この記事では「意を受ける」について解説する。

端的に言えば意を受けるの意味は「指示に従う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「意を受ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「意を受ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「意を受ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「意を受ける」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「意を受ける」の意味は?

「意を受ける」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。

1.ある人の意向を聞いて、それに従うようにする。「当局の―・けて対処する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「意を受ける」

「意を受ける」は人の意向を聞き入れ、そのとおりに従って動くことを意味する慣用句です。主に上司・上官・先生など、自分よりも目上の人物の指示に従って動く時に多く使われています。単に「引き受ける」と表現するよりも、少し固いニュアンスをもっていますね。

また意を受ける対象としては当局・署・企業など、グループの方針どおりに動くという場合にも使われることがあります。こうした細かいニュアンスにも注意して、誤用しないように利用していきましょう。

「意を受ける」の語源は?

次に「意を受ける」の語源を確認しておきましょう。意を受けるは「意」と「受ける」の二種類の単語を組み合わせて生まれています。この場合の「意」は、気持ち・考えを表現した単語です。「受ける」は自分に向けられた行為・働きに応じる、という意味となっています。

意を受けるはこれら二つの単語を組み合わせて、人の気持ち・考えに応じて、そのとおりに動くという意味をもった慣用句となりました。語源から意味を捉えて、「意を受ける」をより深く理解し、正しく使うことができるようにしていきましょう。

\次のページで「「意を受ける」の使い方・例文」を解説!/

「意を受ける」の使い方・例文

「意を受ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のような場合に用いられます。例文から具体的に意味を捉えて、正しい方法で使うことができるようにしておきましょう。

1.社長の意を受け、今まで以上に営業に精を出す。
2.上官の意を受け、秘密裏に動く。
3.当局の意を受け、取り締まりを強化する。

「意を受ける」は例文のように、人の考え・意向を受けて、それに従って動くということを意味しています。社長・上官・お客様など、自分よりも目上の人物からの指示に従って動く。意を受けるはこうした場合に多く使われている言葉となっています。

また当局など、人以外のグループの意図に従うという場合にも使う点に注意しましょう。自分以外の誰かの意図に沿って、そのとおりに動くという、社会生活の中では多く見られる行動を指した言葉です。古い表現ですが、意を受けるは現在でもビジネスメール等で使用されています。

「意を受ける」の類義語は?違いは?

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続いて「意を受ける」の類義語・違いについて確認していきましょう。「意を受ける」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「意を受ける」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「引き受ける」

「引き受ける」は責任をもち、任された仕事・依頼を受け持つという意味をもった言葉です。こちらも他人の意向を聞き入れ、そのとおりに動くということで「意を受ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。引き受けるは「意を受ける」よりも、より一般的で日常的に使われている表現です。

\次のページで「その2「受命」」を解説!/

その2「受命」

「受命」は、命令を引き受けることを意味する単語です。上司・上官の意思を受け取り、その命令通りに動くということで「意を受ける」と似た意味をもった類義語となっています。「受命」は、命を引き受けることを意味する単語でもあり、かなり重たいニュアンスをもった単語です。

その3「受託する」

「受託する」は頼まれ引き受けること、委託を受けることを意味する単語です。こちらは「意を受ける」と少し違い、意見・意図ではなく、仕事など相手に頼まれたことを受け取ることを意味する言葉となっています。こうしたニュアンスの一部、違いに注意して正しく使い分けていきましょう。

その4「言付かる」

「言付かる」は伝言・物品の受け渡しなどを人から頼まれる、という意味をもった言葉です。こちらは人から依頼を受けているということを表現する言葉となっており、「意を受ける」と少し似た意味をもった類義語となっています。誰かから頼まれて来た、ということを人に伝える際に多く使われている単語です。

「意を受ける」の対義語は?

つづいて「意を受ける」の対義語についても確認していきましょう。「意を受ける」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「聞く耳を持たない」

「聞く耳を持たない」は相手の助言・意見を聞き入れるつもりがない、頑固で素直ではない様子を表す慣用句です。こちらは相手の意見を断固として聞き入れず、拒否するということで、「意を受ける」と反対の意味を表現することができます。こちらの慣用句もあわせて覚えておきましょう。

「意を受ける」の英訳は?

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つづいて「意を受ける」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「line up with one's intention」」を解説!/

「line up with one's intention」

「line up with one's intention」は自分、もしくは他人の意図に従い、そのとおりに動くという意味をもった英フレーズです。人の意向どおりに動くという意味であり、「意を受ける」の基礎的な意味を自然に表現することができます。こちらの英フレーズも、あわせて覚えておきましょう。

「意を受ける」を使いこなそう

この記事では「意を受ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「意を受ける」は人の意向・考えに従って動くという意味をもった慣用句でした。また実際に使う場合には、口語としてはほとんど使われておらず、主に文語として使われているという点に注意して使用していきましょう。

また類義語には「引き受ける」、「受命」、「受託する」、「言付かる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「意を受ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「意を受ける」について解説する。

端的に言えば意を受けるの意味は「指示に従う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「意を受ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「意を受ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「意を受ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「意を受ける」は分類としては日本の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「意を受ける」の意味は?

「意を受ける」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。

1.ある人の意向を聞いて、それに従うようにする。「当局の―・けて対処する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「意を受ける」

「意を受ける」は人の意向を聞き入れ、そのとおりに従って動くことを意味する慣用句です。主に上司・上官・先生など、自分よりも目上の人物の指示に従って動く時に多く使われています。単に「引き受ける」と表現するよりも、少し固いニュアンスをもっていますね。

また意を受ける対象としては当局・署・企業など、グループの方針どおりに動くという場合にも使われることがあります。こうした細かいニュアンスにも注意して、誤用しないように利用していきましょう。

「意を受ける」の語源は?

次に「意を受ける」の語源を確認しておきましょう。意を受けるは「意」と「受ける」の二種類の単語を組み合わせて生まれています。この場合の「意」は、気持ち・考えを表現した単語です。「受ける」は自分に向けられた行為・働きに応じる、という意味となっています。

意を受けるはこれら二つの単語を組み合わせて、人の気持ち・考えに応じて、そのとおりに動くという意味をもった慣用句となりました。語源から意味を捉えて、「意を受ける」をより深く理解し、正しく使うことができるようにしていきましょう。

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