この記事では「顔に出る」について解説する。

端的に言えば「顔に出る」の意味は「表情に現れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「顔に出る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「顔に出る」の意味をわかりやすく伝える。

「顔に出る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「顔に出る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「顔に出る」の意味は?

「顔に出る」には、次のような意味があります。

感情や気持ち、体調などが、自然に顔つきに現れる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「顔に出る

「顔に出る」は「かおにでる」と読み、感情の動きや体調が顔つきに現れた際に使用します。喜怒哀楽などの感情や気持ちといった心の動きだけでなく、疲れなどの体調にも幅広く使用できる言葉です。なおニュアンスとしては「自然に現れる」ですので、「無意識に」又は「隠そうとしても隠せない」といった意味合いを含んで使用されます。

「顔に出る」の語源は?

次に「顔に出る」の語源を確認しておきましょう。言葉の通り「顔」と「出る」がくっついた言葉ですが、「顔」はそのまま体の器官としての「顔(顔面)」又は「表情や顔つき」という意味ですね。では「出る」はというと、非常に多くの意味を有している言葉なのですが、ここでは「隠れていたもの、中に入っていたものなどが、表に現れる。現れて見えるようになる。姿を現す。」という意味で使用されています。

そのため「顔に出る」は丁寧に言い回すと、「顔つきに隠れていたものが現れる」となることが確認できました。人間が自らの中に隠せるものは「感情」や「体調」ですから、「感情や気持ち、体調などが、自然に顔つきに現れる。」といった意味となるわけですね。

「顔に出る」の使い方・例文

「顔に出る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「顔に出る」の類義語は?違いは?」を解説!/

1. 君は用語やことわざの解説をするとき、自信が顔に出ているよね。

2. 説明を受けたみんなの顔に出ていた不安が的中し、そのビジネスサービスはほとんど機能することなく終了した。

3. 夏休みは野球の練習を毎日やっているし、インスタグラムの更新もあるから忙しくて、なんだか疲れが顔に出たみたいだ。顔がたるんでいるもんな。

例文1からは、「顔に出る」は不安や疲れといったネガティブな要素だけでなく、自信などのポジティブな要素にも使用することができます。また例文2のように、「みんな」といった特定の人物に限らず抽象的に使用することも可能です。

このように「顔に出る」は、喜怒哀楽のようなわかりやすい表情の際にも使いますし、例文1や2のような「きっとそういう表情なんだろう」といった微妙な顔つきの時でも、また例文3の「通常よりも顔がたるんでいる」というような顔の状態の変化にも使用できることがわかります。

「顔に出る」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「顔に出る」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

1. 「表面化」

今回最初にご紹介する類義語が「表面化」(ひょうめんか)です。念のため意味を確認しておきましょう。

隠れていた物事が、おもてに現れること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「表面化

「表面化」は顔つきに関係なく、隠していた物事が現れたこと全般に使用する言葉です。また隠していることも「顔に出る」のような感情や気持ち、体調に加えて、情報なども含まれます。その意味で「顔に出る」よりも広い意味の言葉と言えるでしょう。

\次のページで「2. 「表沙汰」」を解説!/

2. 「表沙汰」

次の類義語が「表沙汰」(おもてざた)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 内密にしたいことが世間に知れ渡ること。表立つこと。

2. 公の機関によって取り扱われること。裁判ざた。おおやけざた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「表沙汰

「顔に出る」の類義語として近いのは1の意味ですね。ただし「顔に出る」と違って「表沙汰」は「世間」に現れるため、現れる範囲や影響力が違います。比較的近しい・狭い空間で隠していたことが現れるのが「顔に出る」で、抽象的な世間に・広い空間で現れるのが「表沙汰」と言えるでしょう。

3. 「表立つ」

今回ご紹介する最後の類義語が「表立つ」(おもてだつ)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 表面にはっきりと現れる。世間に広く知れる。

2. 正式なこととする。改まった形をとる。

3. 裁判ざたになる。表ざたになる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「表立つ

これも「顔に出る」の類義語としては1の意味となります。「表沙汰」にどちらかというと近く、現れる対象が「世間」の言葉ですね。

「顔に出る」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「無表情」」を解説!/

「無表情」

「顔に出る」のような慣用句での対義語は見当たらないのですが、反対の意味を有する言葉が「無表情」(むひょうじょう)です。「表情の変化にとぼしいこと。表情に表さないこと。また、そのさま」という意味ですから、意識・無意識に関わらず、表情の変化が少ないことを指す言葉です。

なお「無表情」の類義語として「ポーカーフェース」もありますね。こちらも覚えておくと良いでしょう。

「顔に出る」の英訳は?

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最後に、「顔に出る」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「shows on one's face」

「顔に出る」の英語表現はいろいろとありますが、最もわかりやすいのが「shows on one's face」です。直訳しても「顔に現れている」ですから、覚えやすいですよね。なお「show」の代わりに「see」「look」なども柔軟に使われます。以下に例文を見てみましょう。

・She's really not a fan of basil or herbs. It's showing completely on her face.

彼女はバジルやハーブが本当に苦手なのね。完全に顔に出ているもの。

・I can see on her face that she is enjoying her elementary school math class. He's always happy to do the number drills for review.

小学校の算数の授業が楽しいの、顔に出ているよ。復習の数字ドリルも、嬉々としてやっているもんね。

・You have a questionable look on your face. Please tell us your honest opinion.

疑問があるのが顔に出ていますが、いかがでしょうか。率直な感想をお聞かせください。

「顔に出る」を使いこなそう

この記事では「顔に出る」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。

「顔に出る」は感情の動きや体調が顔つきに現れた際に使用する言葉でした。ビジネスシーンでも恋愛でも、易々と感情や気持ちが「顔に出て」しまうと損をすることがありますから、時には「ポーカーフェース」が重要ですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「顔に出る」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

この記事では「顔に出る」について解説する。

端的に言えば「顔に出る」の意味は「表情に現れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「顔に出る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「顔に出る」の意味をわかりやすく伝える。

「顔に出る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「顔に出る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「顔に出る」の意味は?

「顔に出る」には、次のような意味があります。

感情や気持ち、体調などが、自然に顔つきに現れる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「顔に出る

「顔に出る」は「かおにでる」と読み、感情の動きや体調が顔つきに現れた際に使用します。喜怒哀楽などの感情や気持ちといった心の動きだけでなく、疲れなどの体調にも幅広く使用できる言葉です。なおニュアンスとしては「自然に現れる」ですので、「無意識に」又は「隠そうとしても隠せない」といった意味合いを含んで使用されます。

「顔に出る」の語源は?

次に「顔に出る」の語源を確認しておきましょう。言葉の通り「顔」と「出る」がくっついた言葉ですが、「顔」はそのまま体の器官としての「顔(顔面)」又は「表情や顔つき」という意味ですね。では「出る」はというと、非常に多くの意味を有している言葉なのですが、ここでは「隠れていたもの、中に入っていたものなどが、表に現れる。現れて見えるようになる。姿を現す。」という意味で使用されています。

そのため「顔に出る」は丁寧に言い回すと、「顔つきに隠れていたものが現れる」となることが確認できました。人間が自らの中に隠せるものは「感情」や「体調」ですから、「感情や気持ち、体調などが、自然に顔つきに現れる。」といった意味となるわけですね。

「顔に出る」の使い方・例文

「顔に出る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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