この記事では 「花開く」について解説する。

端的に言えば、花開くの意味は文字通り「花が咲く」ですが、ほかにも「盛んになる」「成果が現れる」など花以外のことを表現する使い方がある。意味やニュアンスを理解しておくと、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「花開く」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。 

「花開く」の意味・例文と使い方

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「花開く」には、どんな意味があるのでしょう。花が咲くという意味のほかにも、意外とたくさんの使い方がありますよ。まず辞書で意味を調べて、例文で使い方を見てみましょう。

「花開く」の意味

ではまず「花開く」を辞書でチェックしてみましょう。

1 花がさく。「梅が—・く」
2 物事が盛んになる。成果が表れる。開花する。「才能が—・く」

出典:デジタル大辞泉「花開く」

文字通り「花が咲く」という意味以外に、「物事が盛んになる」「成果が表れる」「(才能などが)開花する」という意味合いがあります。なぜ、もともとの意味以外でも使われるようになったのでしょうか。少し長くなりますが、辞書で「花」もチェックしてみましょう。

1 種子植物の有性生殖を行う器官。葉から変形した萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべおよび花軸からなる。この要素の有無により完全花と不完全花に、雄しべ・雌しべの有無により両性花と単性花に分けられる。受精して実を結び、種子を生じる。「—がほころぶ」「—がしぼむ」
2 花をもつ植物。また、美の代表としてこれをいう語。「—を植える」「蝶よ—よと育てる」
3 桜の花。すべての花を代表する意で、平安時代後期に定着した言い方。「—の宵(よい)」「—散らす風の宿りは誰か知る我にて教へよ行き恨みむ」〈古今・春下〉
4 2のうち、神仏に供えるもの。枝葉だけの場合もある。「手向(たむ)けの—」
5 造花。また、散華(さんげ)に用いる紙製の蓮の花びら。
6 生け花。また、華道。「お—の師匠」
7 花が咲くこと。また、その時期。多く、桜についていう。「—の便り」「—曇り」
8 見かけを1にたとえていう語。「氷の—」「波の—」
9 1の特徴になぞらえていう語。
㋐華やかできらびやかなもの。「社交界の—」
㋑中でも特に代表的で華やかなもの。「火事と喧嘩(けんか)は江戸の—」「大会の—ともいうべき種目」
㋒《華やかで目立つところから》功名。誉れ。「後輩に—を譲る」
㋓最もよい時期。また、盛んな事柄や、その時節。「独身時代が—だった」「今が—の俳優」
㋔実質を伴わず、体裁ばかりよいこと。また、そのもの。「—多ければ実少なし」

出典:デジタル大辞泉「花開く」より抜粋

引用の9のところに「花」の特徴になぞらえていう語という項目があり、「華やかできらびやかなもの」「誉れ」「最もよい時期」「盛んな事柄」などの意味があることがわかります。だから「花開く」は「物事が盛んになる」「成果が表れる」「(才能などが)開花する」という意味で使われるようになったのですね。今回抜粋した以外にも、まだ「花」にはたくさんの意味がありますよ。

「花開く」の例文・使い方

次に「花開く」の例文で使い方を見てみましょう。

\次のページで「ことわざ:「枯木に花開く」」を解説!/

1.3月下旬に晴天の暖かい日が続き、平年より3日早く桜が一斉に花開いた。
2.紀元前3000年頃、ナイル川が毎年氾濫して土砂が堆積し、農耕やかんがいができるようになったことからエジプト文明が花開いた。
3.別のコーチに師事するようになってから、彼女のフィギュアスケートの才能は急速に花開き、国際大会でも上位に入賞するようになった。

最初の例文は、文字通り「花が咲く」という意味です。すべての花を代表する意味合いで、桜の花のことを「花」と表現することもありますよ。2.の例文は「物事が盛んになる」という意味で使われていますね。3.は「成果が現れる」という意味で使われています。「花開く」は「文明」「文化」「才能」といった言葉と一緒に使われることが多いですね。

ことわざ:「枯木に花開く」

「花開く」を使ったことわざに「枯木に花開く」(こぼくにはなひらく)があります。意味は、老人、または逆境にある人が、ふたたび世に出ること。またあり得ないようなことが実現することのたとえです。「枯れ木に花」「枯木栄を発す」(こぼくえいをはっす)とも言います。

「花開く」の類義語

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次に「花開く」の類義語を見てみましょう。

「開花」:花開く

「開花」は文字通り「花が開く」「花が咲く」という意味ですが、それ以外に「文明が開化する」「才能が開花する」など、「花開く」と同じように「物事が盛んになる」「成果が現れる」の意味でも使われます。

「綻びる」:花のつぼみが開きかける

「綻びる」は「ほころびる」と読みます。もとは「縫い目がほどける」という意味でしたが、「花のつぼみが開きかける」「花が咲きかける」の意味で使われるようになりました。他には「口元がゆるんで表情が和らぐ」という意味もありますよ。

「結実」「実を結ぶ」など:成果が現れる

「結実」「実を結ぶ」には、「植物の実がなる」という意味以外に「成果が現れる」「努力の結果が現れる」という意味があります。「長年の苦労がついに実を結んだ」というように使っていますね。ほかには「収穫を得る」「果実を得る」という表現もあります。

\次のページで「「花開く」の英訳は?」を解説!/

「花開く」の英訳は?

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次に「花開く」の英訳を見てみましょう。

「blossom」

The cherry trees are in full blossom.
桜が満開です。

「blossomは名詞では「花」「開花」ですが主に果樹の花を指しています。「apple blossoms」は「リンゴの花」、「come into blossom」で「花が咲き出す」という意味です。動詞では「開花する」という意味のほかに「発展する」「栄える」「活気づく」の意味もあります。

「bloom」

She is in the bloom of youth.
彼女は若い盛りです。

「bloomは名詞としては「花」「開花」「開花期」のほかに「青春」「果粉(果実の表面に生じる白粉)」の意味もあります。また、動詞では「開花する」のほかに「美しく育つ」「時めく」「栄える」などの意味がありますよ。「now in bloom」は「今が盛り」ですね。

\次のページで「「flower」」を解説!/

「flower」

Youth is the flower of life.
若いうちが花。

「blossom」は主に果樹の花を指しますが、flowerはすべての花を指しています。「花」「開花の状態」だけでなく、人生での花のような時期、つまり「青春」という意味もありますよ。また動詞としては「花が咲く」と「栄える」という意味があります。

「flourish」

Children will flourish even without parents.
親はなくとも子は育つ。

「flourish「草木が生い茂る」のほかに「栄える」「繁栄する」「隆盛を極める」「活躍する」「成功する」などの意味があります。日本語にも英語にも「花開く」に「繁栄する」「活躍する」など同じような意味があるのは興味深いですね。

「花」以外の使い方も覚えて「花開く」を使いこなそう!

この記事では、 「花開く」についての意味、類義語から英訳などを説明しました。

文字通り「花が咲く」という意味以外に、「物事が盛んになる」「成果が表れる」「(才能などが)開花する」という意味合いがあります。英語ではblossom」「bloom」「flowerは、名詞では「花」ですが、動詞としては「花開く」「栄える」などの意味がありますね。

花が咲くだけでなく、「青春が花開く」「才能が花開く」などのニュアンスと使い方を覚えて、「花開く」を使いこなせるようになってくださいね。

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青春も才能も!「花開く」の意味・例文・類義語などを日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

この記事では 「花開く」について解説する。

端的に言えば、花開くの意味は文字通り「花が咲く」ですが、ほかにも「盛んになる」「成果が現れる」など花以外のことを表現する使い方がある。意味やニュアンスを理解しておくと、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「花開く」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。 

「花開く」の意味・例文と使い方

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「花開く」には、どんな意味があるのでしょう。花が咲くという意味のほかにも、意外とたくさんの使い方がありますよ。まず辞書で意味を調べて、例文で使い方を見てみましょう。

「花開く」の意味

ではまず「花開く」を辞書でチェックしてみましょう。

1 花がさく。「梅が—・く」
2 物事が盛んになる。成果が表れる。開花する。「才能が—・く」

出典:デジタル大辞泉「花開く」

文字通り「花が咲く」という意味以外に、「物事が盛んになる」「成果が表れる」「(才能などが)開花する」という意味合いがあります。なぜ、もともとの意味以外でも使われるようになったのでしょうか。少し長くなりますが、辞書で「花」もチェックしてみましょう。

1 種子植物の有性生殖を行う器官。葉から変形した萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべおよび花軸からなる。この要素の有無により完全花と不完全花に、雄しべ・雌しべの有無により両性花と単性花に分けられる。受精して実を結び、種子を生じる。「—がほころぶ」「—がしぼむ」
2 花をもつ植物。また、美の代表としてこれをいう語。「—を植える」「蝶よ—よと育てる」
3 桜の花。すべての花を代表する意で、平安時代後期に定着した言い方。「—の宵(よい)」「—散らす風の宿りは誰か知る我にて教へよ行き恨みむ」〈古今・春下〉
4 2のうち、神仏に供えるもの。枝葉だけの場合もある。「手向(たむ)けの—」
5 造花。また、散華(さんげ)に用いる紙製の蓮の花びら。
6 生け花。また、華道。「お—の師匠」
7 花が咲くこと。また、その時期。多く、桜についていう。「—の便り」「—曇り」
8 見かけを1にたとえていう語。「氷の—」「波の—」
9 1の特徴になぞらえていう語。
㋐華やかできらびやかなもの。「社交界の—」
㋑中でも特に代表的で華やかなもの。「火事と喧嘩(けんか)は江戸の—」「大会の—ともいうべき種目」
㋒《華やかで目立つところから》功名。誉れ。「後輩に—を譲る」
㋓最もよい時期。また、盛んな事柄や、その時節。「独身時代が—だった」「今が—の俳優」
㋔実質を伴わず、体裁ばかりよいこと。また、そのもの。「—多ければ実少なし」

出典:デジタル大辞泉「花開く」より抜粋

引用の9のところに「花」の特徴になぞらえていう語という項目があり、「華やかできらびやかなもの」「誉れ」「最もよい時期」「盛んな事柄」などの意味があることがわかります。だから「花開く」は「物事が盛んになる」「成果が表れる」「(才能などが)開花する」という意味で使われるようになったのですね。今回抜粋した以外にも、まだ「花」にはたくさんの意味がありますよ。

「花開く」の例文・使い方

次に「花開く」の例文で使い方を見てみましょう。

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