この記事では「夏歌うものは冬泣く」について解説する。

端的に言えば夏歌う者は冬泣くの意味は「やるべきことをやらないと痛い目を見る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「夏歌うものは冬泣く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

言葉の意外な関係性を発見した時の喜びを伝えることを至上の命題とする。

「夏歌う者は冬泣く」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「夏歌う者は冬泣く」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。言葉の意味自体はとても簡単なものですが、この言葉、なんと意外なものを想起させる言葉だったりします。

それでは早速「夏歌う者は冬泣く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「夏歌う者は冬泣く」の意味は?

「夏歌う者は冬泣く」には、次のような意味があります。

1.働くべき時に働かないでいると、あとで暮らしに困るというたとえ。

出典:用例でわかることわざ辞典(学研出版)「夏歌うものは冬泣く」

「夏歌うものは冬泣く」の読み方は、「なつうたうものはふゆなく」です。

言葉の意味は上述の通りであり、やることを放り出して後回しにしていると後々ツケが回ってくるという意味があります。将来の備えをしっかりしましょうという戒めの言葉でもあることが分かりますね。

「夏歌う者は冬泣く」の語源は?

次に「夏歌う者は冬泣く」の語源を確認しておきましょう。

言葉の通り、夏に歌ってばかりで冬への備えをしなかった者は、寒い冬がやってきた際になくは目になるというエピソードから生まれた言葉です。ところで、皆さんもこのようなエピソードをどこか有名な文学作品で目にしたことはないでしょうか。

そうなのです。これはまさにイソップ物語に登場する、アリとキリギリスの物語を彷彿とさせます。ただ、この言葉の語源がアリとキリギリスであるという根拠はありませんので、あくまで意外な類似点に留めておくのが良いでしょう。

とはいえ、このような偶然があると言葉への親しみがぐっと湧いてきますね。尚、余談ですが、アリとキリギリスは元々アリとセミだったのですが、ヨーロッパへと伝わる際に現在の形に変更がされたとされています。

\次のページで「「夏歌う者は冬泣く」の使い方・例文」を解説!/

「夏歌う者は冬泣く」の使い方・例文

「夏歌うものは冬泣く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.夏休みの宿題を後回しにしていたら、残り数日になってしまった。慌てて片付けながら、まさに夏歌う者は冬泣くという言葉を実感した。
2.夏歌う者は冬に泣くということにならないよう、カレンダーで期日までの日数を確認して計画を立てた。
3.将来への備えはいくらあっても足りないだろう。夏歌う者は冬に泣くとならないよう気を引き締めた。

「夏歌う者は冬泣く」の意味は「後回しにするとしっぺ返しを食らう」という意味でした。

例文では実際に手痛い思いをすることになったという場面と、ツケを払うようなことにならないよう備えをするというそれぞれのシチュエーションを押さえています

実際に後々のことを考えて備えをすることは大事ですが中々大変なことです。しかし、アリとキリギリスのような小説に触れると、失敗の結果がどうなるかという追体験を通して将来に備えることができます。読書ではこのようなヒントを得られることも大きな魅力だと言えるでしょう。

「夏歌う者は冬泣く」の類義語は?違いは?

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「夏歌う者は冬泣く」の意味は「備えを怠ると痛い目を見る」というものでした。この意味と同じ意味を持つ言葉を思い浮かべることはできたでしょうか。

それでは類義語を確認しましょう。

「後悔先に立たず」「蒔かぬ種は生えぬ」

「夏歌うものは冬泣く」の類義語は「後悔先に立たず」です。意味は「事が終わったときに悔やんでもどうにもならないため、事前に十分注意すること」となっています。

また、「蒔かぬ種は生えぬ」も類義語として使用することができるでしょう。こちらの意味は「原因がないことに結果は生じない」というところから、じっとしていては何も得られないという意味を持っています。冬に備えなければ冬に何もない状態になる、という場面として類義語であると言えるでしょう。

後悔先に立たずに似た言葉として「後の祭り」という言葉がありますが、こちらは「事が過ぎ去ってからいくら後悔しても遅い」という意味であり、少し趣が異なります。

\次のページで「「夏歌う者は冬泣く」の対義語は?」を解説!/

「夏歌う者は冬泣く」の対義語は?

「夏歌う者は冬泣く」の意味は「働くべき時に働かないと後で困ることになる」でした。対義語はこの反対の意味を持ちます。皆さんの頭にはどのような言葉が浮かんできましたか。

それでは対義語を確認しましょう。

「備えあれば憂いなし」

「夏歌う者は冬泣く」の対義語は「備えあれば憂いなし」です。この言葉は「備えを怠らなければいざという場合に何が起きても心配無用である」という意味を持ちます。

イソップ物語ではアリはキリギリスがいつも遊んでいる間に冬の備えの為に一生懸命働き、キリギリスが訪問した時もアリは暖かく快適な冬の暮らしをしていましたね。

似た言葉として「転ばぬ先の杖」という言葉もあります。こちらも先の事に備えるという意味がありますので、対義語として使えるでしょう。

「夏歌う者は冬泣く」の英訳は?

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「夏歌う者は冬泣く」の英語訳は存在していません。正確にはこの言葉の意味に該当する英語のことわざが存在していないということです。

直訳をするならば「Who sings in summer will end up crying in winter.」と英訳することはできます。

「夏歌う者は冬泣く」を使いこなそう

この記事では「夏歌う者は冬泣く」の意味・使い方・類語などを説明しました。

語源として繋がりがあるかは不明であるものの、有名な物語と同一の部分があるこの言葉には親しみを抱きやすかったのではないでしょうか。どのような形であれ感情を交えて触れることは憶える為にも効果的ですので、これを好機と捉え、色々な関連性を探して独自の脳内辞書を構築してみてください。

最期に余談となりますが、アリとキリギリスは元々はアリとセミであったとご紹介したことを憶えていらっしゃるでしょうか。キリギリスはバイオリンを奏でていましたが、セミもバイオリンを奏でていたのかと思うとなんだかちょっと不思議な気持ちになりますね。もしかしたらエジプトの近くのセミは美しい音色を奏でるのかもしれません。

それでは良い言葉の日々を。

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【ことわざ】「夏歌う者は冬泣く」の意味や使い方は?例文や類語を超読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「夏歌うものは冬泣く」について解説する。

端的に言えば夏歌う者は冬泣くの意味は「やるべきことをやらないと痛い目を見る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「夏歌うものは冬泣く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/シクロ

絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。

言葉の意外な関係性を発見した時の喜びを伝えることを至上の命題とする。

「夏歌う者は冬泣く」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「夏歌う者は冬泣く」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。言葉の意味自体はとても簡単なものですが、この言葉、なんと意外なものを想起させる言葉だったりします。

それでは早速「夏歌う者は冬泣く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「夏歌う者は冬泣く」の意味は?

「夏歌う者は冬泣く」には、次のような意味があります。

1.働くべき時に働かないでいると、あとで暮らしに困るというたとえ。

出典:用例でわかることわざ辞典(学研出版)「夏歌うものは冬泣く」

「夏歌うものは冬泣く」の読み方は、「なつうたうものはふゆなく」です。

言葉の意味は上述の通りであり、やることを放り出して後回しにしていると後々ツケが回ってくるという意味があります。将来の備えをしっかりしましょうという戒めの言葉でもあることが分かりますね。

「夏歌う者は冬泣く」の語源は?

次に「夏歌う者は冬泣く」の語源を確認しておきましょう。

言葉の通り、夏に歌ってばかりで冬への備えをしなかった者は、寒い冬がやってきた際になくは目になるというエピソードから生まれた言葉です。ところで、皆さんもこのようなエピソードをどこか有名な文学作品で目にしたことはないでしょうか。

そうなのです。これはまさにイソップ物語に登場する、アリとキリギリスの物語を彷彿とさせます。ただ、この言葉の語源がアリとキリギリスであるという根拠はありませんので、あくまで意外な類似点に留めておくのが良いでしょう。

とはいえ、このような偶然があると言葉への親しみがぐっと湧いてきますね。尚、余談ですが、アリとキリギリスは元々アリとセミだったのですが、ヨーロッパへと伝わる際に現在の形に変更がされたとされています。

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