この記事では「牛に経文」について解説する。

端的に言えば「牛に経文」の意味は「いくら説き聞かせても効き目のないことのたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「牛に経文」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「牛に経文」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「牛に経文」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「牛に経文」の意味は?

「牛に経文」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.いくら説き聞かせても効き目のないことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「牛に経文」

あなたは動物は好きでしょうか。日本語には、動物が登場することわざや慣用句が数多く存在します。今回は「牛」にまつわる表現を1つご紹介しましょう。「牛に経文」とは、「いくら言い聞かせても何の効果もないさまや効き目の無いこと」の意。読み方は「うしにきょうもん」です。

「一生懸命、相手に説明しても意味のない場面」や「どんなに丁寧に分かりやすく説明しても効果がない様子」を示す時に使うことわざ。誰かに何かを伝える際には相手の理解力や語彙力などを考慮して伝えようとしないと、まったく相手の心に届かないことを教えてくれることわざでしょう。

「牛に経文」の語源は?

次に「牛に経文」の語源を確認しておきましょう。「牛に経文」の「経文」とは、「お経」の意。「牛」は「動物の牛」ですね。牛にお経を聞かせて詳しく説明しても難しすぎて理解できずありがたいと思うことはないでしょう。この牛の様子から派生して、「牛に経文」「効果がないこと・無駄なこと」を示すようになったと考えられています。仏教を信仰する人たちにとって大切な教えも牛にとってはとても難しく、ただただ退屈なものであることが伝わってきますね。言葉の意味とセットで由来も頭に入れておきましょう。

\次のページで「「牛に経文」の使い方・例文」を解説!/

「牛に経文」の使い方・例文

「牛に経文」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.上司は彼にアドバイスをしたが、牛に経文だったようだ。彼は頑固で考えを変えることはなかった。
2.大好きな歌手のインタービューが放送されており、彼は夢中になって見ている。今、彼に何を言っても牛に経文だ。
3.今日の先生の講義はとても勉強になる素晴らしい内容だった。しかし、彼女にとっては退屈で牛に経文だったようだ。

例文から「牛に経文」の使い方を学びましょう。例文1は「ビジネスシーン」です。「上司は後輩にアドバイスをしたが何の効果もなかった様子」を示していますよ。例文2は「日常生活」です。「彼は大好きな歌手のインタビューに周囲が見えないほど夢中になっており何を言っても無駄な状況」を言い表していますよ。

例文3は「学校」です。「彼にとって先生の講義は価値のあるものだったが、彼女にとってはあまり意味のないものだった場面」を表しています。例文1~3が示すように「何を言っても無駄な様子・効き目のないこと」を表すことに最適なことわざ。様々な場面で活用してみましょう。

「牛に経文」の類義語は?違いは?

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「牛に経文」の類義語はとてもたくさんの表現が考えられます。今回は誰もが聞いたことのある有名なことわざを1つご紹介しましょう。

「馬の耳に念仏」

「牛に経文」の類義語には「馬の耳に念仏」が考えられるでしょう。「馬の耳に念仏」とは、「馬にありがたい念仏を聞かせても意味がないことから、意見をしても何の効果のないさま」の意。四字熟語では「馬耳東風」と表現します。「馬に重要な念仏を説いてもありがたさを理解することはできない様子」から派生して「馬の耳に念仏」=「人の意見や忠告に耳を貸さず、何を言っても全く効果が無いさま」を意味するようになったと考えられていますよ。

「牛に経文」と語源が似ていますね。「馬の耳に念仏」は「念仏のありがたさが理解できないほど愚かな人」というような「皮肉な意味」が含まれていることがポイント。このため、目上の人に使うことはほとんどないでしょう。ポイントをしっかりとおさえて、正しい意味と使い方をマスターして下さいね。

\次のページで「「牛に経文」の対義語は?」を解説!/

「牛に経文」の対義語は?

「牛に経文」の対義語はありません。

「牛に経文」の英訳は?

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「牛に経文」はどのように英語訳するのでしょうか。キーワードとなる英単語を一緒にチェックしましょう。

「To talk to the wind.」

「牛に経文」は英語で「To talk to the wind.」と翻訳できるでしょう。「To talk to the wind」の「talk」は「話す」の意。「wind」は「風」を示しています。直訳すると「風に向かって話す」となり、「牛に経文」を示す英語のことわざであると考えられていますよ。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「生徒に説教をしても効果が全くなかった様子」を示しています。「preach」は「説教をする」の意。「It seemed like」は「~のようだ・~みたいな・~な気がする」を意味する重要なイディオムです。例文2は「彼女は本に夢中になっているため何を言っても意味がない場面」を表しています。「get engrossed in」は「~に夢中になっている」の意。英語のことわざを覚えて幅広い知識を身につけましょう。

1. It seemed like that  I was talking to the wind while preaching to my student.
(生徒に説教している間は、まるで牛に経文だった。)

2. She gets engrossed in books. So, she talks to the wind.
(彼女は本に夢中になっている。だから、牛に経文だ。)

「牛に経文」を使いこなそう

この記事では「牛に経文」の意味・使い方・類語などを説明しました。日本語には「牛に経文」のように、「牛」が使われていることわざや慣用句がたくさんあります。人間にとって「牛」は古くより家畜として日常生活を共にすることが多かったため、とても身近な動物と考えられていました。また、大きな風貌から何事にも動じないずっしりと構えているというポジティブなイメージを持つ動物とも考えられています。このため、「牛」にまつわることわざや慣用句、故事成語が多いのかもしれませんね。これを機会にいろいろな動物が含まれている表現を探してみましょう。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「牛に経文」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「牛に経文」について解説する。

端的に言えば「牛に経文」の意味は「いくら説き聞かせても効き目のないことのたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「牛に経文」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「牛に経文」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「牛に経文」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「牛に経文」の意味は?

「牛に経文」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.いくら説き聞かせても効き目のないことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「牛に経文」

あなたは動物は好きでしょうか。日本語には、動物が登場することわざや慣用句が数多く存在します。今回は「牛」にまつわる表現を1つご紹介しましょう。「牛に経文」とは、「いくら言い聞かせても何の効果もないさまや効き目の無いこと」の意。読み方は「うしにきょうもん」です。

「一生懸命、相手に説明しても意味のない場面」や「どんなに丁寧に分かりやすく説明しても効果がない様子」を示す時に使うことわざ。誰かに何かを伝える際には相手の理解力や語彙力などを考慮して伝えようとしないと、まったく相手の心に届かないことを教えてくれることわざでしょう。

「牛に経文」の語源は?

次に「牛に経文」の語源を確認しておきましょう。「牛に経文」の「経文」とは、「お経」の意。「牛」は「動物の牛」ですね。牛にお経を聞かせて詳しく説明しても難しすぎて理解できずありがたいと思うことはないでしょう。この牛の様子から派生して、「牛に経文」「効果がないこと・無駄なこと」を示すようになったと考えられています。仏教を信仰する人たちにとって大切な教えも牛にとってはとても難しく、ただただ退屈なものであることが伝わってきますね。言葉の意味とセットで由来も頭に入れておきましょう。

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