この記事では「言葉を尽くす」について解説する。

端的に言えば言葉を尽くすの意味は「言葉を使い果たすように」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「言葉を尽くす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「言葉を尽くす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「言葉を尽くす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「言葉を尽くす」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「言葉を尽くす」の意味は?

「言葉を尽くす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.ありったけの言葉を使って、さまざまに言う。「―・して説得に当たる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言葉を尽くす」

「言葉を尽くす」とは自分の持っている限りの言葉を最大限に使って、相手になにかを伝えようとすることを意味する慣用句です。言葉を尽くして説得する、言葉を尽くして感謝の気持ちを示すなど、必死に自身の思いを相手に伝えようとする場面で使われている言葉となっています。

基本的には新聞・小説・マンガなど、文章中に登場することが多い言葉です。古い表現ですが、最近でも時折見かけることがあるため、この機会にしっかりと意味を捉えて、正しく使うことができるようにしていきましょう。

「言葉を尽くす」の語源は?

次に「言葉を尽くす」の語源を確認しておきましょう。言葉を尽くすは「言葉」と「尽くす」という二種類の単語を組み合わせて生まれました。「言葉」はことば、そのまま言語・語の意味を表しています。「尽くす」はあるだけのものをすべて使い果たしてしまうことを意味する単語です。

言葉を尽くすはこれら二種類の単語を組み合わせて、自身の持っている言葉すべてを使い果たすように必死で相手に伝えるという意味をもった慣用句となりました。語源から意味を解釈し、より深く「言葉を尽くす」の意味を理解していきましょう。

\次のページで「「言葉を尽くす」の使い方・例文」を解説!/

「言葉を尽くす」の使い方・例文

「言葉を尽くす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.冤罪であることがわかっている彼を救うために、言葉を尽くして説得する。
2.誤解を解くために、言葉を尽くして経緯を説明する。
3.言葉を尽くしても、上手く相手に思いが伝わらなかった。

「言葉を尽くす」は例文のように、自身が持っているあらん限りの言葉を使って、誰かに伝えるという時に使われています。冤罪を証明するために説得する、誤解を解くために理由を説明するなど、相手に是が非でもわかってもらいたいという様子を表していますね。

言葉を尽くすは「言葉を尽くして話す」、「言葉を尽くして説得する」、「言葉を尽くして説明する」など、話す行動を修飾する形で使われていることが多くなっています。実際に使用する際には、こうした細かいニュアンスに注意して正しく使っていきましょう。

「言葉を尽くす」の類義語は?違いは?

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続いて「言葉を尽くす」の類義語・違いについて確認していきましょう。「言葉を尽くす」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「言葉を尽くす」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「言い尽くす」

「言い尽くす」は残すところなく、すべて言い切ってしまうことを意味しています。こちらは自身の言いたいことをすべて言い切る意味となっており、「言葉を尽くす」とは使用する状況が違うため注意が必要です。非常によく似た類義語ですが、ニュアンスの違いに注意し、使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「意を尽くす」」を解説!/

その2「意を尽くす」

「意を尽くす」は自身の考えが伝わるよう、全身全霊をもって丁寧に話すということを意味する慣用句です。こちらは自身の気持ち・感情をすべて乗せて真剣に話す様子を表現しており、「言葉を尽くす」とはニュアンスに違いがあります。こちらもニュアンスの違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「口を極めて」

「口を極めて」はありったけの言葉を使うという意味をもった慣用句です。「言葉を尽くす」と非常によく似た類義語となっていますが、こちらは特に人への称賛・罵倒を放つという場面で使われています。口を極めて褒める、口を極めて貶すなど、言葉を尽くすとは使用する状況に違いがありますね。

その4「筆を尽くす」

「筆を尽くす」は全力を傾けて文章を書くということを意味する慣用句です。全身全霊を込めて、文章を綴っていくという様子を表しており、こちらも「言葉を尽くす」と似た意味をもった言葉となっています。使われる場面は文章を書く場合のみとなっており、違いがあるため注意していきましょう。

「言葉を尽くす」の対義語は?

つづいて「言葉を尽くす」の対義語についても確認していきましょう。「言葉を尽くす」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「言葉少な」

「言葉少な」は控えめに、あまりたくさん言葉を使わずに話すことを意味する表現です。「言葉を尽くす」が自身が持っている最大限の言葉を使って、相手になにかを伝えようとするのに対して、こちらは言葉をあまり使わず話すことを意味しています。

「言葉少なに」といった形で使われることが多く、寡黙であまり多く喋らない様子を表現していますね。正反対の意味を表現している、こちらの表現もあわせて覚えておきましょう。

「言葉を尽くす」の英訳は?

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つづいて「言葉を尽くす」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「give one’s best shot」」を解説!/

「give one’s best shot」

「give one’s best shot」は精一杯の力をもって頑張る・最善を尽くすという意味をもった英フレーズです。できる限りの力をもって何か行動するということを表現することができ、「言葉を尽くす」と近い意味を表現できます。言葉の全てを使って、というニュアンスはないため、違いに注意が必要です。

「言葉を尽くす」を使いこなそう

この記事では「言葉を尽くす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「言葉を尽くす」は自身の持っている言葉すべてを使い果たすようにして話すという意味をもった慣用句でした。「言葉を尽くして説得する」、「言葉を尽くして説明する」など、話す行動を修飾する形で多く使われています。

また類義語には「言い尽くす」、「意を尽くす」、「口を極めて」、「筆を尽くす」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「言葉を尽くす」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「言葉を尽くす」について解説する。

端的に言えば言葉を尽くすの意味は「言葉を使い果たすように」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「言葉を尽くす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「言葉を尽くす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「言葉を尽くす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「言葉を尽くす」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「言葉を尽くす」の意味は?

「言葉を尽くす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.ありったけの言葉を使って、さまざまに言う。「―・して説得に当たる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言葉を尽くす」

「言葉を尽くす」とは自分の持っている限りの言葉を最大限に使って、相手になにかを伝えようとすることを意味する慣用句です。言葉を尽くして説得する、言葉を尽くして感謝の気持ちを示すなど、必死に自身の思いを相手に伝えようとする場面で使われている言葉となっています。

基本的には新聞・小説・マンガなど、文章中に登場することが多い言葉です。古い表現ですが、最近でも時折見かけることがあるため、この機会にしっかりと意味を捉えて、正しく使うことができるようにしていきましょう。

「言葉を尽くす」の語源は?

次に「言葉を尽くす」の語源を確認しておきましょう。言葉を尽くすは「言葉」と「尽くす」という二種類の単語を組み合わせて生まれました。「言葉」はことば、そのまま言語・語の意味を表しています。「尽くす」はあるだけのものをすべて使い果たしてしまうことを意味する単語です。

言葉を尽くすはこれら二種類の単語を組み合わせて、自身の持っている言葉すべてを使い果たすように必死で相手に伝えるという意味をもった慣用句となりました。語源から意味を解釈し、より深く「言葉を尽くす」の意味を理解していきましょう。

\次のページで「「言葉を尽くす」の使い方・例文」を解説!/

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