

地球などの惑星を包み込む大気、簡単に言えば空気のことだな。この大気が存在しているのが大気圏だ。大気圏は高度や気温から対流圏、成層圏、中間圏、熱圏の4つの層に分けられている。そしてこの外側が宇宙となるんだ。この境目になるのがカーマン・ラインで、高度100㎞より外側は宇宙空間となる。が、これは定義の仕方によって多少異なるぞ。
さて大気圏は今説明したように4層に分かれている。今回は成層圏に注目して大気圏ついて学ぶぞ。解説は仕事を通してロケットに興味を持った科学館職員のたかはしふみかだ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/たかはし ふみか
高校は化学部、大学は工学部化学科のリケジョ。理科教育に関わりたくて理系に進んだため、実験ショーや実験教室を行う科学館の仕事が大好き。
大気圏の中で対流圏の上部から中間圏までの領域
この説明ではよくわかりませんね。そこでまず、大気圏について確認していきましょう。
最初に桜木先生が解説してくれていますが、大気とは惑星を包み込む空気のことです。私たちの地球の大気は窒素、酸素、アルゴンなどから構成されています。空気を構成する気体を容積比で表すと窒素が8割、酸素2割程度です。もっと正確に言うと、窒素が78%、酸素が21%そしてアルゴンや二酸化炭素などがわずかに含まれています。

image by Study-Z編集部
空気についてはこちらの記事を参考にして下さいね。
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この大気が持つ役割は
・地球上の動植物を太陽の放射線から守ること
・地球表面の温度を保つこと
です。大気のおかげで地球は生物が生きやすい適度な環境に保たれているのですね。
さて、大気圏は気温の変化を基準として鉛直方向に4つの層になっています。これを「地球大気の鉛直構造」というのです。この層は地上に近いところから順に、
対流圏 地表~10㎞ 高度が上がると気温は下降
成層圏 10㎞~50㎞ 高度が上がると気温上昇
中間圏 50㎞~80㎞ 高度が上がると気温下降
成層圏と中層大気をあわせて中層大気ともいう
熱圏 80㎞~800㎞(定義の仕方によって上限は500~1000㎞と幅がある)
高度が上がると気温上昇
(外気圏)500~1,000km
宇宙 1,000㎞~
と並んでいるのです。この大気圏よりも上空は宇宙空間となり、大気圏と宇宙空間の間に外気圏があります。大気圏の4つの層。この層にはそれぞれに役割や特徴があります。今度はこの層に注目してみましょう。

金星や火星の大気は95%以上が二酸化炭素だ。一方、水星にはほとんど大気がない。
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