1.濡れぬ先こそ露をも厭えと言うように、一度だけにして手を洗おうと同僚も思っていたただろうが、感覚が麻痺してどんどんエスカレートしてしまい横領罪で逮捕されてしまった。
2.彼と会うのは一度だけのつもりでいたが、濡れぬ先こそ露をも厭えと言うように、一度一線を越えてしまうと緊張感よりも自身の甘えた気持ちが勝ってしまう。
2.最初はひょんなミスを上司に報告したくなくて始めたことだが、濡れぬ先こそ露をも厭えと言うように、今ではばれたら解雇を免れないだろう大きな不正まで犯している。
その2「盗人猛猛しい」
「盗人猛猛しい」は「ぬすびとたけだけしい」と読むことわざです。「猛猛しい」はずうずうしいという意味といかにも勇ましくて強そうであるという意味の2つがあります。ここでは前者のずうずうしいという意味が適切です。盗みや悪事をはたらき、それを咎められてもふてぶてしい態度をとったり、逆に居直ったるする様子を表します。
「毒を食らわば皿まで」の一度罪を犯した後に徹底的にそれを重ねるのような意味はありません。しかし、犯した罪に対してそれを咎められても反省することなく、むしろ開き直ってしまうという点では似たニュアンスであると考えられるのではないでしょうか。
1.親友が私の教科書を盗ろうとしていたところを見つけて問いただしたが、ごめんねのごの字も言わない。なんて盗人猛猛しい人なのだろうかと怒りを通り越して呆れてしまった。
2.偽のインターネットサイトに誘導して個人情報を抜き取るフィッシング詐欺を企て実行したのにも関わらず、引っかかった方が悪いと言い張るなど、なんて盗人猛猛しい奴なのだろうか。
「毒を食らわば皿まで」の対義語は?
「毒を食らわば皿まで」には明確な対義語はありません。しかし、一度罪を犯した後に徹底的に罪悪を重ねると反対の意味を持つ言葉をしいて挙げるなら、「君子は豹変す」(くんしはひょうへんす)が挙げられます。これは、君子のような徳の高い人物は、過ちを速やかに改めて善に移ることがはっきりしていることを意味することわざです。しかし、今までの思想や態度が急に変わることの例えとしても用いられることもあるので、反対の意味として考えることができるのではないでしょうか。
「毒を食らわば皿まで」を使いこなそう
この記事では「毒を食らわば皿まで」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「毒を食らわば皿まで」は一度罪を犯したからには徹底的に罪悪を重ねるという意味を持つことわざです。これは後戻りがきかない罪を犯し、開き直っている状態を表す時に用いられます。また、どうせ手を付けたのなら最後まで覚悟を決めてやり切ろうという使い方もできるので、使い分けや読み分けに注意してください。
類義語としては、「濡れぬ先こそ露こそ厭え」、「盗人猛猛しい」の2つを紹介しました。「毒を食らわば皿まで」に明確な対義語はありませんが、態度や思想が急に変わるという点で反対に近い意味を持つと考えられる「君子豹変す」を挙げているので、あわせて確認しておきましょう。