵の使用です。バターもフィナンシェは焦がしバターの使用に対し、マドレーヌは溶かしバターの使用。同じ材料を使っていても微妙に違いがあるのです。この差が似ているようで、味と食感に差が出てくるわけですね。

違いはズバリ、「アーモンドプードル」

では、詳しく材料をみていきましょう。フィナンシェの原材料は、薄力粉・卵白・砂糖・アーモンドプードル・溶かしバター。そしてマドレーヌの原材料は薄力粉・全卵・砂糖・ベーキングパウダー・焦がしバター

先ほど紹介したメインの材料の他に、フィナンシェにはアーモンドプードルが入っています。そう、一番の違いはアーモンドプードル。これが焦がしバターとあいまって、フィナンシェに香ばしいアーモンドの風味を出す味の決め手となっているんですね。このアーモンドプードルは何かというと、アーモンドを砕いて粉末状にしたもの。プードルはフランス語。アーモンドパウダーとも呼ばれています。

フィナンシェとマドレーヌ由来の違い

どちらもフランスで誕生した有名な焼き菓子。今では日本だけではなく、多くの国で愛されています。フィナンシェは17世紀ごろから、マドレーヌは少し遅い18世紀半ばから広まったとされているんだとか。その由来とは、どのようなものだったのでしょうか。代表的なものを紹介していきますね。

\次のページで「フランス語で「お金持ち」という意味のフィナンシェ」を解説!/

フランス語で「お金持ち」という意味のフィナンシェ

フランス語で「金融家」「お金持ち」を意味するフィナンシェ。このフィナンシェを作ったのは、パリの金融街と呼ばれるサン=ドゥニ通りに出店していた菓子職人だとされています。なんでも、毎日金融街で忙しそうに働く金融家の人々の為に工夫を施してあるんだとか。確かにフィナンシェは片手間に食べられるし、クッキーのようにポロポロ食べこぼしが出ることもありません。手やスーツを汚さず手早く食べられるように、と。

金融街で生み出されたフィナンシェ。名前もピッタリですが、目の前で忙しそうに働く人々を想って作られたお菓子だなんて、素敵ですね。

女性の名前からとっているマドレーヌ

当時ロレーヌ公国を収めていた、スタニスラス公が開いたパーティーでの出来事。雇っていた菓子職人と料理長の意見が合わず、喧嘩の末菓子職人が出て行ってしまいました。デザートとなるものが出せず困ったスタニスラス公はメイドの中にお菓子作りが得意な者がいると聞き、作らせてみることにしたのです。

あり合わせの材料と厨房にあったホタテの貝殻を使って、祖母から教わった焼き菓子を作ったメイド。このメイドこそがマドレーヌという女性だったのです。マドレーヌが作った焼き菓子は大好評。スタニスラスも大変焼き菓子を気に入り、作った本人の名前をとって「マドレーヌ」と付けたのでした。

フィナンシェとマドレーヌの形の違い

ひと目で分かる違いといえばやっぱり形の違い。一般的にフィナンシェは女性の手のひらにも収まるくらいの小ぶりな台形で金塊型の形、マドレーヌも同じく、手のひらに乗るくらいの細長い貝殻の形をしているのが特徴です。だけど中には、マドレーヌといえば平たい菊型のカップに入ったものを思い浮かべる方もいるはず。そのあたりもみていきましょう。

フィナンシェは金塊型の形

由来でも触れましたが、フィナンシェは金塊型の形をしています。古くからあったお菓子がフィナンシェの元となっているようで、金塊型で焼かれたのは19世紀ごろ。今現在も金塊型が主流ですが、スティック型丸形のものもあるのです。中には一口サイズでマドレーヌと詰め合わせのものも。お家で作る用の型には足跡型などいろんな形のものも出てきています。時代が変わるにつれ、フィナンシェの姿も多様化してきていますね。

マドレーヌは貝殻の形

シンプルな形のフィナンシェと打って変わって、可愛らしい貝殻の形のマドレーヌ。この姿も昔から変わらずあるようですが、中には平らな菊型のものを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。これはパン・ド・ジェーヌというお菓子が原型で、日本に広まる中でマドレーヌと混同したと考えられています。

このパン・ド・ジェーヌはアーモンドをたっぷり使用したお菓子なので、アーモンドパウダーを使うマドレーヌと間違えてしまっても無理もないですね。しかしマドレーヌの誕生国フランスではおろか、ヨーロッパでもこの形のマドレーヌはなく、日本独自のものと言えるようです。マドレーヌもフィナンシェのように、お家で作る用の型にはアニマル型など色んな型のものが出てきています。

フィナンシェとマドレーヌ味と食感の違い

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材料がほとんど同じフィナンシェとマドレーヌ。味の一番の違いフィナンシェにアーモンドプードルが入っていることですが、どちらにも入っているバターにもポイントがあります。そして材料の配合が違うので食感だって違うんです。どちらにも、この味や食感がたまらない!とファンがいることでしょう。違いを踏まえたうえで贈り物手土産に選ぶのも喜ばれそうですね。

\次のページで「フィナンシェは焦がしバターで外はさっくり、中はしっとりな食感」を解説!/

フィナンシェは焦がしバターで外はさっくり、中はしっとりな食感

フィナンシェの味の決め手はアーモンドプードルの他にもう一つ。それは焦がしバター。溶かしバターを使うよりもバターの風味が際立ち、香ばしく豊かな風味になります。

全卵を使うマドレーヌに対し、フィナンシェは卵白だけを使うことにより、外はサクサク、中はしっとりな食感に。焼きたては特にサクサク感が楽しめるので、ぜひ焼きたてを味わいたいですね。

マドレーヌは溶かしバターでしっとりな食感

マドレーヌは、溶かしバターと全卵を使うことによって甘く優しいバターの風味。ベーキングパウダーを使用するため、フィナンシェに比べると少しふんわり感があり適度にしっとりした食感です。レモンの果汁や皮を入れてさっぱり目に仕上げることも。

どこか懐かしい、素朴な味わい。食べるとなんだかほっこりする、そんな気分になれるのもマドレーヌならではと言えるのではないでしょうか。

ちなみに「マフィン」も原材料がほぼ同じ!何が違う?

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フィナンシェ・マドレーヌに続き定番の焼き菓子と言えばマフィン。カップ状でこちらも原材料はほぼ同じで全卵・薄力粉・砂糖・バターを使います。が、マフィンで使うのは常温のバター。そして一番の違いは牛乳。フィナンシェ・マドレーヌでは使われない牛乳を、マフィンでは使われているんですね。

マフィンは冷めて時間が経つとしっとり重めな食感、焼きたてだと外はカリッと中はふんわり軽めでまた違う食感が楽しめます。

作るならどっちの方が簡単?

ざっくりとした作り方の流れを紹介すると、マドレーヌは全卵・砂糖・薄力粉とベーキングパウダーを合わせたもの、溶かしバターを混ぜて型に入れて焼くだけ。

一方フィナンシェは、焦がしバターを作ったり、卵白だけを使ったりとマドレーヌに比べてほんの少しだけ手間がかかります。ですがそれさえすめば、あとはマドレーヌと同じで材料を混ぜて焼くだけ。意外と作るのは簡単ですね。

それにフィナンシェもマドレーヌも、ホットケーキミックスを使ってもっとお手軽に作れるレシピもたくさん出ているので、型と材料さえあればすぐにでも作れちゃいますよ。

似ているけど違うフィナンシェとマドレーヌ、それぞれの魅力を味わおう

似たようなお菓子であまり違いがないと思われがちなフィナンシェとマドレーヌですが、調べてみると色んな違いがあることが分かります。この違いを知っていれば、きっとフィナンシェもマドレーヌも、より一層味わい深く感じるはず。作り方も簡単なので、実際作ってみるのもいいですよね。

コーヒーや紅茶のお供に、フィナンシェとマドレーヌを。どちらの魅力もぜひ、味わいましょう。

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雑学食べ物・飲み物

形以外に違いはある?フィナンシェとマドレーヌの由来や食感などスイーツ好きが分かりやすくわかりやすく解説!

この記事ではフィナンシェとマドレーヌの違いについてみていきます。どちらも手軽に食べられる、人気の焼き菓子です。見た目で違いを判断されることが多いようですが、味や食感、それぞれに由来があるなど調べてみると形以外の違いもあるみたいなんです。
今回はスイーツ好きなら知っておきたい、そうじゃなくても知っておけばきっと食べたくなる、興味深い内容です。
美味しいものには目がない、スイーツ好きのライター食いしん坊主婦と一緒に紹介していきます。

ライター/食いしん坊主婦

食べることが大好きな主婦。美味しいものには目がなく、食べ物関連のことを調べるのも好き。大食いの人達のように、たくさん食べられてなおかつ太らない体になりたいと思っている。

フィナンシェとマドレーヌ、何が同じで何が違う?

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気軽に食べられる焼き菓子として人気の、フィナンシェとマドレーヌ。違いを意識せず、なんとなく食べていませんか?実は自分も、美味しそう!というだけで食べていました。以前の自分のように、違いと言えば形だけと思われている方も多いのではないでしょうか。

ですがよく調べてみると、違いはあるんです。そしてフィナンシェもマドレーヌも、同じフランス生まれ。故郷は同じですが、由来がそれぞれあるのです。

実は原材料はどちらもほぼ同じ

この雰囲気のよく似ているフィナンシェとマドレーヌ。それもそのはず。メインの材料はどちらも薄力粉・卵・バターとほぼ同じなんです。「なんだ~結局同じお菓子なのか。」と思われるかもしれませんが、少々お待ちください!

同じ卵にしてもフィナンシェは卵白だけの使用に対し、マドレーヌは全卵の使用です。バターもフィナンシェは焦がしバターの使用に対し、マドレーヌは溶かしバターの使用。同じ材料を使っていても微妙に違いがあるのです。この差が似ているようで、味と食感に差が出てくるわけですね。

違いはズバリ、「アーモンドプードル」

では、詳しく材料をみていきましょう。フィナンシェの原材料は、薄力粉・卵白・砂糖・アーモンドプードル・溶かしバター。そしてマドレーヌの原材料は薄力粉・全卵・砂糖・ベーキングパウダー・焦がしバター

先ほど紹介したメインの材料の他に、フィナンシェにはアーモンドプードルが入っています。そう、一番の違いはアーモンドプードル。これが焦がしバターとあいまって、フィナンシェに香ばしいアーモンドの風味を出す味の決め手となっているんですね。このアーモンドプードルは何かというと、アーモンドを砕いて粉末状にしたもの。プードルはフランス語。アーモンドパウダーとも呼ばれています。

フィナンシェとマドレーヌ由来の違い

どちらもフランスで誕生した有名な焼き菓子。今では日本だけではなく、多くの国で愛されています。フィナンシェは17世紀ごろから、マドレーヌは少し遅い18世紀半ばから広まったとされているんだとか。その由来とは、どのようなものだったのでしょうか。代表的なものを紹介していきますね。

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