この記事では「運が向く」について解説する。

端的に言えば、運が向くの意味は「幸運が巡ってくる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「運が向く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「運が向く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「運が向く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「運が向く」の意味は?

「運が向く」は、「運」と「向く」が組み合わさった慣用句・ことわざです。「運」には、次のような意味があります。

1.人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。天命。運命。「運が悪い」
2.よいめぐりあわせ。幸運。「運が向いてくる」「運がない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「うん【運】」

「運」とは、2つの意味があります。1つが、運命など、人間の意志を超えた働きをすること。もう1つが、幸運など、よい巡り合わせ、よい回合わせ(回合せ)など。「運が向く」は、後者の意味になります。

つまり、「運が向く」は、運気が良いほうに傾くこと幸運の巡合わせといった意味で用いられる言い回しです。

「運が向く」とだけ、国語辞典や辞書、インターネットで検索しても、なかなか出てこないかもしれません。そんな時は、言葉をかみ砕いて調べましょう。

「運が向く」の語源は?

続いて、「運が向く」の語源について。

「運が向く」の言葉の由来は、はっきりとはわかりません。「向く」には、さまざまな意味があるうち、その方向や状態に傾くという意味が、「運が向く」に大変近い意味を持ちます。

\次のページで「「運が向く」の使い方・例文」を解説!/

「運が向く」の使い方・例文

次に、「運が向く」の使い方を、例文を用いて紹介します。

例えば、次のような使い方があり、正しい意味を抑えたうえで、上手に使いこなしていきましょう。

1.あなたに出会えた結果、人生で運が向いてきた。運勢の回り合わせに感謝したい。
2.女性は、悩みの諸事情や物事を占い師に伝え、天運や命運を占ってもらうことで、せめて来世で運が向くのを願った。
3.まわりに急かされて婚活を始めたら、年齢がネックだと断られた。運が向く日は来るのだろうか。

それでは、それぞれの例文について、解説していきます。

例文1は、「運が向く」のよくある使い方で、幸運の巡り合わせという意味で「運が向く」が用いられた典型的な文章。例文2は、状況が良い方に向くといった意味で「運が向く」が文章中で使われています。

例文3も同様で、気運が上昇する日はいつだろうかと願う気持ちを「運が向く」を使って表現した文章です。

「運が向く」の類義語は?違いは?

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次に、「運が向く」の類義語(類語)を見ていきましょう。

類義語として、例えば、勢いに乗る、順風満帆、人生の上り坂、運が開く、開運、埋もれ木に花が咲く、流れに乗る、上げ潮に乗る、運気上昇、追い風など、多くの用語が考えらえます。

その1「順風満帆」

「順風満帆」は、じゅんぷうまんぱん、と読みます。物事が順調に運ぶ、という意味です。じゅんぷうまんぽ、とは読まないので注意。

語源は、ヨットなどの船で、追い風である順風を帆いっぱいにはらんだ状態が転じて、物事がすべて順調に運ぶ、非常にうまくいくという意味になりました。

例えば、「順風満帆の門出」といった使い方をします。万事如意(ばんじょにょい)や乗風破浪(じょうふうはろう)などの類義語があり、ほぼ同じ意味です。

\次のページで「その2「埋もれ木に花が咲く」」を解説!/

その2「埋もれ木に花が咲く」

「埋もれ木に花が咲く」は、慣用句・ことわざであり、意味は、長い間ずっと逆境にあった身に、意外な幸運が訪れたというたとえです。

例えば、世間から忘れ去られてしまい、不遇の身にあった人などを表す際に使われます。もともとの語源は、朽ちて土に埋もれた木から芽が出てきて、もう一度花を咲かせたこと。

日の目を見る枯れ木に花が咲くなど、も同じ意味です。

その3「上げ潮に乗る」

「上げ潮に乗る」についても、意味などを確認しておきましょう。

この「上げ潮に乗る」は、勢いが上向くまま、物事が順調に進んだり、充実したりするという意味。語源は「上げ潮」で、海で干潮から満潮までの満ちつつある状態の潮のことです。対義語は下げ潮、引き潮など。

例えば、「本番の試合に向けて、上げ潮に乗ってきた」といった使い方をします。

「運が向く」の対義語は?

続いて、「運が向く」の対義語について。

「運が向く」のはっきりとした対義語はありません。ただ、類義語の1つである「開運」の対義語を見ると、「悲運」「非運」が出てきます。

「悲運」

「悲運」は、非運とも表記されます。

この悲運(非運)は、悲しい運命不幸な巡り合わせという意味。つまり、その人の意思や努力などではどうしようもない巡り合わせのことです。

例えば、「悲運の最期」「没落の非運」「わが身の非運」といった使い方をします。

「運が向く」の英訳は?

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さらに、「運が向く」の英訳も、見ておきましょう。

「運が向く」を、日本語から英語に翻訳すると、good luckto be in luck's wayto get lucky など。いずれのフレーズにも入っている「luck」は、運という意味を持つ単語です。

「good luck」

good luck は、幸運や強運、また「幸運を祈る」という意味で、幅広く使われます。

「運が向く」という意味合いをより強調したい場合、to be in luck's wayto get lucky を使うのが適切でしょう。

その他の英語表現も含め、例文を見てみましょう。

\次のページで「「運が向く」を使いこなそう」を解説!/

・Luck has turned in my favor.

自分にも運が向いてきたようだ。

・You never know your luck.

今にも運が向くかもしれない。

・Your luck will turn one day, never mind!

あなたはそのうち運が向くはず、気にしないで!

・She showed signs of success.

彼女は運が向いてきた。

「運が向く」を使いこなそう

この記事では、「運が向く」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「運が向く」は、幸運が巡ってくるという意味。「運」と「向く」を別々に調べ、それぞれの意味を組み合わせると、状況がよい方に向いていくという意味になります。

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国語言葉の意味

【慣用句】「運が向く」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「運が向く」について解説する。

端的に言えば、運が向くの意味は「幸運が巡ってくる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「運が向く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「運が向く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「運が向く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「運が向く」の意味は?

「運が向く」は、「運」と「向く」が組み合わさった慣用句・ことわざです。「運」には、次のような意味があります。

1.人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。天命。運命。「運が悪い」
2.よいめぐりあわせ。幸運。「運が向いてくる」「運がない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「うん【運】」

「運」とは、2つの意味があります。1つが、運命など、人間の意志を超えた働きをすること。もう1つが、幸運など、よい巡り合わせ、よい回合わせ(回合せ)など。「運が向く」は、後者の意味になります。

つまり、「運が向く」は、運気が良いほうに傾くこと幸運の巡合わせといった意味で用いられる言い回しです。

「運が向く」とだけ、国語辞典や辞書、インターネットで検索しても、なかなか出てこないかもしれません。そんな時は、言葉をかみ砕いて調べましょう。

「運が向く」の語源は?

続いて、「運が向く」の語源について。

「運が向く」の言葉の由来は、はっきりとはわかりません。「向く」には、さまざまな意味があるうち、その方向や状態に傾くという意味が、「運が向く」に大変近い意味を持ちます。

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