この記事では「下駄を履くまでわからない」について解説する。

端的に言えば下駄を履くまでわからないの意味は「最後の最後までわからない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「下駄を履くまでわからない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「下駄を履くまでわからない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「下駄を履くまでわからない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下駄を履くまで」の意味は?

「下駄を履くまでわからない」の形では辞書に掲載されていません。「下駄を履くまで」の形で掲載されているので、まずはこちらを確認してみましょう。

「下駄を履くまで」には、次のような意味が国語辞典で紹介されています。

最後の最後まで。物事が終わるまで。「勝ち負けは―わからない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「下駄(げた)を履くまで」

下駄を履くまでわからない」は「最後の最後までどうなるかわからない」という意味のことわざです。スポーツなどの勝負事で主に使用されます。

この「下駄」は記事の最初の写真のような日本の伝統的な履物のことです。着物を着た時に履いたことがある人もいるかもしれませんね。

「下駄を履くまでわからない」の語源は?

次に「下駄を履くまでわからない」の語源を確認しておきましょう。

「下駄を履く」には古語では2つの意味があります。1つ目は「人のお金で買い物をする時、買ったものの値段を高く偽って差額をだまし取る」、2つ目は「物事が無事終わり、帰る支度をする」という意味です。この2番目の意味が派生し、江戸時代ごろに誕生したのが「下駄を履くまでわからない」ということわざだと考えられています。

\次のページで「「下駄を履くまでわからない」の使い方・例文」を解説!/

「下駄を履くまでわからない」の使い方・例文

「下駄を履くまでわからない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.下駄を履くまでわからないのがサッカーだ。みんな、油断するな!
2.受験は下駄を履くまでわからないからね。どんなに難しい問題ばかりでも、最後まで諦めちゃだめだよ。
3.「野球は下駄を履くまでわからない」というが、9回裏2アウトからの逆転サヨナラ満塁ホームランなんて誰が予想しただろうか。

例文1では、「最後の最後まで結果がどうなるかわからないのがサッカーだ」という意味で「下駄を履くまでわからない」が使用されています。試合時間の最後の最後で同点に追いついたり、逆転したりということは、サッカーを含め多くのスポーツでありますからね。たとえ勝っていても油断は禁物です。

例文2では、「受験は結果が出るまでどうなるか分からない」という意味で「下駄を履くまでわからない」が使用されています。難しい問題ばかりで気が折れそうになっても、周囲も同様に苦戦しているかもせ入れません。最後まで諦めてはいけませんよ!

例文3では、「野球は最後のアウトを取るまでどうなるかわからない」という意味で「下駄を履くまでわからない」が使用されています。いくら最後までわからないといっても、9回裏2アウトからの逆転サヨナラ満塁ホームランは、まず有り得ないですよね。

「下駄を履くまでわからない」の類義語は?違いは?

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「下駄を履くまでわからない」の類義語は、「棺桶に入るまでわからない」です。意味や違いなどを確認していきましょう。

「棺桶に入るまでわからない」

棺桶に入るまでわからない」は、「自分の人生がどうなっていくのか、死ぬまでわかることはない」という意味のことわざです。「最後の最後までどうなるかわからない」という意味の「下駄を履くまでわからない」とは、意味に共通している部分がありますね。

「棺桶に入るまでわからない」と「下駄を履くまでわからない」の違いは、「棺桶に入るまでわからない」は人の人生のことについて使用されるのに対し、「下駄を履くまでわからない」は主に勝負事に使用される点です。

例文を確認していきましょう。

\次のページで「「下駄を履くまでわからない」の対義語は?」を解説!/

・お金持ちで自慢ばっかりしていた旧友が、事業に失敗して5億円の借金を背負ったらしい。人生は棺桶に入るまでわからないな。
・サラリーマンとして平凡に暮らしていたが、宝くじに当たって生活が一変した。本当に人生って棺桶に入るまでわからない

「下駄を履くまでわからない」の対義語は?

「下駄を履くまでわからない」の対義語は「出来レース」です。意味や例文を確認していきましょう。

「出来レース」

出来レース」は「八百長や談合などにより、始まる前から結果が分かっている勝負や競争」という意味の言葉です。また、対戦相手の実力の差が歴然としており、勝敗が明らかに見えているような場合にも使用できます。

「最後の最後までどうなるかわからない」という意味の「下駄を履くまでわからない」とは反対の意味を表すと言えるでしょう。

例文を見てみましょう。

・B国の大統領選挙は、何があってもL大統領が必ず当選する出来レースの選挙だ。
・甲子園常連のA高校と新設のB高校の試合、もはや出来レースだよな…。A高校が勝つにきまってるじゃん。

「下駄を履くまでわからない」の英訳は?

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「下駄を履くまでわからない」の英語表現は「~ is not over until it's over」です。意味や例文を確認していきましょう。

「~ is not over until it's over」

~ is not over until it's over」は、「~は終わるまで分からない」という意味の英語の表現です。「下駄を履くまでわからない」という意味のことわざや慣用句は英語にないようなので、近い意味を表すこの表現をご紹介しました。

例文を確認していきましょう。

\次のページで「「下駄を履くまでわからない」を使いこなそう」を解説!/

The game is not over until it's over.
試合は下駄を履くまでわからない

「下駄を履くまでわからない」を使いこなそう

この記事では「下駄を履くまでわからない」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「下駄を履くまでわからない」は、「最後の最後までどうなるかわからない」という意味のことわざです。スポーツなどの勝負事で主に使用されます。

どんな勝負事も「下駄を履くまでわからない」のが当たり前です。大変なことも最後まで頑張りましょう!

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国語言葉の意味

【ことわざ】「下駄を履くまでわからない」の意味や使い方は?例文や類語を元日本語教師の大学院生がわかりやすく解説!

この記事では「下駄を履くまでわからない」について解説する。

端的に言えば下駄を履くまでわからないの意味は「最後の最後までわからない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「下駄を履くまでわからない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「下駄を履くまでわからない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「下駄を履くまでわからない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「下駄を履くまで」の意味は?

「下駄を履くまでわからない」の形では辞書に掲載されていません。「下駄を履くまで」の形で掲載されているので、まずはこちらを確認してみましょう。

「下駄を履くまで」には、次のような意味が国語辞典で紹介されています。

最後の最後まで。物事が終わるまで。「勝ち負けは―わからない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「下駄(げた)を履くまで」

下駄を履くまでわからない」は「最後の最後までどうなるかわからない」という意味のことわざです。スポーツなどの勝負事で主に使用されます。

この「下駄」は記事の最初の写真のような日本の伝統的な履物のことです。着物を着た時に履いたことがある人もいるかもしれませんね。

「下駄を履くまでわからない」の語源は?

次に「下駄を履くまでわからない」の語源を確認しておきましょう。

「下駄を履く」には古語では2つの意味があります。1つ目は「人のお金で買い物をする時、買ったものの値段を高く偽って差額をだまし取る」、2つ目は「物事が無事終わり、帰る支度をする」という意味です。この2番目の意味が派生し、江戸時代ごろに誕生したのが「下駄を履くまでわからない」ということわざだと考えられています。

\次のページで「「下駄を履くまでわからない」の使い方・例文」を解説!/

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