この記事では「シャッポを脱ぐ」について解説する。

端的に言えばシャッポを脱ぐの意味は「脱帽する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「シャッポを脱ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「シャッポを脱ぐ」の意味や語源・使い方まとめ

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「シャッポを脱ぐ」という表現、聞いたことがありますか。「シャッポ」とは何でしょう。なにやらおもしろい響きですね。どんな意味を持つ表現でしょうか。それでは早速「シャッポを脱ぐ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「シャッポを脱ぐ」の意味は?

まず初めに、「シャッポを脱ぐ」の意味を辞書で確認してみましょう。「シャッポを脱ぐ」には、次のような意味があります。

脱帽する。降参する。兜 (かぶと) を脱ぐ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「シャッポを脱ぐ」

「シャッポを脱ぐ(ぬぐ)」は「脱帽する、降参する」という意味を表す慣用句です。戦いや争いごとに敗れて相手に従うこととてもかなわないと認めて降参すること手段や方法が見つからずどうしようもない事態になることお手上げになることを表します。「シャッポ」とは、フランス語の「chapeau」からきていて、帽子のことを表すのですよ。帽子の中でも特に、つばのある帽子を指します。「シャッポだ」と言うだけでも「降参する」という意味になるのですよ。現代ではあまり使われなくなった表現ですが、逆に現代よく使われている「ポシャる」は、実は「シャッポを脱ぐ」から派生した言葉なのです。

「シャッポを脱ぐ」の語源は?

次に「シャッポを脱ぐ」の語源を確認しておきましょう。

古くから、相手の力を認めて降参することを「兜を脱ぐ」と言いました。かつて武士は、自分の象徴である兜(かぶと)を脱いで敵意のないことを示し、相手に降参したのです。「シャッポを脱ぐ」はここから転じた表現なのですよ。明治時代になって「兜」を新時代にふさわしい「帽子」に置き換えたのです。新しいものを取り入れたいと考えた当時の人たちが、そのまま「帽子」と言うよりも、フランス語の「chapeau」を取り入れようと考えたのだと思われます。「chapeau」はラテン語で「頭」を意味する「capus」に由来した言葉です。英語で帽子を意味する「cap」も同じ語源なのですよ。

\次のページで「「シャッポを脱ぐ」の使い方・例文」を解説!/

「シャッポを脱ぐ」の使い方・例文

「シャッポを脱ぐ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.人気料理店のグラタンは、ピラフにホワイトソースとチーズをたっぷりのせてオーブンで焼いてあり、あまりのおいしさにシャッポを脱いだ。
2.彼のレスリングの腕は一流で、玄人である私から見ても、正直なところシャッポを脱ぐしかないと思っている。
3.後頭部の形から難しいと思っていたが、そんなに言うならシャッポを脱ぐよ。ポニーテールを結ってみよう。
4.地中海沿岸原産の植物だというヒントだけで数々のハーブの名前が出てくるなんて、先生の圧倒的な知識量にシャッポを脱いだのでした。

「シャッポを脱ぐ」は、相手に脱帽すること、降参すること、敬意を示して感服することなどを表す時に用いる表現です。「君の才能にはシャッポを脱ぐよ」「あなたの見事な推理にはシャッポを脱ぎます」といったように使うことができます。また、相手が人でなくても、もうお手上げだという状態を表したい時にも用いることができますよ。「もうこの機械はこれ以上どう操作していいかわからない。シャッポを脱ぐしかない」などと言うこともできるのです。

「シャッポを脱ぐ」の類義語は?違いは?

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「シャッポを脱ぐ」の類義語を見ていきましょう。

その1「一目置く」

「一目置く(いちもくおく)」は「自分より相手が優れていることを認め、一歩を譲る」ことを意味する言葉です。強めて「一目も二目も置く」と言うこともあります。囲碁で弱い者が先に一つ石を置いて勝負を始めることに由来した言葉です。相手に敬意を払うということを意味しますから、「シャッポを脱ぐ」と似た意味を持つ言葉であると言えますね。

\次のページで「その2「尻尾を巻く」」を解説!/

その2「尻尾を巻く」

「尻尾を巻く(しっぽをまく)」は「立ち向かう気持ちをなくす、降参する」ことを意味する言葉です。勝ち目がないとみて、戦わずに負けを認めることを表します。喧嘩に負けた犬が後ろ脚の間に尻尾を巻き込んで逃げるということに由来しているのですよ。この言葉も「シャッポを脱ぐ」と似ていますね。

その3「参る」

「参る(まいる)」は「負ける、降参する」「閉口する、よわる、困る」などの意味を持つ言葉です。「相手に優位を占められる、屈する」といった意味を持っています。敬意を表すよりは「負け」の要素の強い言葉ではありますが、「負けを認める」という意味で「シャッポを脱ぐ」と似た意味を持つといえるでしょう。

「シャッポを脱ぐ」の対義語は?

「シャッポを脱ぐ」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。

「反発」

「シャッポを脱ぐ」の対義語というのは特にありません。反対の意味を持つ言葉を考えると、「反発(はんぱつ)」があげらると思います。「反発」は「他人の言動などを受け入れないで、強く否定すること」を意味する言葉です。相手の力を認めて受け入れる、敬意を表し感服することとは逆の意味を持っていますね。

「シャッポを脱ぐ」の英訳は?

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「シャッポを脱ぐ」を英語に訳すとどのように表現できるか見ていきましょう。

「take one's hat off to」

英語にもまさに「脱帽する」という表現があります。直訳の通り「take one's hat off to」というのです。相手に敬意を払って帽子を脱ぐよという意味で、「尊敬する」「感心する」「感服する」というニュアンスを含んでいます。

\次のページで「「シャッポを脱ぐ」を使いこなそう」を解説!/

I took our hats off to her for her effort.
彼女の努力にはシャッポを脱いだ。

「シャッポを脱ぐ」を使いこなそう

この記事では「シャッポを脱ぐ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「シャッポを脱ぐ」は「脱帽する、降参する」ことを意味する言葉でしたね。相手に敬意を表し、参りましたという気持ちを表すことができる表現です。「シャッポ」がフランス語からきているとはおもしろいですね。スペルから見て、本来「シャポー」としなければならないと思われますが、「シャッポ」とはずませたところにも遊び心を感じます。日常生活ではあまり使われなくなった言葉かもしれませんが、この機会にぜひ「シャッポを脱ぐ」という慣用句、どんどん使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「シャッポを脱ぐ」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「シャッポを脱ぐ」について解説する。

端的に言えばシャッポを脱ぐの意味は「脱帽する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「シャッポを脱ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「シャッポを脱ぐ」の意味や語源・使い方まとめ

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「シャッポを脱ぐ」という表現、聞いたことがありますか。「シャッポ」とは何でしょう。なにやらおもしろい響きですね。どんな意味を持つ表現でしょうか。それでは早速「シャッポを脱ぐ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「シャッポを脱ぐ」の意味は?

まず初めに、「シャッポを脱ぐ」の意味を辞書で確認してみましょう。「シャッポを脱ぐ」には、次のような意味があります。

脱帽する。降参する。兜 (かぶと) を脱ぐ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「シャッポを脱ぐ」

「シャッポを脱ぐ(ぬぐ)」は「脱帽する、降参する」という意味を表す慣用句です。戦いや争いごとに敗れて相手に従うこととてもかなわないと認めて降参すること手段や方法が見つからずどうしようもない事態になることお手上げになることを表します。「シャッポ」とは、フランス語の「chapeau」からきていて、帽子のことを表すのですよ。帽子の中でも特に、つばのある帽子を指します。「シャッポだ」と言うだけでも「降参する」という意味になるのですよ。現代ではあまり使われなくなった表現ですが、逆に現代よく使われている「ポシャる」は、実は「シャッポを脱ぐ」から派生した言葉なのです。

「シャッポを脱ぐ」の語源は?

次に「シャッポを脱ぐ」の語源を確認しておきましょう。

古くから、相手の力を認めて降参することを「兜を脱ぐ」と言いました。かつて武士は、自分の象徴である兜(かぶと)を脱いで敵意のないことを示し、相手に降参したのです。「シャッポを脱ぐ」はここから転じた表現なのですよ。明治時代になって「兜」を新時代にふさわしい「帽子」に置き換えたのです。新しいものを取り入れたいと考えた当時の人たちが、そのまま「帽子」と言うよりも、フランス語の「chapeau」を取り入れようと考えたのだと思われます。「chapeau」はラテン語で「頭」を意味する「capus」に由来した言葉です。英語で帽子を意味する「cap」も同じ語源なのですよ。

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