

端的に言えば言葉尻を捕らえるの意味は「相手のささいな言いそこないにつけ込んで、攻撃したり批判したりする」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
早稲田大学文学部で日本文学・日本語学を学んだぽん太を呼んだ。一緒に「言葉尻を捕らえる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ぽん太
早稲田大学文学部で日本語学と日本文学を学び、中高国語科の教員免許も取得している。これまで学んだ知識を生かして、難解な言葉をわかりやすく解説していく。
「言葉尻を捕らえる」の意味は?
「言葉尻を捕らえる」を検索すると、次のような意味がありました。
相手のささいな言いそこないにつけ込んで、攻撃したり批判したりする。「―・えて反論する」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「言葉尻を捕らえる」
「言葉尻」とは、「言葉の終わりの部分」や「他人の言い損なった部分、失言の箇所」を指す言葉です。これを「捕らえる」ので、「言葉尻を捕らえる」は「他人の言い損ないを捕まえてとがめる、攻撃・批判する」という意味になりますね。
ちなみに「捕らえる」は「捉える」とも書くことができます。「捕らえる」は動物などの獲物や人を取り押さえて逃さないようにするという意味で、「捉える」はそれ以外のものをしっかりと握って離さないという意味です。
「言葉尻をとらえる」は「言葉尻」という人や動物以外のものを対象としているので「捉える」の方を用いるという解釈もあります。しかし、デジタル大辞泉やウェブリオ辞書では「捕らえる/捉える」として同じ枠で意味を掲載しているので、この場合そこまで気にする必要はないでしょう。
「言葉尻を捕らえる」の語源は?
次に「言葉尻を捕らえる」の語源を確認しておきましょう。
集英社・イミダスの『ルーツでなるほど慣用句辞典』によると、「言葉尻を捕らえる」の語源は「言葉の端をしっかりつかんで離さない意から」と書かれています。他人のちょっとした失言をしっかりとらえて離さずに批判するという姿勢から生まれた言葉だとすると、なかなか恐ろしい語源ですね。