
1.あの泥棒は警察に身元が割れているのにまだマスクを外そうとしない。まるで暗闇の頰冠だ。
2.暗闇の頰冠のような無益なことをしてもしょうがないぞ。
3.君が今やっていることは暗闇の頰冠のようなものだ。それは何の役にも立たないんだよ。
「暗闇の頰冠」を使った例文は、国語辞典に記載されておらず、ウェブ検索でも見つけられませんでした。そのため、この例文は完全オリジナルで、正しい用例である根拠が少ないことをご了承ください。
無益なことのたとえとして使われることわざなので、「まるで〜だ」「〜のような(こと)」で例文を作りました。「暗闇の頰冠」は、暗闇でさらに頰冠をして顔を隠すという語源からもわかるように、無駄なことをもう一度繰り返している様子を表しています。それぞれの例文にもそのニュアンスを含めているので、参考にしてみてください。
その1「屋上屋を架す」
読み方は「おくじょうおくをかす」です。
これも「余計なことを重ねてするたとえ」として使われます。屋上の上にもう一つ屋根をかけるような無用なことをする意味から生まれました。『顔氏家訓』などに登場する故事成語で、現代でも使われています。他にも「屋上屋を重ねる」「屋下に屋を架す」と表現されることもあるので覚えておきましょう。
「無駄なことを重ねて行う」という意味の「屋上屋を架す」は、「暗闇の頰冠」と同義語だと言えますね。
その2「網の目に風たまらず」
意味は「網を張っても風を防ぐことはできない。むだなことのたとえ。」です。
読んで字のごとく、そのままの意味ですね。風の強い日に網戸で風を防ごうとしてもできないことは容易に想像できます。
「暗闇の頰冠」「屋上屋を架す」は「無駄なことを重ねて行うことのたとえ」でしたが、「網の目に風たまらず」に重ねて行うの意はありません。シンプルに「無駄なことのたとえ」として使いましょう。
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