この記事では「足下を見る」について解説する。

端的に言えば足下を見るの意味は「人の弱みにつけ込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足下を見る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足下を見る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足下を見る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足下を見る」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足下を見る」の意味は?

「足下を見る」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.相手の弱みにつけこむこと。緊急時に商品の値段を吹っかけるなど。

出典:実用日本語表現辞典「足もとを見る」

「足下を見る」は、相手の弱みにつけ込むことを指す慣用句です。相手の不利な立場を最大限利用して、自分に有利な交渉を進める様子などを表すことが多いですね。「足下を見る」はほかに「足元」・「足許」と書かれることもあります。こちらもあわせて覚えておきましょう。

なにか弱みを握られており、不公平な内容の交渉であっても、頷かざるを得ない。こうした様子を「足下を見られる」と表現します。交渉・商談の場で使われている言葉となっており、現在でもビジネスシーン・日常でも時折発言されることがありますね。

「足下を見る」の語源は?

次に「足下を見る」の語源を確認しておきましょう。「足下を見る」は昔の宿場・街道での出来ごとが由来だとされています。宿場・街道で旅人を待った、駕籠舁き・馬方といった職業の人々は、旅人の足下を見ることで相手の疲れ具合を測り、よほど疲れている様子と見ると法外な値段を要求しました。

相手が疲れていれば、それでも頷くと知っていた為です。こうしたところから相手の弱みにつけ込む様子を指して、「足下を見る」という慣用句は生まれました。「足下を見る」は古くから、現在と同様の意味で使われている言葉です。

\次のページで「「足下を見る」の使い方・例文」を解説!/

「足下を見る」の使い方・例文

「足下を見る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あいつは交渉相手の足下を見て、ふっかけるような奴だ。
2.こちらの弱みがばれてしまい、取引先から足下を見た金額を提示された。
3.君はお人好しすぎるから、他人に足下を見られてしまうんだ。

「足下を見る」は例文のように、主に人が弱みにつけ込んでくる様子を指して使われています。交渉の場・商談の場で使われることが多いですね。相手が立場上頷かざるを得ない状況下で、自分に有利な交渉を進める。相手が頷くほかないことを分かって、法外な値段をふっかけるなど。

また他にも、人とのコミュニケーションの様子を指しても時折使われています。人に対してNOと言えない性格の人が、それとわかっている他人につけ込まれ、相手の都合の良いように使われてしまう。「足下を見る」はこうした状況を指しても使われています。

「足下を見る」の類義語は?違いは?

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続いて「足下を見る」の類義語・違いについて確認していきましょう。「足下を見る」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「足下を見る」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「足下に付け込む」

「足下に付け込む」は、足下を見ると同様に、相手の弱みを知り、それを利用する行為を指す慣用句です。足下を見ると同じ意味をもった類義語となっていますが、利用シーンにすこし違いがあります。こちらは足下を見るよりも、使用頻度が比較的少ないため注意していきましょう。

\次のページで「その2「内兜(うちかぶと)を見透かす」」を解説!/

その2「内兜(うちかぶと)を見透かす」

「内兜を見透かす」は相手の内情・弱点を見抜くことを指したことわざです。「内兜」は人の隠された本心を表しており、相手の本心・弱点を見透かすという意味をもった言葉となっています。またそうして見た相手の弱点を利用するという意味もあり、足下を見ると同じ意味をもった言葉です。

その3「見下す」

「見下す」は相手を侮り、下に見るということを表す言葉です。「足下を見る」と同様に、相手を自分よりも立場的に下だとする様子を表しており、よく似た意味をもった類義語となっています。こちらは単に相手を下に見るという意味であり、弱みを握り、それを利用するという意味はありません。

その4「ふっかける」

「ふっかける」は商談で相手に法外な値段を要求することを表す言葉です。ビジネスシーンでも相場とは程遠い金額を相手に提示された際、「ふっかけられた」など表現することがありますね。こちらも「足下を見る」とよく似た意味をもった類義語となっています。

「足下を見る」の対義語は?

つづいて「足下を見る」の対義語についても確認していきましょう。「足下を見る」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「公正」

「公正」は公平で偏りのないことを表す言葉です。「足下を見る」が相手の弱みを握り、それを利用するという意味をもっていますが、こちらはそうした一方の利益に偏る行動をとらないことを意味する言葉となっています。意味の違いを捉えて、「足下を見る」の意味をより深く理解していきましょう。

「足下を見る」の英訳は?

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つづいて「足下を見る」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「take unfair advantage of」」を解説!/

「take unfair advantage of」

「take unfair advantage of」は直訳で不公平な立場を利用するという意味で、ちょうど「足下を見る」とよく似た意味を表現することができます。人の弱みにつけ込み、その有利な立場を利用して、相手を言いように扱う。「take unfair advantage of」はそうした意味を表現することができます。

「足下を見る」を使いこなそう

この記事では「足下を見る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足下を見る」は相手の弱みを利用して、自分に有利な交渉をする様子を指した言葉でした。また表記は「足元」・「足許」などと書かれることもあるため、注意して覚えておきましょう。

また類義語には「足下に付け込む」、「内兜を見透かす」、「見下す」、「ふっかける」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「足下を見る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「足下を見る」について解説する。

端的に言えば足下を見るの意味は「人の弱みにつけ込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足下を見る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足下を見る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足下を見る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足下を見る」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足下を見る」の意味は?

「足下を見る」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.相手の弱みにつけこむこと。緊急時に商品の値段を吹っかけるなど。

出典:実用日本語表現辞典「足もとを見る」

「足下を見る」は、相手の弱みにつけ込むことを指す慣用句です。相手の不利な立場を最大限利用して、自分に有利な交渉を進める様子などを表すことが多いですね。「足下を見る」はほかに「足元」・「足許」と書かれることもあります。こちらもあわせて覚えておきましょう。

なにか弱みを握られており、不公平な内容の交渉であっても、頷かざるを得ない。こうした様子を「足下を見られる」と表現します。交渉・商談の場で使われている言葉となっており、現在でもビジネスシーン・日常でも時折発言されることがありますね。

「足下を見る」の語源は?

次に「足下を見る」の語源を確認しておきましょう。「足下を見る」は昔の宿場・街道での出来ごとが由来だとされています。宿場・街道で旅人を待った、駕籠舁き・馬方といった職業の人々は、旅人の足下を見ることで相手の疲れ具合を測り、よほど疲れている様子と見ると法外な値段を要求しました。

相手が疲れていれば、それでも頷くと知っていた為です。こうしたところから相手の弱みにつけ込む様子を指して、「足下を見る」という慣用句は生まれました。「足下を見る」は古くから、現在と同様の意味で使われている言葉です。

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