この記事では「メートルを上げる」について解説する。

端的に言えばメートルを上げるの意味は「酩酊する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験したKAIKAIを呼んです。一緒に「メートルを上げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉やことわざの意味には自信あり。

「メートルを上げる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「メートルを上げる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「メートルを上げる」の意味は?

国語辞典を検索してみると「メートルを上げる」には、次のような意味があります。

酒を飲んで怪気炎を上げる

出典:デジタル大辞泉(小学館)「メートルを上げる」

「メートルを上げる」とは、泥酔して威勢のいいことを自慢げに語ることを表現する慣用句です。お酒が進むとテンションが上がり、気持ちが大きくなります。その結果、羽目をはずしたりするようになるのです。そうしたかなりできあがった状態のことを計測器にたとえて言うようになりました。

「メートルを上げる」の語源は?

次に「メートルを上げる」の語源を確認しておきましょう。

語源はフランス語の「metre」(メートル)で、英語ではmeter」(メーター)です。通常メートルと言うと長さの単位ですが、メーターと言う場合もあります。「メーター」と言う場合は長さの単位の他に電気の使用量や車の速度を示すこともありますね。酔っ払った程度を測定するという意味でこのメーターが使われるようになりました。

もう一つの語源として、飲み過ぎてしゃっくりが止まらない状態を「尺があがる」と言ったのですが、明治時代に尺貫法という測量方法に代わってメートル法が導入されたため、尺をメートルに置き換えて使った言葉遊びから生まれたとする説もあります。

\次のページで「「メートルを上げる」の使い方・例文」を解説!/

「メートルを上げる」の使い方・例文

「メートルを上げる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.昨夜メートルを上げ過ぎたので今日は本当につらい。
2.彼はメートルが上がったようでさかんに自慢話を語り出した。
3.8時に店じまいとはメートルを上げるには早すぎるなと通りすがりの人は言った。

「メートルを上げる」はお酒を飲んでかなり酔っ払った状態にのみ使われる言葉です。しかし、メートルの単位はどこからどのレベルまでが酔っ払った状態なのかという度合いを測る基準はありません。おそらく計測器の針が大きくぐるんと動く時のイメージをたとえているのでしょうね。

「メートルを上げる」の類義語は?違いは?

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「メートルを上げる」の類義語は何でしょうか。

その1「おだをあげる」

「おだをあげる」とは「気の合った者どうしが集まって勝手気ままなことを言い合っている」ことです。「おだ」とは「お題目」を省略した言葉と言う説もあり、「小田原評定」(なかなか決まらない会議)の省略した言葉だと言う説もあります。「結婚式の二次会で同級生が集まって大層おだをあげていた」などと言いますね。

\次のページで「その2「気炎をあげる」」を解説!/

その2「気炎をあげる」

「気炎をあげる」(きえんをあげる)とは「熱く議論を交わす」ことや「威勢よく語る」ことの意味です。「気炎」とは「燃え上がる炎のように激しい意気込み」になります。「係長は来月の月間売り上げは会社でトップを取るぞと気炎をあげた」などと言いますね。

その3「気を吐く」

「気を吐く」(きをはく)とは「威勢よく得意げにものを言ったり、気合の入ったところを見せたりすること」です。「今回のオリンピックであの国の選手は不振が続いたが、あの選手だけは金メダルと一人気を吐いて見せた。」などと言います。

「メートルを上げる」の対義語は?

「メートルを上げる」の対義語は何でしょうか。

その1「素面」

「素面」「しらふ」と読みます。酒に酔っていない普通の状態のことです。酔っている状態から元の状態に戻ることを「素面に戻る」とか「酔いが覚める」と言います。また、「普段の様子に振る舞うこと」という意味もあるのです。語源はお面を付けたり化粧をしたりして顔をかくさないということになります。「素面だったらそんな態度はとらないだろう」などと言いますね。

その2「正気」

「正気」「しょうき」と読む場合は、「頭が正しく働いていること」「確かな心」という意味です。同じ漢字でも「せいき」という言い方をした場合は、意味が変わって「正しい気風のこと」「物事の根本となる気のこと」の意味になります。前者の意味で「メートルが上がる」の対義語になりますね。「そんなことをするなんて君は正気か」などと言います。

「メートルを上げる」の英訳は?

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「メートルを上げる」の英訳は何でしょうか。

\次のページで「「have had a drink and be talking big」」を解説!/

「have had a drink and be talking big」

「メートルを上げる」は英語では「have had a drink and be talking big」です。あるいは「be in high sprits as a result of drink」とも言います。辞書を探してみたのですが、1つの単語で該当するものは見当たりませんね。

She is merry over her cups.(彼女は酒を飲むとメートルを上げる)
They have had quite a few drinks and are getting rowdy. (彼らはかなりメートルを上げている) 

「メートルを上げる」を使いこなそう

この記事では「メートルを上げる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

日々の生活にはストレスがつきものです。たまには気晴らしにパーッと飲んで騒ぎたくなりますね。しかしメートルが上がりすぎると、余計なことを口走ったり、上司にからんだりと失敗がつきものです。

さらに、カバンを忘れたり形態電話を落としたり、さらには転倒してケガをしたりすることもあります。あげくの果ては歩行もままならなくなり周囲の人に大変な迷惑をかけたり、警察に逮捕されてしまうこともあるのです。

メートルはほどほどにあげるようしっかり自分をコントロールすることがおすすめですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「メートルを上げる」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターことがわかりやすく解説!

この記事では「メートルを上げる」について解説する。

端的に言えばメートルを上げるの意味は「酩酊する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験したKAIKAIを呼んです。一緒に「メートルを上げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉やことわざの意味には自信あり。

「メートルを上げる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「メートルを上げる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「メートルを上げる」の意味は?

国語辞典を検索してみると「メートルを上げる」には、次のような意味があります。

酒を飲んで怪気炎を上げる

出典:デジタル大辞泉(小学館)「メートルを上げる」

「メートルを上げる」とは、泥酔して威勢のいいことを自慢げに語ることを表現する慣用句です。お酒が進むとテンションが上がり、気持ちが大きくなります。その結果、羽目をはずしたりするようになるのです。そうしたかなりできあがった状態のことを計測器にたとえて言うようになりました。

「メートルを上げる」の語源は?

次に「メートルを上げる」の語源を確認しておきましょう。

語源はフランス語の「metre」(メートル)で、英語ではmeter」(メーター)です。通常メートルと言うと長さの単位ですが、メーターと言う場合もあります。「メーター」と言う場合は長さの単位の他に電気の使用量や車の速度を示すこともありますね。酔っ払った程度を測定するという意味でこのメーターが使われるようになりました。

もう一つの語源として、飲み過ぎてしゃっくりが止まらない状態を「尺があがる」と言ったのですが、明治時代に尺貫法という測量方法に代わってメートル法が導入されたため、尺をメートルに置き換えて使った言葉遊びから生まれたとする説もあります。

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