この記事では「バスに乗り遅れる」について解説する。

端的に言えばバスに乗り遅れるの意味は「時代遅れ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「バスに乗り遅れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「バスに乗り遅れる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「バスに乗り遅れる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「バスに乗り遅れる」の意味は?

「バスに乗り遅れる」には、次のような意味があります。

1.世の中の進歩などに遅れる。
2.仲間や世間一般から置いてきぼりを食う。

出典:新明解国語辞典第七版(三省堂)「バスに乗り遅れる」

「バスに乗り遅れる」には、単に時間遅れてバスに乗り損なうという意味だけではなく世界の情勢に対して国家が一定の分野で時流に乗り遅れるという意味も含んでいます。むしろそのような意味合いで使われることのほうが多いでしょう。

情勢判断を誤った結果、意図せず違う方向に国を導く政策を取ると、国家を破滅させかねません。実際過去には、そのような歴史もあるのです。本当にそれ以外の選択肢がないのか、国にはよく検証する責任があるでしょう。

「バスに乗り遅れる」の語源は?

次に「バスに乗り遅れる」の語源を確認しておきましょう。「バスに乗り遅れる」という言葉はそれほど古い言葉ではありません。もっとも使われる方法はむしろ「バスに乗り遅れるな」という使い方が多かったようです。戦前の日本では、やがて世界は旧ソ連、ドイツ・イタリア、アメリカ・イギリスそして日本の四大勢力が支配するだろうと予想していました。その時流に乗り遅れることのないよう「バスに乗り遅れるな」という標語が広く流布されるようになり、やがて軍事同盟である「日独伊三国同盟」につながっていったのです。

最近の話では、毎日新聞がコラムで「地球温暖化対策」のため温室効果ガスの排出量を抑制するための「パリ協定」が発効しました。当時まだこの協定を批准していなかった日本に対して「バスに乗り遅れる」と警鐘を鳴らしていたのは記憶に新しいところです。

\次のページで「「バスに乗り遅れる」の使い方・例文」を解説!/

「バスに乗り遅れる」の使い方・例文

「バスに乗り遅れる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、例えば以下のように用いられます。

1.今はデジタル時代だから、そのようなアナログ情報だけに頼っていたのではバスに乗り遅れるよ。
2.最近では新しいスマートフォンが次々と発表されている。いまだに昔ながらの携帯電話を使っている彼は、完全にバスに乗り遅れているね。
3.毎日のニュースで政治や経済について解説者がコメントしているが、それらの情報を積極的に収集しないとバスに乗り遅れることになる。

自称ジャーナブロガーでファイナンシャル・プランニング技能士資格を持つ「ガベージニュース」というサイトの管理人である不破雷蔵氏が「バスに乗り遅れる」と急がせる風潮に対して、よく熟慮するよう警告を発しています。多くの人が取っている行動に対して、果たしてそれが正しいのか今一度考えてみようという趣旨です。例えば「振り込め詐欺」がいい例でしょう。近親者を名乗る誰かが電話で自分の陥っている危機的状況を聞き手に訴え、それに対してなんら判断させる余裕も与えず、とにかくその危機を脱することを優先させた結果、まんまと詐欺にひっかかってしまうというのです。

このように「バスに乗り遅れる」という心理には、他者とは違う行動はしたくない、あるいは多視点で物事を俯瞰する姿勢が欠落しています。「バスに乗り遅れる」と慌てる前に物事を正しく判断したいものです。

「バスに乗り遅れる」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

ここでは「バスに乗り遅れる」の類義語を見ていきましょう。

その1「チャンスを逃す」

「バスに乗り遅れる」が時流に乗り遅れて、せっかくの機会を逃す意味ですから「チャンスを逃す」「バスに乗り遅れる」の類義語と言えます。ただし、それが本当にチャンスだったのかどうかはその後の情勢によって変化しますから、その判断の当否は早計に下すことはできません。

\次のページで「その2「遅きに失する」」を解説!/

その2「遅きに失する」

「遅きに失する」も時流に乗り遅れる意味で「バスに乗り遅れる」の類義語と言えるでしょう。「遅きに失する」は、なにかを処理するに当たってタイミングを逸した場合に使われます。官公庁の仕事もとかく後手後手になりがちで、「遅きに失する」ことがよくあるものです。

その3「時代遅れ」

「時代遅れ」「バスに乗り遅れる」の類義語の一つです。その時代の傾向や流行についていけず取り残された様子を表します。特に服装や世界情勢についてよく耳にする用語です。

「バスに乗り遅れる」の対義語は?

次に「バスに乗り遅れる」の対義語を見ていきましょう。

その1「時流に乗る」

「時流に乗る」は時代の波に乗って物事を進める場合に使う言葉で「バスに乗り遅れる」の対義語です。「時流に乗る」「トレンドに乗る」と言ってもいいのですが、いずれにしても「時流に乗る」ことは成功するための一つの要因ではないでしょうか。

その2「先を行く」

「先を行く」は、より積極的に時代の波を先取りする意味で「バスに乗り遅れる」とはまったく逆の意味になります。時代の「先を行く」のはデザイナーや芸術家など多彩な面々が中心です。彼らがさまざまな領域で積極的に流行をつくりだして、私たちに提供してくれます。

その3「勝ち馬に乗る」

「勝ち馬に乗る」とは、勝った側に味方して便乗するとか、力のある人について恩恵を受けるという意味があります。少しばかり卑怯な手段に思えますが、そのような方法で経歴に箔をつけてのし上がった人がいることも事実です。

\次のページで「「バスに乗り遅れる」の英訳は?」を解説!/

「バスに乗り遅れる」の英訳は?

image by iStockphoto

最後に「バスに乗り遅れる」の英訳を見ていきましょう。

その1「miss the bus」

「miss the bus」はそのまま「バスに乗り遅れる」を意味する英語です。「miss」という単語は日本では「失敗する」という意味でよく使われますが、「乗り遅れる」という意味もあります。「~するのに遅れる」意味で使われることがあり、「miss the bus」で日本で言う「バスに乗り遅れる」とよく似たニュアンスを持っているのです。

その2「miss the boat」

「miss the boat」も日本語の「バスに乗り遅れる」の英訳の一つです。直訳すれば「ボートに乗り遅れる」ですが、英語圏では「好機を逸する」「チャンスを逃す」の慣用表現として使われます。

「バスに乗り遅れる」を使いこなそう

この記事では「バスに乗り遅れる」の意味・使い方・類語などを説明しました。あなたも寝坊してバスや電車に乗り遅れたことがあるのではないでしょうか。しかし今回紹介した「バスに乗り遅れる」はそのような意味ではありません。あくまでも時流に乗り遅れないよう気をつけましょうという意味です。かといってなんでもかんでもすべての物事を取り入れてしまうのは失敗の原因をつくってしまうことになります。あなたの判断で正しいと思ったことにだけ「バスに乗り遅れる」ことのないようにしてください。

" /> 【慣用句】「バスに乗り遅れる」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「バスに乗り遅れる」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説!

この記事では「バスに乗り遅れる」について解説する。

端的に言えばバスに乗り遅れるの意味は「時代遅れ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「バスに乗り遅れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「バスに乗り遅れる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「バスに乗り遅れる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「バスに乗り遅れる」の意味は?

「バスに乗り遅れる」には、次のような意味があります。

1.世の中の進歩などに遅れる。
2.仲間や世間一般から置いてきぼりを食う。

出典:新明解国語辞典第七版(三省堂)「バスに乗り遅れる」

「バスに乗り遅れる」には、単に時間遅れてバスに乗り損なうという意味だけではなく世界の情勢に対して国家が一定の分野で時流に乗り遅れるという意味も含んでいます。むしろそのような意味合いで使われることのほうが多いでしょう。

情勢判断を誤った結果、意図せず違う方向に国を導く政策を取ると、国家を破滅させかねません。実際過去には、そのような歴史もあるのです。本当にそれ以外の選択肢がないのか、国にはよく検証する責任があるでしょう。

「バスに乗り遅れる」の語源は?

次に「バスに乗り遅れる」の語源を確認しておきましょう。「バスに乗り遅れる」という言葉はそれほど古い言葉ではありません。もっとも使われる方法はむしろ「バスに乗り遅れるな」という使い方が多かったようです。戦前の日本では、やがて世界は旧ソ連、ドイツ・イタリア、アメリカ・イギリスそして日本の四大勢力が支配するだろうと予想していました。その時流に乗り遅れることのないよう「バスに乗り遅れるな」という標語が広く流布されるようになり、やがて軍事同盟である「日独伊三国同盟」につながっていったのです。

最近の話では、毎日新聞がコラムで「地球温暖化対策」のため温室効果ガスの排出量を抑制するための「パリ協定」が発効しました。当時まだこの協定を批准していなかった日本に対して「バスに乗り遅れる」と警鐘を鳴らしていたのは記憶に新しいところです。

\次のページで「「バスに乗り遅れる」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: