この記事では「腰が弱い」について解説する。

端的に言えば「腰が弱い」の意味は「弱気」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「腰が弱い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「腰が弱い」の意味をわかりやすく伝える。

「腰が弱い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腰が弱い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腰が弱い」の意味は?

「腰が弱い」には、次のような意味があります。

1. 弱気である。

2. 粘りけがない。弾力性がなくもろい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が弱い

「腰が弱い」は「こしがよわい」と読み、2つの意味を有しています。1つ目は弱気であることを示す際に使用する意味で、2つ目は物質の性質を表現する際に使用する意味ですね。特に2つ目に関しては、うどんや蕎麦、餅に「コシがある」などと日常的に使うと思いますが、この「コシ」は「腰」のことです。

「腰が弱い」の語源は?

次に「腰が弱い」の語源を確認しておきましょう。どちらの意味も語源は明確ではありませんが、まず1つ目の「弱気」についての「腰」は「何かをする際の姿勢・構え。」という意味を有していることから、「弱い」とくっついて「姿勢が弱い」(弱気)となりました。「及び腰」や「喧嘩腰」も同じような使われ方です。確かに実際に「腰が弱い(引けている)」状態を想像すると、弱気な感じがしますよね。

2つ目の「物質の性質」については、これも「腰」が「餅(もち)・粉などの粘り・弾力。」や「紙・布などのしなやかで破れにくい性質。」という意味を有していることに由来しています。なぜ人間の身体部位である「腰」がこのような意味を有するのかは不明ですが、「腰」は身体の中でも重要な部位であり、そのため物質の重要な性質を示す意味になったのではないかという説もあるようです。

「腰が弱い」の使い方・例文

「腰が弱い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 天然な健太君は交渉が苦手で、いつも腰が弱いから、いつもおすすめの肉料理が食べられず損をしているの。

2. 東京の中でも1番旨いと言われているうどんを昼に食べたんだけど、サービスも悪いし、職人の技術不足か腰も弱くて、お腹にたまった気がしないよ。

3. 最近ワシは腰が弱くてのう、サポーターしても腰痛がするんじゃ。腰の筋力が低下しているのか、脊椎に問題があるのか、検査が必要じゃね。

例文1の「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表していますね。この意味は交渉や話し合いといった、調整をする場面でよく使われます。例文2はいわゆる「コシ」で、うどんの物質的な性質を意味していますね。口語ではカタカナの「コシ」とすることの方が多いと思います。例文3は上述した国語辞書には無いですが、「身体部位としての腰が弱っている(衰えている)」という意味を表現する際にも「腰が弱い」が使用されるという例です。

このように文脈によって「腰が弱い」は様々な意味になりますから、注意しておきましょう。

「腰が弱い」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「腰が弱い」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

1. 「腰が引ける」

今回ご紹介する最初の類義語が「腰が引ける」(こしがひける)です。念のため意味を確認しておきましょう。

自信がなかったり恐れたりして、なかなか実行しないでいる。及び腰になる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が引ける

「腰が引ける」は「腰が弱い」の意味のうち、「弱気」に近い慣用句です。ただし比較すると、「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表現する言葉であるのに対し、「腰が引ける」は「弱気」という気持ちに加えて「実行しない」という状況を表現する言葉となっています。似ている言葉ですから、使い方を間違えないよう注意しましょう。

2. 「弱気」

次の類義語が「弱気」(よわき)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 事にあたって気力に乏しいこと。気が弱いこと。また、そのさま。

2. 取引で、相場が先行き下がると予想すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「弱気

「腰が弱い」の類義語としては上述の1の意味となります。「弱気」と「腰が弱い」はほぼ同じ意味であることがわかりますね。

3. 「引っ込み思案」

今回ご紹介する最後の類義語が「引っ込み思案」(ひっこみじあん)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

内気で、積極的に人前に出たり自分から行動を起こしたりすることができないこと。また、そのような性格や、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「引っ込み思案

「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表現していましたが、「引っ込み思案」は気持ちというよりも「内気」という性質・性格を表していることが特徴と言えるでしょう。つまり普段「強気」な人が「腰が弱くなる」・「腰が引ける」場面はありますが、「引っ込み思案」は場面や状況に関係が無い、その人の性質を表現している言葉です。

「腰が弱い」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

1. 「強気」

「腰が弱い」の反対の意味を有する単語が「強気」(つよき)です。意味は「気が強いこと。積極的な態度に出ること。また、そのさま。」ですから、「弱気」という意味での「腰が弱い」の対義語であることがわかりますね。

2. 「腰が強い」

次の対義語が「腰が強い」(こしがつよい)です。意味としては2つありますので、国語辞書で確認しておきましょう。

1. 気が強くて容易に屈しない。

2. 粘りけが強い。また、弾力があって折れにくい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が強い

このように、「腰が弱い」は「弱気」という気持ちと「コシ」という物質的な性質の意味を有していましたが、どちらに対しても対義語となるのが「腰が強い」です。また国語辞書にはありませんが、身体の部位として「腰が丈夫」という意味でも口語では使われます。

3. 「腰がある」

最後の対義語が「腰がある」(こしがある)です。これは物質的な性質を表す言葉で、「餅・うどん・そばなどの歯ざわりがしっかりしている。また、布・紙などの手ざわりがしなやかで丈夫。」という意味を持っています。口語でも使うことが多いでしょうから、意味は問題ないですよね。

「腰が弱い」の英訳は?

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最後に、「腰が弱い」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「get cold feet」

「腰が弱い」を英語で言う場合は、「get cold feet」が近いでしょう。「怖じ気づく」や「逃げ腰になる」の方がニュアンスとしては近いかもしれません。以下に例文を見てみましょう。

・I didn't want to, but I got cold feet from the muscle specialist and decided to stay in the hospital for safe treatment and procedures.

嫌だったんだけど、筋肉の専門医の先生が怖くて腰が弱くなって、安心な治療や処置を受けるためにも入院することにしたよ。

・I always feel comfortable with him, but he got cold feet during this presentation on notebook design and didn't seem to live up to my expectations.

いつも彼は安心感があるんだけど、今回の手帳デザインのプレゼンではなんだか腰が弱って、期待には応えられなかったみたいだ。

「腰が弱い」を使いこなそう

この記事では「腰が弱い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「腰が弱い」は弱気であることを示す際に使用する意味と、物質の性質を表現する際に使用する意味の言葉でした。複数の意味がありますから、勘違いしないよう注意が必要です。ビジネスシーンでも日常生活でも、大事な場面で「腰が弱い」と信頼されにくいですから、「腰が強い」人間になれるよう頑張りましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「腰が弱い」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

この記事では「腰が弱い」について解説する。

端的に言えば「腰が弱い」の意味は「弱気」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「腰が弱い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「腰が弱い」の意味をわかりやすく伝える。

「腰が弱い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「腰が弱い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腰が弱い」の意味は?

「腰が弱い」には、次のような意味があります。

1. 弱気である。

2. 粘りけがない。弾力性がなくもろい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が弱い

「腰が弱い」は「こしがよわい」と読み、2つの意味を有しています。1つ目は弱気であることを示す際に使用する意味で、2つ目は物質の性質を表現する際に使用する意味ですね。特に2つ目に関しては、うどんや蕎麦、餅に「コシがある」などと日常的に使うと思いますが、この「コシ」は「腰」のことです。

「腰が弱い」の語源は?

次に「腰が弱い」の語源を確認しておきましょう。どちらの意味も語源は明確ではありませんが、まず1つ目の「弱気」についての「腰」は「何かをする際の姿勢・構え。」という意味を有していることから、「弱い」とくっついて「姿勢が弱い」(弱気)となりました。「及び腰」や「喧嘩腰」も同じような使われ方です。確かに実際に「腰が弱い(引けている)」状態を想像すると、弱気な感じがしますよね。

2つ目の「物質の性質」については、これも「腰」が「餅(もち)・粉などの粘り・弾力。」や「紙・布などのしなやかで破れにくい性質。」という意味を有していることに由来しています。なぜ人間の身体部位である「腰」がこのような意味を有するのかは不明ですが、「腰」は身体の中でも重要な部位であり、そのため物質の重要な性質を示す意味になったのではないかという説もあるようです。

「腰が弱い」の使い方・例文

「腰が弱い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 天然な健太君は交渉が苦手で、いつも腰が弱いから、いつもおすすめの肉料理が食べられず損をしているの。

2. 東京の中でも1番旨いと言われているうどんを昼に食べたんだけど、サービスも悪いし、職人の技術不足か腰も弱くて、お腹にたまった気がしないよ。

3. 最近ワシは腰が弱くてのう、サポーターしても腰痛がするんじゃ。腰の筋力が低下しているのか、脊椎に問題があるのか、検査が必要じゃね。

例文1の「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表していますね。この意味は交渉や話し合いといった、調整をする場面でよく使われます。例文2はいわゆる「コシ」で、うどんの物質的な性質を意味していますね。口語ではカタカナの「コシ」とすることの方が多いと思います。例文3は上述した国語辞書には無いですが、「身体部位としての腰が弱っている(衰えている)」という意味を表現する際にも「腰が弱い」が使用されるという例です。

このように文脈によって「腰が弱い」は様々な意味になりますから、注意しておきましょう。

「腰が弱い」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「腰が弱い」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

1. 「腰が引ける」

今回ご紹介する最初の類義語が「腰が引ける」(こしがひける)です。念のため意味を確認しておきましょう。

自信がなかったり恐れたりして、なかなか実行しないでいる。及び腰になる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が引ける

「腰が引ける」は「腰が弱い」の意味のうち、「弱気」に近い慣用句です。ただし比較すると、「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表現する言葉であるのに対し、「腰が引ける」は「弱気」という気持ちに加えて「実行しない」という状況を表現する言葉となっています。似ている言葉ですから、使い方を間違えないよう注意しましょう。

2. 「弱気」

次の類義語が「弱気」(よわき)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 事にあたって気力に乏しいこと。気が弱いこと。また、そのさま。

2. 取引で、相場が先行き下がると予想すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「弱気

「腰が弱い」の類義語としては上述の1の意味となります。「弱気」と「腰が弱い」はほぼ同じ意味であることがわかりますね。

3. 「引っ込み思案」

今回ご紹介する最後の類義語が「引っ込み思案」(ひっこみじあん)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

内気で、積極的に人前に出たり自分から行動を起こしたりすることができないこと。また、そのような性格や、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「引っ込み思案

「腰が弱い」は「弱気」という気持ちを表現していましたが、「引っ込み思案」は気持ちというよりも「内気」という性質・性格を表していることが特徴と言えるでしょう。つまり普段「強気」な人が「腰が弱くなる」・「腰が引ける」場面はありますが、「引っ込み思案」は場面や状況に関係が無い、その人の性質を表現している言葉です。

「腰が弱い」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

1. 「強気」

「腰が弱い」の反対の意味を有する単語が「強気」(つよき)です。意味は「気が強いこと。積極的な態度に出ること。また、そのさま。」ですから、「弱気」という意味での「腰が弱い」の対義語であることがわかりますね。

2. 「腰が強い」

次の対義語が「腰が強い」(こしがつよい)です。意味としては2つありますので、国語辞書で確認しておきましょう。

1. 気が強くて容易に屈しない。

2. 粘りけが強い。また、弾力があって折れにくい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が強い

このように、「腰が弱い」は「弱気」という気持ちと「コシ」という物質的な性質の意味を有していましたが、どちらに対しても対義語となるのが「腰が強い」です。また国語辞書にはありませんが、身体の部位として「腰が丈夫」という意味でも口語では使われます。

3. 「腰がある」

最後の対義語が「腰がある」(こしがある)です。これは物質的な性質を表す言葉で、「餅・うどん・そばなどの歯ざわりがしっかりしている。また、布・紙などの手ざわりがしなやかで丈夫。」という意味を持っています。口語でも使うことが多いでしょうから、意味は問題ないですよね。

「腰が弱い」の英訳は?

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最後に、「腰が弱い」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「get cold feet」

「腰が弱い」を英語で言う場合は、「get cold feet」が近いでしょう。「怖じ気づく」や「逃げ腰になる」の方がニュアンスとしては近いかもしれません。以下に例文を見てみましょう。

・I didn’t want to, but I got cold feet from the muscle specialist and decided to stay in the hospital for safe treatment and procedures.

嫌だったんだけど、筋肉の専門医の先生が怖くて腰が弱くなって、安心な治療や処置を受けるためにも入院することにしたよ。

・I always feel comfortable with him, but he got cold feet during this presentation on notebook design and didn’t seem to live up to my expectations.

いつも彼は安心感があるんだけど、今回の手帳デザインのプレゼンではなんだか腰が弱って、期待には応えられなかったみたいだ。

「腰が弱い」を使いこなそう

この記事では「腰が弱い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「腰が弱い」は弱気であることを示す際に使用する意味と、物質の性質を表現する際に使用する意味の言葉でした。複数の意味がありますから、勘違いしないよう注意が必要です。ビジネスシーンでも日常生活でも、大事な場面で「腰が弱い」と信頼されにくいですから、「腰が強い」人間になれるよう頑張りましょう。

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