その2「同じ穴の狢」
「同じ穴の狢」は、おなじあなのむじな、と読み、「狐と狸」と同じ、故事ことわざです。
意味は、一見すると違うように見えても、同類や仲間であることのたとえ。特に、通常は悪事を働く同類、つまり悪党同士という意味で使われます。この貉(むじな)は、狸に似たアナグマの異名で、山林に深い穴を掘って生息する動物です。
ちなみに、「同じ穴の狐」「同じ穴の狸」も同じ意味なので、合わせて覚えておきましょう。
その3「狐狸」
「狐狸」は、こり、と読みます。きつねたぬき、とは読まないので注意しましょう。
この「狐狸」の意味はずばり、狐と狸です。特に、「狐狸妖怪」という四字熟語でおなじみ。狐狸妖怪の意味は、人をだましたり、恐れさせたりする化け物ののことだったり、悪事を働く者たちのこと。
また、「狐狸の輩」という言葉もあります。人をだまして裏で悪事を行う者という意味。「狐と狸」と同じ意味です。
「狐と狸」の対義語は?
続いて、「狐と狸」の対義語(反対語)について。
そもそも「狐」と「狸」は、同義語であると同時に、対義語でもあります。そのため、「狐と狸」と正反対の意味を持つ対義語がピンポイントであるかというと、きわめて厳しいです。
あえて、逆の意味を持つ言葉を考えてみると、正直者、真面目、真っすぐ、率直、お人よし、真人間、誠実、などが該当するでしょう。
「狐と狸」の英訳は?
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さらに、「狐と狸」の英訳も、確認しておきましょう。
「狐と狸」をそのまま日本語から英語に翻訳すると、fox and badger や fox and racoon dog などですが、これはただの直訳。
「狐と狸の化かし合い」は、例えば、try to out fox each other などとなります。
「try to out fox each other」
「狐と狸」は、悪賢い者同士、という意味の場合、英語で表現すると、try to out fox each other が正しいです。
「try to」は、~しようとする。「out」はここでは動詞で、暴露するという意味。「fox」は狐(キツネ)で、「each other」はお互いという意味です。
狐がお互いを暴露しようとする、つまり、だまし合い、という意味になります。その他にも、さまざまな英語表現があるので、例文を見てみましょう。
・two people outfoxing each other
狐と狸の化かし合い
・to outsmart / outfox each other
お互いに裏をかく(狐と狸の化かし合い)
・Trying to out fox each other, were tricked some persons.
狐と狸の化かし合いにより、何人かの人々がたぶらかされた(だまされた)
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