この記事では「橋渡し」について解説する。

端的に言えば橋渡しの意味は「仲立ちをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験したKAIKAIを呼んです。一緒に「橋渡し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「橋渡し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「橋渡し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「橋渡し」の意味は?

国語辞典を検索すると「橋渡し」には、次のような意味があります。

1.橋を架けること。
2.両者の間に入って、とりもつこと。また、その人。仲介。仲立ち。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「橋渡し」

「橋を渡す」は「橋をかけること」以外の意味では、「関係を取り持つ役割をする」という意味と、「両者がより近い関係になるための第三者」という意味と、「複数のものをつなぐことを役目としている人のこと」の意味があります。これらの意味で使われる類語として「仲立人」や「代理人」、「周旋人」、「仲介者」、「媒介者」、「代理者」などの言葉がありますね。

「橋渡し」の語源は?

次に「橋渡し」の語源を確認しておきましょう。

「橋渡し」とは、この世からあの世へと三途の川を無事に渡れるようにという意味で使われていました。「橋」と「箸」が同じ読み方であるので葬儀後の骨上げの際に2人1組になって、それぞれが長い竹の箸を持ち1つの骨をいっしょに拾い上げて骨壺に納めることを「箸渡し」と言うようになったのです。

\次のページで「「橋渡し」の使い方・例文」を解説!/

「橋渡し」の使い方・例文

「橋渡し」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.面識のない彼女と連絡をとりたいのであなたに橋渡しの支援をお願いしたい。
2.喧嘩別れとなっていた2人を彼女が橋渡し役となって仲直りをさせた。
3.今度のプロジェクトであなたは二つの組織の橋渡しとなって欲しい。

例文1は、間柄を取り持つ役目を果たして欲しいということです。恋のキューピットというわけですね。例文2 は両者がより近い関係になるための力のある第三者となって欲しいということです。仲介者というわけですね。例文3は、複数のものをつなぐ役割を果たして欲しいということです。いわゆるパイプ役というわけですね。

「橋渡し」の類義語は?違いは?

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「橋渡し」の類義語は何でしょうか。

その1「斡旋」

「斡旋」(あっせん)とは、「双方の間を取り持つこと」という意味です。ビジネスふそう用語で、例えば建設業などで仕事を請け負う場合、「斡旋してもらう」などと言います。労使間の紛争でも「斡旋を図る」という言葉が使われますね。「斡旋」は他の言葉とセットになって使われることが多いです。また、「斡旋会社」とは「就職を希望する人と企業の仲立ちをする会社」ですね。「この作業は人手不足なので、近所の人の中から代行者を斡旋してもらおう」などと言います。

\次のページで「その2「口利き」」を解説!/

その2「口利き」

「口利き」(くちきき)とは、「間に立って紹介や世話をすること」という意味です。同じような意味で法律用語では「斡旋」(あっせん)になります。「口利き」は話し言葉で使われることが多く、「斡旋」は書き言葉でつかわれることが多いようです。「彼は大学時代の恩師の口利きでうちの会社に就職することができたみたいだよ」などと言います。

その3「仲人」

「仲人」(なこうど)とは、「結婚式の仲立ちをする人」のことです。新郎と新婦の両家の間の取持ち人の立場にある人のことになります。古事記や日本書記に記載されている「仲立ち」が語源と言われているのです。「媒酌人」と混同されることがありますが、「媒酌人」はあくまでも結婚式の立会人であり、結婚式当日だけの役目になります。「仲人」は、縁談から結婚式まで一貫してでサポートしてくれる人なのです。

「あの人以外に仲人の代行者となる人はいない」などと言いますね。

「橋渡し」の対義語は?

「橋渡し」の対義語は何でしょうか。

その1「陥れる」

「陥れる」(おとしいれる)とは、「悪意を持った策略を用いて人を窮地に追い込むこと」です。「他人を故意にだましてよくない方向に追い込む」、つまり「相手に対して行動を起こす」ことを意味しています。もともとは「落として、中に入れる」という意味でしたが、「落」が変化して「陥」になったのです。「純粋な人を陥れるようなことはやってはいけない」などと言います。「彼は職場で同僚を陥れらるようなマナー違反をした」などと言いますね。

その2「貶める」

「貶める」(おとしめる)とは、「人の評価を下げるために相手の悪評を広める」という意味です。一言で言うと「悪口を言う」ことになります。「貶」とは「人の悪口を言う」という意味です。自分よりも相手が劣っていると馬鹿にしたり、相手をなり下がらせるという意味合いが強い言葉ですが、「陥れる」のように相手に対して行動を起こすことはありません。

自分に対して使われることはほとんどありません。「うちの部長はライバル企業の営業担当者を貶めようとしている」などと言います。

「橋渡し」の英訳は?

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「橋渡し」の英訳は何でしょうか。

\次のページで「「bridge-building」」を解説!/

「bridge-building」

「橋渡し」は英語では「bridge-building」です。その他、「bridging」とか「interface」とも言います。「mediary橋渡しの役割をする」という意味では「act asa bridge」あるいは「serveas a bridge」とか「function asa bridge」です。さらに、「橋渡しをする」という意味では「serve as an intermediary」とか「work as a bridge」と言います。

「橋渡し」を使いこなそう

この記事では「橋渡し」の意味・使い方・類語などを説明しました。

日常生活でもビジネスの世界でも人間関係において「橋渡し」は重要な役割があります。人間関係の場合は「橋渡し」をする両者双方のことよく理解しており、かつ、両者双方ともに公平な利害関係を持ち、かつ、両者双方から信頼がある人でなければなりません。「橋渡し」をする人はそれなりに資質が求められるのです。

例えば、結婚の「橋渡し」をする取持ち役の「仲人」は3回やったら本望だなどと言いわれます。いろんな人から「橋渡し」を相談されたり依頼されたりするようになるといいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「橋渡し」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「橋渡し」について解説する。

端的に言えば橋渡しの意味は「仲立ちをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験したKAIKAIを呼んです。一緒に「橋渡し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「橋渡し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「橋渡し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「橋渡し」の意味は?

国語辞典を検索すると「橋渡し」には、次のような意味があります。

1.橋を架けること。
2.両者の間に入って、とりもつこと。また、その人。仲介。仲立ち。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「橋渡し」

「橋を渡す」は「橋をかけること」以外の意味では、「関係を取り持つ役割をする」という意味と、「両者がより近い関係になるための第三者」という意味と、「複数のものをつなぐことを役目としている人のこと」の意味があります。これらの意味で使われる類語として「仲立人」や「代理人」、「周旋人」、「仲介者」、「媒介者」、「代理者」などの言葉がありますね。

「橋渡し」の語源は?

次に「橋渡し」の語源を確認しておきましょう。

「橋渡し」とは、この世からあの世へと三途の川を無事に渡れるようにという意味で使われていました。「橋」と「箸」が同じ読み方であるので葬儀後の骨上げの際に2人1組になって、それぞれが長い竹の箸を持ち1つの骨をいっしょに拾い上げて骨壺に納めることを「箸渡し」と言うようになったのです。

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