
蒸散が盛んに起きる条件
上記のような仕組みで、気孔は開閉します。蒸散が盛んに起きるときには気孔を開くわけですが、それはどんな条件だと思いますか?
その通りです!
例えば昼間、日光を十分浴びているような環境では、ガス交換の必要があり、多くの気孔が開きます。それに伴って蒸散量も増加するのです。
また、気温が高いときにも蒸散が盛んにおこなわれることが知られています。植物が体内の水分を蒸散させることは、熱を放散させることにもつながるのです。私たちが汗をかいて体温を下げるのと同じ仕組みなんですよ。

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反対に、土壌中の水分量が減少すると、気孔が閉じ気味になり、蒸散量は減少します。水不足の時には、無駄に水を発散させることは避けたいですからね。
このように、大気の状態や土壌中の成分の変化など、様々な要因によって気孔の開閉は調整され、蒸散量がコントロールされています。植物が生命をつなぐために備えた、素晴らしいシステムといえるのではないでしょうか。
「蒸散」も「蒸発」も、どちらも重要な現象!
「蒸散」と「蒸発」の違いが整理できたでしょうか?「蒸散」の方は、植物のからだがもつ機能の一つであることを忘れないようにしたいですね。
今回はあまり触れませんでしたが、もちろん「蒸発」の方も重要な現象です。液体が蒸発するからこそ、植物も体内の水分を気体として体外に放出できるのですから!
イラスト使用元:いらすとや