その2「優勝」
「優勝」は、誰もが知っている言葉ですが、今一度その意味を確認しておきましょう。
1つ目の意味は、競技などで1位になること。これは「テープを切る」と同じ意味ですが、「テープを切る」の場合は走る競技などで使われるのに対し、「優勝」はスポーツをはじめ、どんなジャンルの勝負事で使われます。
また、力が勝るものが勝つことも「優勝」です。インターネット上で、はっきりとした第1位でなくても、最も強烈な印象などを残した場合の賛辞などに用いられる傾向もあります。
「テープを切る」の対義語は?
続いて、「テープを切る」の対義語(反対語)について。
「テープを切る」の対義語として、はっきりとした言葉はありません。
ただ、「テープを切る」の逆の意味をあえて考えてみると、第1位ではないわけですから、敗退、敗北、惜敗、敗者、敗戦、黒星、不覚を取る、勝利の女神に見放される、苦杯をなめる、などが当てはまるでしょう。
「苦杯をなめる」
「テープを切る」とほぼ逆の意味を持つ言葉、その1つである「苦杯をなめる」の意味などを、念のため確認しておきましょう。
「苦杯をなめる」(苦杯を嘗める)は、苦い経験をしたり、苦杯を喫したりするという意味。例えば、「毎回あのチームに苦杯をなめさせられる」といった使い方をします。
ちなみに、苦敗とは書かずに「苦杯」が正しい表現です。間違えないように気を付けましょう。
「テープを切る」の英訳は?
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さらに、「テープを切る」について、英訳も確認しておきましょう。
「テープを切る」を日本語から英語にそのまま訳すと、cut the tape です。ただ、1着でゴールするという意味の場合、breast the tape、break through the finishing tape などが正しい英語表現となります。
「breast the tape」
「テープを切る」が慣用句の場合、先頭でゴールをするのが正しい意味。英語表現もその意味になる言葉が適切です。
breast the tape は、「breast」が突き進むという意味の英単語であり、これにテープを合わせて、テープに突き進む、つまり、テープを切る、1着でゴールするという意味になります。
その他の英語表現も合わせ、例文を見ていきましょう。
・Japanese athelete broke through the finishing tape at Hokkaido Marathon last year.
日本人選手が昨年の北海道マラソンでゴールのテープを切った。
・Her dream is to breast the tape of Olympic’s marathon race someday.
彼女の夢はいつかオリンピックのマラソンで1着になってテープを切ることだ。
・Our boss cut the tape at the opening ceremony of our company’s 100th anniversary.
我々の上司は、会社の創業100周年記念の開会式で、テープを切った。
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