その2「常軌を逸した」
「常軌を逸した」(じょうきをいっした)とは、「常識とはかけ離れていること」の意味です。良い意味でも悪い意味でも使われ、よい意味では「斬新」とか「奇抜」といったニュアンスを含みます。「常軌」とは「常に従うべきやり方」という意味で、「逸する」とは「ある範囲を越える」ことや、「何かを取り逃がす」ことの意味です。「彼の常軌を逸した態度に、見ていた人はあっけに取られた」などと言います。
その3「空気が読めない」
「空気が読めない」とは、「その場の雰囲気を察しない人や相手の思っていることを推し量ることができない」人のことを言います。特に日本では、多くを語られなくても、みずから察して周囲の望む言葉を選んだり行動を起こしたりするのが美徳とされていますね。これがうまくできない人のことを「空気が読めない」人と言うのです。「彼は空気が読めないので、同じ研究会の会員から敬遠されている」などと言います。
「ピントが外れる」の対義語は?
「ピントが外れる」の対義語は何でしょうか。
その1「ポイントを押さえる」
「ポイントを押さえる」とは、「要点を確実に理解する」といむ意味です。「おさえる」は「抑える」と書く人も見かけますが誤用になります。「抑える」は「抑制する」とか「限度を越えないように制限する」という意味です。一方、「押さえる」は「物理的に力を加える」とか「大切な点を確実に理解する」という意味があります。「管理者はこの仕事をすすめるにあたってポイントを押さえて指導するように」などと言いますね。
「ポイントを突く」と言う場合もありますが、同じ意味です。
その2「正鵠を射る」
「正鵠を射る」(せいこくをいる)とは、「物事の重要な点や急所となる点を正しくおさえる」という意味です。「正」も「鵠」も「弓の的の中心の黒い点」のことで、この「正鵠」が転じて物事の急所や要点の意味になりました。明治時代は「正鵠を得る」と言ってたのですが、昭和時代になって的を射るの意味が重なり「正鵠を射る」と言うようになったのです。
「質問に対する先生の答えは正鵠を射ていた」などと使います。
その3「本質を捉える」
「本質を捉える」(ほんじつをとらえる)とは「物事の重要な部分を見抜く」という意味です。「本質」とは「物事の根本となる部分」のことで、「捉える」とは「しっかりとつかんではなさない」ことになります。「本質を捕らえる」と書く人を見かけますが、「捕らえる」は「人や動物をつかまえる」という意味なので誤用です。「あの科学者は物事の本質を捉える知性がある」などと言います。
同じ意味で、「本質をつかむ」とか「本質を見極める」とか「本質を見抜く」とか「本質をつく」とも言いますね。
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