端的に言えば、奥歯に剣の意味は「相手に敵意を持ちつつ、表に出さない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「奥歯に剣」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/トラコ
全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。
「奥歯に剣」の意味は?
「奥歯に剣」は、慣用句・ことわざです。次のような意味があります。
腹の中では敵意をもちながら、表面には表さないこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「奥歯(おくば)に剣(つるぎ)」
「奥歯に剣」の読み方は、おくばにつるぎ、です。剣はつるぎで、けんではないので注意。
意味は、相手に対して敵意を持ちつつ、表面に出さないことです。
江戸時代の浄瑠璃、源平布引滝(実盛物語)において「御殿(ごてん)でなくばと奥歯に剣、籏(はた)はこやつと睨(にらみ)し眼」との一文が出てきます。
「奥歯に剣」の語源は?
次に、「奥歯に剣」の語源を確認しておきましょう。
「奥歯に剣」の言葉の由来は、「奥歯」と「剣」です。奥歯は、相手にはそう簡単に見えません。そして、剣は敵意という意味。つまり、見えない奥歯に隠された剣、敵意を隠して本音を表面に出さずに相手と対峙することです。
ちなみに、「歯」にまつわることわざは、数多くあります。「目には目を歯には歯を」「歯がゆい」「奥歯に物がはさまったよう」「歯が立たない」「歯に衣着せぬ」などが有名です。
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