国語言葉の意味

【故事成語】「雲を遏む」の意味や使い方は?例文や類語を早稲田文学部卒Webライターが解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「雲を遏む」について解説する。

端的に言えば雲を遏むの意味は「優れた音楽や歌声のたとえ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

早稲田大学文学部で日本文学・日本語学を学んだぽん太を呼んだ。一緒に「雲を遏む」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ぽん太

早稲田大学文学部で日本語学と日本文学を学び、中高国語科の教員免許も取得している。これまで学んだ知識を生かして、難解な言葉をわかりやすく解説していく。

「雲を遏む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雲を遏む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。以下の意味で出典を表記していないものは『漢字源 改訂第五版』を参照しています。

「雲を遏む」の意味は?

「雲を遏む」には、次のような意味があります。

空行く雲を止めるほど、楽曲や歌声がすぐれていることを言う。

出典:コトバンク ー デジタル大辞泉(小学館)「雲を遏む」

「くもをとどむ」と読みます。

「空を流れ行く雲までもおしとどめる」がそのままの意味ですが、「雲をおしとどめるほどに楽曲や歌声が素晴らしいことのたとえ」として使われる言葉です。

元の言葉は「遏雲(あつうん)」と書き、「遏」には「とどめる、さえぎる、おしとどめる、おさえて防ぐ」という意味があります。「遏雲」は熟語として「遏雲の曲」のように用いられるので、ぜひ読み方と使い方を覚えておきましょう。

ちなみに、古語辞典では「とどむ(止む、留む、停む)」と記載されていて「遏」を使った例はありません。また現代国語例解辞典には「とどむ」という言葉自体が収録されていませんでした。そのため「遏」は漢文や故事成語でのみ使われる古いルーツの言葉と考えられます。

「雲を遏む」の語源は?

次に「雲を遏む」の語源を確認しておきましょう。

「雲を遏む」は『列子』湯問編に登場する「声は林木を振るはせ、響きは行雲を遏む」という一節が語源です。「林木を振るは(わ)せ」も「行雲を遏む」も、歌声などのすばらしさの比喩表現として用いられているのがわかりますね。

『列子』とは、中国の道家の思想家である列子が書いた書物です。しかし、生没年が不詳、他の思想家らとの関係性も不明、という謎が多い人物として知られています。

古代中国の書籍には、物事のすばらしさをたとえる表現が多く見られますが、「雲を遏む」もそうした表現のうちの一つだと考えられますね。

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