

端的に言えばペンは剣よりも強しの意味は「思想は武力よりも強い」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んだ。一緒に「ペンは剣よりも強し」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「ペンは剣よりも強し」の意味は?
「ペンは剣よりも強し」には、次のような意味があります。
思想や文学の力は武力よりも大きな力をもつ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「ペンは剣よりも強し」
「ペンは剣よりも強し」とは、“文字で書かれた思想や言論の力は、剣に代表される武器や武力よりも大きな力を持っている”ことを意味した言葉です。ここでの「武力よりも大きな力」とは、世間を動かす影響力のことを意味します。
文章の表現や思想と言うのは、きわめて早い時間で人々に広がるものです。独立した報道機関などの思考や言論、情報は、直接的な暴力よりも、ときに人々に大きく影響を与えます。このことを表現しているのが「ペンは剣よりも強し」という格言なのです。
「ペンは剣よりも強し」の語源は?
次に「ペンは剣よりも強し」の語源を確認しておきましょう。「ペンは剣よりも強し」とは、19世紀にイギリスの戯曲で生まれた言葉を日本語に訳したものです。
1839年に、イギリスの作家であるエドワード・ブルワー=リットンが歴史劇『リシュリューあるいは謀略(Richelieu; Or the Conspiracy)』を発表しました。この作中で主人公である、フランス王国の宰相リシュリューは、部下が自分の暗殺計画を立てていることを知ります。しかしリシュリューは宰相であり、カトリックの聖職者でもあるため、武器を持って対抗することはできません。そこでリシュリューは、部下の軍を動かさない命令を発するように、上位の立場である自分が許可証に署名をし、暗殺の動きを実質上封じようとしました。
この許可証に署名をする際にリシュリューが言ったのが「自分のペンによる許可証への署名は、どんな武器にも勝る」という台詞。これが「ペンは剣よりも強し」の由来です。
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