この記事では「眼鏡が狂う」について解説する。

端的に言えば眼鏡が狂うの意味は「評価を誤ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「眼鏡が狂う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「眼鏡が狂う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「眼鏡が狂う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「眼鏡が狂う」の意味は?

「眼鏡が狂う」には、次のような意味があります。

眼鏡(めがね)が狂(くる)・う
物や人物を見て評価を誤る。眼識が狂う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「眼鏡が狂う」

物事や人物の評価を誤ってしまうこと」という意味の慣用句です。この場合の「眼鏡」は特別な意味で「よしあしを見分ける見識」を指す「眼識(がんしき)」と言い換えることができます。

「眼鏡が狂う」の語源は?

次に「眼鏡が狂う」の語源を確認しておきましょう。

「眼鏡」には、視力を調節するための道具としての意味だけでなく、そこから転じた「物を見て、その善悪や可否を考え定めること」「目利き」という意味があります。そのため「眼鏡が狂う」となると「目利きが狂う」つまり「評価を誤る」といった意味を持つ慣用句となるわけです。

慣用句で使われる「眼鏡」は基本的にこの意味で使われることがほとんどですので、この機会にぜひ理解しておきましょう。

\次のページで「「眼鏡が狂う」の使い方・例文」を解説!/

「眼鏡が狂う」の使い方・例文

「眼鏡が狂う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.目利きの彼だが、あの日は眼鏡が狂って偽物の美術品を買取ってしまったそうだ。
2.ビジネスにおいてもスポーツにおいても、マネージャーの眼鏡が狂うと危ない。
3.新しく採用された新人は遅刻が多すぎる。彼を選んだ会長は眼鏡が狂ったに違いない。

物や人物を見て評価を誤る」という意味のため、「いいと判断したものが実は悪かった」またはその逆で「悪いと思っているものが実はよかった」といった場合に使われます。

ただし「狂う」という言葉が用いられているので、言われて嬉しい人はあまりいないかもしれません。使う場面や相手には十分注意するようにしましょう。

「眼鏡が狂う」の類義語は?違いは?

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次に「眼鏡が狂う」の類義語について解説していきます。

その1「眼鏡違い」

「眼鏡が狂う」と同じように「眼鏡」という言葉を使った表現です。「人物や物事の評価・判断を誤ること」を指し、「眼鏡が狂う」の類義語として挙げられます。

特徴的なのは「眼鏡違い」は、多くの場合「優れていると思っていたのが実はそうではなかった」という場合に使われるという点です。例えば「本物だと思って購入したが、とんだ眼鏡違いだった」といった形で使われます。この特徴はしっかり覚えておきましょう。

\次のページで「その2「顎が食い違う」」を解説!/

その2「顎が食い違う」

「眼鏡」ではなく「」という言葉を使った表現です。「顎を食い違える」とも言い、「見込みがちがう」「あてがはずれる」といった意味で、「眼鏡が狂う」と同じような意味の類義語として使うことができます。

「顎」は上顎と下顎がかみあうことがと当たり前ですよね。おそらく、それが「食い違う」ということは「見込みとちがう」「あてが外れる」のと同じであることから、こうした意味が生まれたと考えられます。「眼鏡が狂う」とセットでぜひ知っておいてほしい表現です。

「眼鏡が狂う」の対義語は?

「眼鏡が狂う」は対義語の定義が難しい寛容表現になっています。対義語を紹介する代わりに「眼鏡」という言葉を使った慣用句について解説していきますので、ぜひ続きをチェックしてみてください。

「眼鏡」を使ったその他の表現

「眼鏡」という表現が使われている慣用句は「眼鏡が狂う」の他にも存在しています。重要なものも多いので、この機会に知っておきましょう。

その1「眼鏡にかなう」

「上司の御眼鏡(おめがね)にかなう」といった形で聞いたことがあるかもしれません。これは「目上の人に認められ、気に入られること」を指す言葉です。この場合の「眼鏡」も「眼鏡が狂う」と同じように「見識」「目利き」を表しています。「目上の立場の人や、えらい人の目利きにふさわしい人物として選ばれる」ということですね。

ポイントは「目上の人に」と言う点になります。それ以外の場合は基本的に使うことができないので、注意しましょう。

その2「色眼鏡」

色付きガラスを用いた眼鏡のことを「色眼鏡」と言いますが、そこから転じて「先入観や感情に支配された見方」を指す言葉としても用いられます。

普段見えているものの見え方に対し、色眼鏡をかければ別の見え方が映るようになりますよね。色眼鏡をかけた状態のときに目に写る「」が先入観や自分の感情だと思ってください。「自分の色眼鏡で他人を見るな」と言われれば、「自分の先入観を押し付けるな」ということになりますし、「その色眼鏡を外して判断しろ」と言われれば、「先入観を捨てろ」という意味になるというわけです。

この「色眼鏡」という言葉は特に評論文などでも目にする機会が多い表現になります。

「眼鏡が狂う」の英訳は?

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最後に「眼鏡が狂う」の英語表現について考えていきましょう。

\次のページで「眼鏡が狂うは英語で「make a misjudgment」」を解説!/

眼鏡が狂うは英語で「make a misjudgment」

眼鏡が狂う」や類義語の「眼鏡違い」を英訳する場合は「判断を誤る」という意味から英語に訳すことを考えましょう。

misjudgment」は「判断を誤ること」を指す名詞で、「make」とセットにすることで、「判断をあやまってしまう」といった意味になります。また、「misjudge」という動詞としても使うことができるので、文脈によって使い分けるといいでしょう。

以下に例文を用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。

He made a misjudgment that he bought fake art object.
彼は眼鏡が狂ったのか、偽物の美術品を購入してしまった。

You must think it over carefully not to make a misjudgment.
眼鏡が狂わないように、君はしっかり熟考する必要があるぞ。

「眼鏡が狂う」を使いこなそう

この記事では「眼鏡が狂う」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「眼鏡」はかけると見え方が変わることから、人の価値観に関わるような意味として使われていることが多いです。評論文などでもよく登場する表現でもあるので、この機会に覚えておいて決して損はありません。今回の記事を読んでしっかりと理解していただけたら幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「眼鏡が狂う」の意味や使い方は?例文や類語を元国語科教員ライターがわかりやすく解説!

この記事では「眼鏡が狂う」について解説する。

端的に言えば眼鏡が狂うの意味は「評価を誤ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「眼鏡が狂う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「眼鏡が狂う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「眼鏡が狂う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「眼鏡が狂う」の意味は?

「眼鏡が狂う」には、次のような意味があります。

眼鏡(めがね)が狂(くる)・う
物や人物を見て評価を誤る。眼識が狂う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「眼鏡が狂う」

物事や人物の評価を誤ってしまうこと」という意味の慣用句です。この場合の「眼鏡」は特別な意味で「よしあしを見分ける見識」を指す「眼識(がんしき)」と言い換えることができます。

「眼鏡が狂う」の語源は?

次に「眼鏡が狂う」の語源を確認しておきましょう。

「眼鏡」には、視力を調節するための道具としての意味だけでなく、そこから転じた「物を見て、その善悪や可否を考え定めること」「目利き」という意味があります。そのため「眼鏡が狂う」となると「目利きが狂う」つまり「評価を誤る」といった意味を持つ慣用句となるわけです。

慣用句で使われる「眼鏡」は基本的にこの意味で使われることがほとんどですので、この機会にぜひ理解しておきましょう。

\次のページで「「眼鏡が狂う」の使い方・例文」を解説!/

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