この記事では「烏の足跡(からすのあしあと)」について解説する。

端的に言えば烏の足跡の意味は「目じりのしわ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「烏の足跡」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

30歳の冬から肌の乾燥が気になり始め、40を超えると目の周りの皮膚が弱ってきたと実感したとか。烏の足跡とはどんなときに使う言葉なのか解説してもらう。

「烏の足跡」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「烏の足跡」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「烏の足跡」の意味は?

「烏の足跡」には、次のような意味があります。

目じりにできる小じわ。

目元は乾燥しやすく、筋肉が衰えるとシワができやすい箇所といわれています。「表情が優しく見える」とか「たくさん笑った証拠」などチャーミングとする捉え方もありますが、「しわくちゃなおばあさん」と表現するように、やはり老けて見えるのは否めません。なるべく予防したいものです。

若くてまだ「目尻のシワ」を想像しにくい皆さんは、鏡を見て思いっきり目を細めて笑ってみてください。目尻にシワが寄ったのではないでしょうか。それが固定化されたものが「烏の足跡」です。

「烏の足跡」の語源は?

次に「烏の足跡」の語源を確認しておきましょう。この慣用句は、目尻にできたシワが烏の足跡に似ていることからできました。

ここで、「鳥の足跡なんてみんな一緒でしょ?なぜあえてカラスなの?」と思う方もいるかもしれませんね。鳥のつま先部分を趾(あしゆび)といいますが、多くの鳥は第5趾が退化して4本の趾を持っています。おそらく皆さんが一般的に想像する「鳥類の足跡」のイメージです。でも中には、第1趾、第2趾も退化したダチョウのように2本の趾で暮らす鳥もいますよ。

そう考えると、カラスに限定する必要性はともかく、目尻のシワは確かに一般的な4本趾の足跡に近いのだな、と感じます。

\次のページで「「烏の足跡」の使い方・例文」を解説!/

「烏の足跡」の使い方・例文

「烏の足跡」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・多くの女性の悩みのもとである烏の足跡は、日々のスキンケアを習慣化するとある程度予防可能です。

・烏の足跡が気になり始めたので、美容クリニックで日々の対処法を教えてもらった。

例文にもあるように、女性のシワに対して使われることが多い「烏の足跡」。これまでは化粧やスキンケアなどを気にするのは女性だけ、ということもあったのでしょう。最近では肌の手入れをする男性も増え、エステでも男性のしわ対策を行っているところも出てきています。

なお、シワの予防には何より保湿が重要なようです。毎日アイクリームを優しく塗り込むこと、さらには目元のストレッチやツボ押しをすると、シワを防いだり薄くしたりできるとか。もし深いシワが刻まれてしまったら、対処法としては美容外科で行うボトックス注射が有名ですね。ボツリヌス菌を注射するというとなんだか怖い気もしますが、それだけ美へのこだわりは強いともいえるでしょう。

「烏の足跡」の類義語は?違いは?

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「烏の足跡」と似た意味で使える言葉はあるのでしょうか。

その1「ちりめんじわ」

表面に繊細な凹凸を持つ織物、「縮緬(ちりめん)」からできた言葉です。「ちりめんじわ」はやはり目の周辺にできるシワを指し、目の下にできる浅いものをいうことが多いようですよ。「烏の足跡」ほど、くっきりと線になってはいない状態といえるでしょう。このちりめんじわのうちに適切な対処をしないと、さらに深いシワへと進行してしまうそうです。

\次のページで「その2「梅干ししわ」」を解説!/

その2「梅干ししわ」

下あごにできる梅干しに似たシワのことです。確かに、昔話などでおばあさんが描かれるとき、目の周りと同様にシワが描かれるのが下あごですね。

シワができる箇所が異なるので「烏の足跡」の類語とは言えないかもしれませんが、シワに関する慣用句として挙げてみました。なお、梅干ししわは老化や乾燥よりも、歯並びのせいで口が閉じないことでできるとか。歯の矯正で治せることもあるそうで、その意味では同じシワでも「烏の足跡」とは大違いですね。

・目の周辺はデリケートだから、気を抜くとすぐちりめんじわができてしまう。海水浴でさんざん紫外線を浴びていた若い頃を今さら後悔しています。

・配信予定の画像のクオリティーを上げるため、顔に梅干しじわを描き加えたら一気にお年寄りらしさがアップした。

「烏の足跡」の対義語は?

「烏の足跡」の反対の意味、つまり目尻のシワがないことを表す特定の慣用句はありません。「しわ一つない肌」「ピンと張った目元」とでも表すことになります。「烏の足跡」が廊下をイメージさせるという点では、「赤ちゃん肌」「卵肌(たまごはだ)」なども逆のニュアンスがあるといえますね。

・若い頃の写真を見たら、しわ一つない目元で今との違いを痛感した。

・つるんとした卵肌を目指して、食事や睡眠はもちろん、マッサージやアイケアにも注意しています。

「烏の足跡」の英訳は?

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では、「烏の足跡」の英語表現を見ていきましょう。

「crow's feet」

英語でも、「カラスの足」が目尻のシワを意味します。feetはfoot(足)の複数形ですね。「足跡」と「足」そのものという違いこそあれ、同じ「カラス」が使われているのは興味深く感じます。一般的な鳥としてはスズメやハトでもよさそうなものなのに、やはりシワに一番似ているのは「カラス」の足跡なのでしょうか。

なお、「シワ」」だけを英訳するなら単語はwrinkleを使いましょう。

\次のページで「「烏の足跡」を使いこなそう」を解説!/

「烏の足跡」を使いこなそう

この記事では「烏の足跡」の意味・使い方・類語などを説明しました。桜木先生ご指摘のとおり、「今泣いた烏がもう笑う(子供がすぐ泣き止む様子)」、「烏の行水(短い入浴)」などなど、「からす」と読むものだけでも多くの慣用句があります。「烏合の衆(うごうのしゅう)」のように音読みで用いるものも含めれば倍増するかもしれません。慣用句への登場回数は、その動物への親しみをはかる目安になりそうですね。

空気が乾燥する冬はもちろん、エアコンの風を受ける夏もシワ対策は必須です。日焼け止めや睡眠への注意に加え、デリケートな目元のケアもしっかり行ってキレイな自分を演出しましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「烏の足跡」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「烏の足跡(からすのあしあと)」について解説する。

端的に言えば烏の足跡の意味は「目じりのしわ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「烏の足跡」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

30歳の冬から肌の乾燥が気になり始め、40を超えると目の周りの皮膚が弱ってきたと実感したとか。烏の足跡とはどんなときに使う言葉なのか解説してもらう。

「烏の足跡」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「烏の足跡」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「烏の足跡」の意味は?

「烏の足跡」には、次のような意味があります。

目じりにできる小じわ。

目元は乾燥しやすく、筋肉が衰えるとシワができやすい箇所といわれています。「表情が優しく見える」とか「たくさん笑った証拠」などチャーミングとする捉え方もありますが、「しわくちゃなおばあさん」と表現するように、やはり老けて見えるのは否めません。なるべく予防したいものです。

若くてまだ「目尻のシワ」を想像しにくい皆さんは、鏡を見て思いっきり目を細めて笑ってみてください。目尻にシワが寄ったのではないでしょうか。それが固定化されたものが「烏の足跡」です。

「烏の足跡」の語源は?

次に「烏の足跡」の語源を確認しておきましょう。この慣用句は、目尻にできたシワが烏の足跡に似ていることからできました。

ここで、「鳥の足跡なんてみんな一緒でしょ?なぜあえてカラスなの?」と思う方もいるかもしれませんね。鳥のつま先部分を趾(あしゆび)といいますが、多くの鳥は第5趾が退化して4本の趾を持っています。おそらく皆さんが一般的に想像する「鳥類の足跡」のイメージです。でも中には、第1趾、第2趾も退化したダチョウのように2本の趾で暮らす鳥もいますよ。

そう考えると、カラスに限定する必要性はともかく、目尻のシワは確かに一般的な4本趾の足跡に近いのだな、と感じます。

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