偏西風は、空高くで吹いている風の一つです。偏西風は地球全体の気候に影響を与えるほどのものです。また、この風は非常に強い。それゆえ、飛行機のルートを決定する際にも、偏西風のことを無視することはできない。この記事では、偏西風のメカニズムを解説することはもちろん、関連する話題についても解説する。ぜひ、この機会に偏西風についての理解を深めてくれ。
環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。
偏西風について学ぼう!
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地球の表面には大気があり、その大気が移動することで風が生じます。そして、風は世界中のあらゆる場所で絶えず発生していますよ。このような風の分類の一つとして、偏西風が存在しています。偏西風は地球規模で気候に影響を与える可能性があるような風ですよ。また、近年注目されることが多い異常気象とも深い関係があると考えられています。
今回の記事では、偏西風がどのようなものであるかということに焦点を当てて、解説を進めていきますね。偏西風のメカニズムはもちろんのこと、それに関連する話題もいくつかご紹介しますよ。それでは早速解説をはじめます。
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偏西風とは?
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偏西風とは、北半球および南半球の中緯度地域の上空で恒常的に流れている風のことを指します。偏西風が流れている高度は約1万メートルです。また、その風速は毎秒100メートル(時速360キロメートル)に達します。そのため、偏西風はジェット気流と呼ばれることもありますよ。
日本の上空にも偏西風が流れています。春や秋といった季節にみられる移動性高気圧は、この偏西風によって移動しているのです。この移動性高気圧はユーラシア大陸の中国付近で形成され、日本にやってきますよ。
また、偏西風は欧州の気温にも影響を与えることが知られています。欧州が高緯度に存在するにもかかわらず、比較的温暖であるのは偏西風が吹いているからですよ。大西洋を流れる暖流により暖められた空気が偏西風でヨーロッパ各地に運ばれるのです。このようなことから、偏西風は世界全体の気象に大きな影響を与えることがわかりますよね。
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