国語言葉の意味

嬉しい?悲しい?「胸がいっぱいになる」の意味や使い方・類語・対義語など現役日本語教師がわかりやすく解説

「感極まる」:感動の気持ちで心が一杯になる

「極まる」は、これ以上ないレベルに達することです。「感動が極まる」、つまり「感極まる(かんきわまる」は、”とてつもなく感動すること”の意味になります。例えば「社長の激励の言葉には感極まりました」であれば、「社長の激励の言葉に非常に感激しました」ということを表わし、感動のレベルが一番上に達していることが伝わってくるでしょう。

「万感の思い」:一瞬にして様々な感情が心に広がる

「万感の思い(ばんかんのおもい)」の意味は、”一瞬にして様々な思いが心に広がる”ことです。「万」はすべてのこと、「感」は感情ですので、「万感」は嬉しい気持ちだけでなく悲しさや切なさなど、「様々な感情」を表します

例えば「万感の思いで入社式を迎える」は、入社式当日に、新しい会社で働くワクワクする気持ちと、不安や緊張などの感情、また、会社に入るためにこれまで頑張ってきた気持ちも入り混じるでしょう。まさに一瞬にして、様々な感情で心がいっぱいになるのです。

「胸が塞がる」:心配や不安で気持ちが暗くなる

「胸が塞がる(むねがふさがる)」の意味は、”心配や不安で気持ちが暗くなること”です。例えば、「母が急に倒れたと聞いて、胸が塞がりました」は、「母が急に倒れたと聞いて、胸が詰まる思いで気持ちが暗くなりました」という意味になります。上記2つの言葉とは違い、悲しい気持ちでいっぱいになるときに使う表現です。

「胸がいっぱいになる」と反対の意味を持つ言葉は?

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「胸がいっぱいになる」と反対の意味を持つ言葉は何があるでしょうか。いくつか見ていきましょう。

「茫然自失」:思いもよらないことに我を忘れること

「茫然自失(ぼうぜんじしつ)」の「茫然」は、気が抜けてしまうこと、「自失」は自分を忘れてしまうことを言います。「茫然自失」の意味は、”我を忘れて気が抜けた状態になること”です。思いもよらない、予想外な出来事に遭遇したときに使います。

例えば、「旅行先でパスポートを盗まれ、茫然自失となった」という文です。まさか自分が盗まれるなんて思いもしなかったのにパスポートを紛失したら、予想外の展開にどうしたらいいかわからない、まさに我を忘れた状態になるでしょう。このような使い方ができます。

「生ける屍」:気持ちを失い死人のような人の様子

「生ける屍(いけるしかばね)」の意味は、”気持ちを失い、死んだ人のような様子”です。肉体的にはもちろん生きていますが、精神的には死んでいる様子を表します。

例えば、「論文のデータが吹き飛び、彼は生ける屍のようだ」という文です。一生懸命作り上げた論文が全て消えたわけですから、”生ける屍”、つまり一時的に「精神的に死んだ人」のようになってしまいますよね。このとき、心はからっぽで何も考えられないことが想像できるでしょう。

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